第10章 スノーホワイト

第88話 元第1王女エメラルド

今日はシルバー王族の皆と結婚式の準備状況の確認をするために新居の我が家のお城で会食を行うことにした。

招待客の選定はマーガレットにお願いしていたが、順調に進んでいるそうだ。

そこでマーガレットからもう一人の娘の元第1王女が元気にしているか心配だと話が出た。

嫁に行ってからもう8年。遠いため会っていないそうだ。

元第1王女の名前はエメラルド。

ゴールド、シルバーときたので国名はプラチナか、カッパーと予想したが、嫁に行った国はスノーホワイトというらしい。

ゴールド国より北側の山脈を超えた雪国だそうだ。

嫌な予感がしたが、やはり会いたいからテレポートしたいと言い出した。

とは言っても、行ったことがある場所にしかテレポートは不可能である。

俺が行けばいいんじゃね?っていう話の流れになってしまった。

予感が当たってしまった。

現状、嫁たちは懐妊中なので一人で行くしかなさそうだ。

相棒のポチ(ケルベロス)との旅になりそうだ。

ティアもいるし、寂しくないかな。

あ! 馬車をどうしようかな。

キャンピングカー風馬車はあるが、流石に馬なしで動かしたらやばそうだし。

ティアに相談してみると飛竜を召喚してみてはとアドバイスをくれた。

山越えしなければならないので飛んで行ったほうが楽だ。

早速、召喚してみることにした。

召喚魔法と『魔物召喚』、『眷属召喚』のどれがいいのかわからんので全部意識して召喚してみた。

すると召喚に応じたのはなんと風龍だった。

プテラノドンのような容姿の風龍は、一応召喚獣扱いのようだ。

町に立ち寄る時などは戻すことができるので丁度良い。

ポチと同じように契約のため名前を付けなければならない。

いろいろ悩んだが『風香』にした。

風香にまたがり、練習飛行を行うことにした。

なかなか快適な空の旅ではあるが、風が強く寒い。

風魔法のエアカーテンで身体の表面を覆うことで対策できた。

テレポートですぐに戻ってこれるため特に旅の準備は必要ない。

サクラのお弁当だけ持って出発した。

風香に進路は任せているのでやることが無い。

この世界の九ドラゴンの中の1匹、風龍を襲ってくるような魔物なんかいない。

ティアと協力し、周囲に面白い魔物や素材がないか探索しつつ暇をつぶしていた。

山のふもとに広がる森に差し掛かったところで木の魔物のトレントの集団が見つかった。

トレントは丈夫な木材になるので狩っておくべきである。

風香に地上に降りてもらい、集団を狩りつくした。

大量の木材を確保することができた。

森を探索すると町の周囲には無かったクルミや栗に似た木の実や、マツタケのようなキノコが見つかった。

インベントリに突っ込み我が家に戻った。

マツタケをサクラに渡し、今日はマツタケ尽くしの晩飯をお願いした。

マツタケご飯と土瓶蒸しは必須だな。

実は今日たどり着いた森までは通常の馬車の旅で3週間はかかる距離だったそうだ。

この分だと寄り道しなければ1週間ぐらいでスノーホワイト王都にたどり着きそうだ。

昨日の森から続きの旅に出発する。

途中で見つけた温泉に立ち寄り温泉玉を大量に作るくらいで、他に何もなくずっと続く山脈を越えて行った。

1週間後、予定通りスノーホワイト王都に到着した。

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