第5話 作者、記号(!、?、…、―など)で遊ぶ。

 さぁ! 今回は!


 感嘆符(!)、疑問符(?)、三点リーダー(…)、ダッシュ(―)を使った会話文を考えてみよう!







 「なんなの」


 はじめに。この会話文を見てあなたは、どう思いました? 冷たい言い方をされたと思いません?


 「なんなの?」


 次に、これはどうでしょう。


 この会話文を言った人物は困っていますね。でも、さっきより、柔らかい印象を持てます。


 「なんなの!」


 これはどうですか?


 ……え? ツンデレキャラ?

 

 そうですね、私もそう思いました!


 ……って、違うっ!? 私はそういうこと言いたいじゃなくて!


 「……なんなの」


 くっ……!! 今の私に、お似合いの言葉になりましたね……。


 「――なんなの」


 今度は、ちょっと会話の中で間を開けた言い方になりました。


 どうですか? 会話文に感情が見え隠れするようになっていませんか?


 では、もうちょっと、遊んで見ましょう!






 「――もぅ!! お兄ちゃんのばかぁ! 私もう……知らない!」


「ま、待ってくれよぉ……お兄ちゃんが悪かったって! お兄ちゃんを見捨てないでくれよぉ!」


「――ふん!」


「なんでも買ってあげるからさぁ! ……お願いだよぉ、機嫌直してくれよぉ!」


「……本当に、なんでも買ってくれるの?」


「――!? ああ! 本当だとも! 可愛い妹のためだ! お兄ちゃんは財布を空にしてもいいぞ!(バリバリ)」


「うわぁ! お兄ちゃん! 大好き!」


 ……そうして、俺の財布は妹専用になってしまったのであった。







 ……はい。すいません。


 会話文で遊ぶどころか、私の妄想がどうやら漏れてしまっていたようです……今後、気をつけます(汗)


 ですが、もしもこの会話文に記号たちを使わなかったらどうなるでしょうか?







 「もぅ、お兄ちゃんのばかぁ。私もう、知らない」


「ま、待ってくれよぉ。お兄ちゃんが悪かったって。お兄ちゃんを見捨てないでくれよぉ」


「ふん」


「なんでも買ってあげるからさぁ。お願いだよぉ、機嫌直してくれよぉ」


「本当に、なんでも買ってくれるの」


「ああ、本当だとも。可愛い妹のためだ。お兄ちゃんは財布を空にしてもいいぞ(バリバリ)」


「うわぁ、お兄ちゃん。大好き」


 そうして、俺の財布は妹専用になってしまったのであった。







 と、いう会話文になってしまいました。どうです? 何か変わりました?


 一様、母音を小文字にして表すなどして言葉の抑揚を出してみてるですけど……何か味気ない。特に、妹の感情があまりわかりませんね。


 妹、本当に嬉しいんでしょうか。何か、作り物のような兄妹にも見えますね。


 ……若干、不気味です。


 さぁ、私が今回何を言いたいかと言いますと。

 あなたの作品で登場する人物たちは、どんな性格でどんな話し方をしてるでしょうか。考えてみましょう! ってことです。


 または、会話で遊んでみるのも面白いですよ!


 人はそれぞれ、当たり前ではありますが性格が違います。もちろん、容姿も違いますね。

 生きてきた環境も違えば、今まで見たものや覚えたものさえ、違います。


 個性。十人十色。さまざな人が、この世の中には存在しています。完全に、同じものはないはずです。


 


 ん? そんなもの必要ない? 物語さえ進んでストーリーが面白ければそれでいいですって? 登場人物はただ、物語を進行するだけのためにいる存在だ?






 

 ……その考えは、間違ってはいないですけど。私から見ると、とても面白くなく。すごく勿体ないですね。

 せっかく、登場人物たちはその物語の世界で生きて、嬉しかったり、怒ってみたり、悲しんだり、楽しんでみたりと、まさに喜怒哀楽があるはずなのにそれを読者の皆さまに伝えないのは勿体ない。物語の展開を楽しんでる人もいれば、その物語の中の登場人物たちの生活を見てみたいと思う方もいらっしゃると私は思います。


 日常系は、物語の進行が進まなくてイライラする?


 まぁ、言ってることもわからなくもないですが、個人的には物語の中で緩急をつける意味合いで登場人物たちの日常にせまるのもアリだと思います。


 なんでそんなものが必要かって?


 簡単ですよ。開幕からずっと、バトルバトルバトルしてる作品を読んでその作品の登場人物たちに感情移入できますか。私は、できません。

 ずっと、戦ってばかりで登場人物たちはなんで戦っているのかもわからず、勝ったら「やったぜ!」負けたら「くそっ……」というだけの作品読みたいですか?


 これ、何の感情もわかない。その一言で、済んでしまう作品になってしまいます。




 では、最後にまとめ。


 今回、私が言いたかったのは自分が書いた作品の中の登場人物たちはその物語の中でちゃんと生きていますか? ということです。

 

 彼らは、ロボットではありません。感情があります。そして個性があるはずです。その個性の出し方の一つは、冒頭の会話文にヒントがあります。

 あとは、地の文での登場人物のしぐさ、行動や顔の表情までいたるところに個性を出すタイミングがあります。


 それが見つけられたらきっと、あなたが書く作品の個性の一つになると思いますよ。

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