心殺呪縛EX。
心殺呪縛EX。
「邪魔だ! もう、お前らカスの相手をするのは完全に飽きた! 全員、閉鎖空間で寝てろぉ! 『心殺呪縛EX』!」
三至も九華も五生命王も、まるごと、まとめて呪縛しようとするP型センエース1号。
凶悪な魔法で、ガチガチに拘束されていく天上の神族達。
ゾメガ「うぬうぅう」
平「うぐぐぐぐぐぐ!」
必死に抗おうとするが、
銃崎「うご……けない……」
才藤「くそったれ……な、情けねぇ」
異守「……むぅ……むむむっ!」
恐ろしく強力で、抵抗しきれない。
ジャミ「た、たかが! 呪縛ごときに! くそぉお!」
バロール「ふざけんじゃねぇ! 外せるはずだ! 外せねぇ訳がねぇええ! ぬおおお!」
怒りに支配されそうになる。
アルキントゥ「こ、こんな! この私が! 何もできないなんて!」
パメラノ「ど、どうすれば……なにをすればよい……くぅ」
心が折れそうになる。
サトロワス「動けない……どうして……私は、こんなにも……弱い……」
マリス(……虚しい……違う。これは憎さ……自分の弱さに対する……)
腐りそうになる。
テリーヌ「くぅ……どうして抗えない……わ、私の心は……こんなにも脆かったのか……」
カティ「私のやってきた事は……無駄だったの? いや、そんなわけない……けど……」
砕けそうになる。
――そんな中、
「ん……ちっ、おいおい、ミシャンド/ラ。空気をよめよ。うぜぇなぁ」
ミシャだけは、ギリギリのところで抵抗できていた。
それどころか、ボロボロの姿で、しかし、なんとか立ち上がり、
ギラッギラの目で、P1を睨みつけている。
そんなミシャに、P1は言う。
「なんで抵抗できてんだよ。……ああ、そういえば、お前は、特殊な『出自』だったなぁ。偶然、たまたま、『呪縛に対するなんらかの超上位抵抗因子』を持って産まれてきたってパターンのアレか? データにはねぇけど……まあ、隠し固有属性か、もしくは裏特性ってやつだろうな……具体的な素因はよくわかんねぇけど……まあ、どうでもいい」
溜息交じりに、
頭をポリポリとかきながら、
「つぅか、マジでダルいな……ほんと、もういいって。無駄だっつってんだろ。無理なんだよ。もう俺はお前らを超えた。お前らがいくら頑張っても、俺には勝てない。とっくにお前らの時間は終わってんだよ。分かれよ、空気よめ」
P型センエース1号の『そのペラッペラなセリフ』を聞くと、
ミシャは、
「無駄? もう無理? いくら頑張っても勝てない?」
そう反芻してから、
「……はっ」
ニっと、快活に微笑んで、
「つまり、ここからって事ね」
ほとばしる気力。
たぎる血潮。
ミシャの闘志は、際限なく膨らんでいく。
その様を見たP型センエース1号は、面倒臭そうに溜息をついて、
「……センエースの金魚のフンでしかないカスが、一丁前にセンエース気取りかよ。クソが……あのさぁ、お前ごときが、俺(センエース)をどうにか出来ると本気で思っているのか? いや、思っているんだろうな。だから、心殺呪縛が通らないんだろう。呪縛に耐性があるというより、心が鈍感で、頭がバカ。……はっ、ふざけた話だ。センエースを……『俺』をナメんじゃねぇよ」
P型の発言に、ミシャは分かりやすく怒りを覚えた。
こめかみに青筋。
目が血走る。
ミシャは言う。
「私という個に、どんな評価を下そうが、それは貴様の勝手だし、貴様ごときにどう思われようと、心底、どうでもいいが……しかし、貴様程度が……」
爆発的に上昇していく魔力とオーラ。
怒りが、ミシャを押し上げる。
「貴様程度が、その尊き名を騙るなぁああ!」
滞っていた道が開く。
可能性が見えた。
『限界』を超えていくミシャ。
湧き上がっていく!!
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