第137話 魔国の確認
カレン達は数日メープルに残り、お世話になっていた人たちへの挨拶周りとライブを繰り返すということなので俺だけが王都を出ることにした。
ここまで来たら魔国の見えるところまで行きたいよね。
ということで、魔国の見える岬まで飛行艇で飛んでいくことにした。
数時間が飛んでいると海が見えてきた。
さらに進むと入り江となったところに港町が見えてきた。
さらに先には岬があり、遠くには真っ黒な樹木に覆われた島が薄っすらみえてきた。
遠くに見える島が魔国だそうだ。
その島からは不気味な雰囲気が漂っており、結界に包まれていた。
これ以上近づくと危険な感じがするので戻ることにした。
入り江の港町まで戻り、魔国の情報を探る。
「ようこそ、最果ての港町サライへ。」
門番と挨拶を交わし、町のギルドに向かった。
「ようこそ、冒険者ギルドサライ支店へ。」
「魔国の情報があったら聞きたいのだが。」
「そうですね。100年以上魔族が結界の外へ出てきたことはないです。今の魔王は保守派らしいという情報しかありません。もちろん、こちらから入ることも不可能です。」
残念ながら何の情報も無いようだ。
魔王が結界を解除しない限り安全なのはわかった。
「では、この町の名産や名所があれば教えてくれ。」
「港町ですので新鮮な海産物が名物ですね。港の市場で毎朝、朝市が開かれますのでぜひどうぞ。名所は岬の先にある魔国を眺める展望台があります。あと、東の山岳部にグリフォンが生息していると言われています。グリフォンもそうですが、周辺の魔物が強いため山には近づけません。スカイ様であれば問題ないかと思いますが。」
グリフォンか。
鷲とライオンを合わせたような魔物だが、飛行できるしかっこいい!
ぜひ、テイムしたい魔物だ。
次の目的が決まった。
魔国の情報はこれ以上得られそうにないし、上陸することも無理そうだ。
海産物の入手とグリフォンに会いに行こう。
町に出て、乾物を買いあさった。
ワカメや昆布、煮干しのような小魚の乾物が売られていた。
流石にカツオ節は無かったが、カツオに似た魚はいるらしいので挑戦してみようと思う。
明日、朝市を見てからそのままグリフォンをテイムしに行く予定だ。
家に転移し、サクラに乾物を渡した。
明日から出汁の利いた料理が並ぶだろう。
翌日、アカネ、サンドラ、セーラをグリフォン狩りに誘った。
サライに転移し、朝市に向かった。
朝早いというのにめちゃくちゃにぎわっていた。
市場には様々な魚が並んでいるほか、貝やカニ、エビも豊富に並んでいた。
片っ端から購入し、インベントリに収納していった。
先日聞いたカツオに似た魚も見つけた。
50cmほどの青魚だった。
さらに1mほどあるマグロに似た魚もみつけた。
インベントリ内にたくさんの海産物を入れニヤニヤが止まらない。
すぐに食べたい気持ちを押し殺してグリフォン狩りに向かう。
町から少し離れた場所で飛行艇に乗り、グリフォンの生息している山岳部を目指す。
険しい山々が連なっていた。
馬車で向かうのは厳しいだろう。
しかも、徒歩で登山なんてことをしたら何日かかることか。
いくつもの山を越えていくと切り立った崖に囲まれた平地が見えてきた。
その上空には飛行する魔物が見える。
あれがグリフォンの生息地なのだろう。
近くの山に降り、そこから徒歩で下山する。
近くで見るとグリフォンはイメージよりも大きかった。
馬よりも結構大きい。
跨って乗るにはギリギリかな?
身体はライオン、顔は鷲、胴体に大きな鷲の翼が生えた魔物だ。
100頭ほどの群れだった。
テイムしようと近づくと非常に好戦的で、鋭いクチバシで突かれそうになった。
そして、けたたましい声で鳴いたため周囲のグリフォンにもバレ、一斉に襲ってきた。
「アカネ、サンドラ、セーラ、やむを得ん。殲滅するぞ。一度倒せば魔物召喚か眷属召喚でいけるから遠慮はいらん。全力で行け!」
氷魔法アブソリュート・ゼロで地上にいるグリフォンを動けなくした。
風魔法サイクロンで上空のグリフォンを巻き込み、炎魔法インフェルノを唱えると炎の火柱が発生し、火災旋風となった。
全てのグリフォンを巻き込み、一掃された。
「よし、帰るか。」
転移で自宅に戻り、庭で1頭ずつグリフォンを召喚した。
召喚したグリフォンをそれぞれが眷属化し、Myグリフォンとした。
グリフォンは飛行艇と違って風を感じ気持ちがいい。
それにワイバーンより断然乗り心地が良いし、かっこいい。
俺のグリフォンはみんなより一回り大きい。
「お前の名前はエバだ。よろしくな。それにボスになってもらうからみんなを率いてくれ。」
エバに統率と念話、言語理解などスキルを付与した。
*ステータス
名前: エバ(グリフォン)
スキル
飛翔、統率、念話、言語理解、気配探知、魔力感知、ブレス、火魔法、風魔法
みんなでグリフォンに乗り、飛行を楽しんだ。
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