第121話 とり肉と卵の確保

馬車風自動車のリビングにある巨大ディスプレイの前で寛ぎながら外の様子を覗う。

特に敵襲もなく平和である。

主要街道を進んでいるので周囲の魔物は冒険者により間引きされていて遭遇する方が珍しいのだ。

暇すぎるので探索範囲を広げ適当な魔物が居ないか探ってみた。

結構離れたところにしかいない。

こんな時は料理でもしようとキッチンに向かった。

とりあえず、クッキーでも焼いてみるかな。

甘い匂いに誘われて娘たちが部屋から出てきた。

食べたそうに見ているので紅茶を入れて待っていろというと喜んで準備を始めた。

甘いものが好きみたいだからスィートポテトも焼いてやることにした。

そういや、この世界でサツマイモは見なかったな。

うちはメルモダンジョンで元世界の食材を栽培しているから入手可能だが。

スィートポテトは娘たちに大好評だった。

今度、焼きいもも焼いてあげよう。

『盗賊が待ち伏せしてますがいかがいたしますか?』とティアから連絡がきた。

せっかく、娘たちがクッキーを嬉しそうに食べているので今回は俺が対処することにした。

車から出て飛翔で潜伏場所に飛び、上空からステータスとスキルをすべて奪ってやった。

盗賊たちがバタバタと倒れた。

ステータスオール1でスキルなし状態だ。

魔物のエサになる未来しかない。

今まで旅人をエサにしてきたのだから当然の報いだ。

車に戻り晩御飯の準備をすることにした。

ティアには今日泊まる良い場所をみつけるように指示した。

川の畔に停車したので晩飯をインベントリに収納し、外に小屋を出した。

3人娘とともに小屋へ移動し、晩飯を食べることにした。

ちなみに今日はオークカレーだ。

今後の方針を話し合うことにした。


「私は剣を極めたいと思う。バトルマスターや新たな職業の騎士に興味がある。」

とアカネが答えた。


「私は魔法を極める。ウィッチを目指す。」とサンドラが答えた。


「私は聖女を目指す。」とセーラが答えた。


なるほど、地道に行くと大変そうだな。

ティアにマリーナと話ができるようにつないでもらった。


『マリーナ様、突然すいません。ちょっと提案がありましてお呼びしました。』


『構いませんよ。どういった内容ですか?』


『セカンドジョブ、サードジョブの設定ができるようにしてはと思いまして。魅力的な職業が増えてきたので、まとめてレベアップできるようになればいろんな職業を体験てきるようになり、もっと楽しめるのではないかと。』


『なるほど。でも最初からというのはどうかと思うので条件を付けさせてもらいますね。1つ以上の職業レベルがカンストしたらセカンドジョブが選べるようにします。2つ以上でサードジョブという感じでいかがでしょう。』


転職可能となるレベル20で止めて転職を繰り返すタイプとじっくり職業を極めていくタイプに分かれるだろう。

3人に今の内容を説明した。

3人ともじっくりタイプで行くそうだ。


目的の湿地帯まですでに半分以上進んでいた。

明日の昼には到着する予定だ。

馬車よりもスピードが出ているようで早く着くらしい。

次の日、街道を進んでいると魔物の気配を探知した。

町から離れているので魔物がやっと現れたようだ。

3人娘に戦闘準備をさせ、車を降りた。

車を収納し、徒歩で向かった。

ゴブリン5匹の群れだったので俺は見ていることにした。

5匹程度なら難なく倒せた。

そのまま進んで次々と襲ってくるゴブリンを狩っていく。

昨日は一日中車の中だったので良いストレス解消になっている。

目的地の湿地帯に入るとゴブリンからリザードマンに変わった。

ダンジョンで戦闘経験があるので倒せてはいるが何度か攻撃を食らっている。

新調した装備のおかげでケガはない。

野生の魔物は予想外の動きをするので良い経験になっただろう。

ティアに目的の鳥を探してもらうと街道から結構奥に行かないと居ないらしい。

足場に気を付けながら湿地帯進むとやっと鳥の群れを発見した。

カモというよりもアヒルにトサカが生えたような鳥だった。

白鳥くらいのサイズはあった。

一気に数十羽をテイムし、ゲートを開いて自宅の庭に移動させた。

昨日、盛大に旅立ったのに突然現れ驚いていたが、捕まえたニワトリもどきの世話を任せた。

湿地に戻り足元を探してみるとたくさんの卵が見つかった。

今日はこれでオムライスかな。

ちょっと離れたところにもう一つ群れがいたのでウィンドーカッターで首を斬り落とし、肉に使うことにした。

卵もすべて回収し、ここでの目的は済んだ。

次はウズラだ。山岳地帯まで車を飛ばした。

周囲にいた魔物は無視し先を急いだ。

暗くなる前にウズラを確保したいのだ。

ウズラは群れではなく、番いでいるようだ。

広範囲に散らばっていて面倒だが仕方ない。

ゲートをつなぐとまたかという顔をされたが気にしない。

おいしい食材を確保するためだから。

家畜にする分は確保したのであとは肉と卵の回収だ。

4人で別れて回収した。

目的が済んだので今日はこの山で一泊することにした。

明日からは飛行艇で王都を目指す。



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新作もよろしくお願いします。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897542411

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