いとこのジョアンナ

鳩尾

☆ 新しいマッチ!なにか、話しかけてみよう!

「よーそこの可愛いこちゃん!調子どう?」


「ははは、そこそこ。そこのハンサム君の調子は?」


「まぁまぁかな。マッチ度80%の女と話してるって感じ。」

「妥当だね。」


「私も、 "イケメン、金持ち、スポーツ万能、頭いい、床上手"ってプロフィールに書いてある男と話してる筈なんだけど、今ひとつときめいてないんだよね。」

「まったくもって、ときめいてない。」


「それは多分、君がその男の本質を、本気で楽しもうとしてないからじゃないかな?」


「ふーん。こんなデタラメなプロフィールの男が、マッチングアプリで出会った女と、"本質"を共有して楽しもうとしてるなんて思えないけどな。」

「…その男の言う"本質"って、本当のオーガズムがなんちゃらかんちゃらとか、ベラベラベラベラ言ってる、怪しい汗だくヨガ・セックスに行き着くんじゃない?」


「うーん…それは1億ドル級の質問だな。」

「さて、ジョークはこのへんにして。」

「俺はケン。君はなかなか…クリティカルだね。」


「ありがとう。クリティカルは私の法的に認められたミドルネームなの。」

「名前はジョアンナ。よろしく。」

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