SFリレーの1周年なのです

 続きです。


**昨年の様子**


 前回のフライト非常事態から、このエッセイが更新ということはつまり、何事もなく済んだという事です。ご心配のメッセージを下さった方もいらして、ありがとうございました。


 トランジット先の空港に到着。機体を降りてすぐにそこにいた地上係員に様子を聞くと、乗るはずの日本行きはキャンセル、「ホテルとかは?」と聞けば、出発ロビーカウンターへ行って指示を仰ぐようにとのこと。

 何しろついたのが夜。無しで済むと思っていた空港ダッシュをする蜜柑桜、しかしパス・コントロールの長蛇の列。イミグラでは当然、渡航について聞かれますよね。いつまでいるの、とか。そんなわけでイミグラのおじさんとの会話。大体こんな感じ。


「(滞在期間について)あぁー……本来、今日帰るはずだったんだけど飛行機が台風でキャンセルされちゃって、多分明日飛べるといいんだけど、取り敢えず出てカウンターに行ってって言われて。だからまだチケットも発行されてなくて」

「あーそりゃぁ……」

「で、今からどうすればいいのか、どこで夜を明かせばいいのかとか聞きに行くところなんだけど」

「あっはっはっは。大丈夫、just relaxed. いい航空会社だ、絶対対処してくれるから。いい夜をねー」

「そう願ってますよぅ。あなたもいい夜をねー」


 いいのか、イミグラでこんな緩い会話していて。


 カウンターに行きましたところ、ホテルを手配してくれておりました。ただ、空港からは離れてしまうので、みんなでシャトル移動。翌日の便に乗れるかも分からない、連絡を入れ、時間に合わせてシャトルを寄越すからホテルにいるように、とのこと。ホテル情報を送ってくれていた後輩ちゃんにも連絡。

 ここでカウンターのお兄さんに「ラゲージは?」と聞いたら「見つけてきてあげる」と。優しいなあ。その後、ラゲージについて他の乗客の方が右往左往しており、移動までに全ての乗客のラゲージは届かなかったのです。しかし私は個人的に頼んだおかげか、なかなか見つからなかったのに最後まで探してくださいました。


 その結果、皆さんとは遅れて現地のグラウンド・アテンダントさんと二人でシャトルへ。以下がその間の会話の概要。

「どうもありがとうございますー。hard work ですね」

「ああ、でも私はこの仕事を愛してるの」

「うわぁ素晴らしい! でも身体には気をつけて」

「ありがとう、でも私たちは、フライトが飛ぼうが飛ぶまいが空港には来るもの」

 プロフェッショナルの方の気概を感じました。

「他のところにもいたけど、ここはいいわ。もし私が昨日新人New Comerで来ても、今日には他の人と何も変わりない(立場で扱ってくれる)もの」

 いい話を聞かせて頂きました。荷物の発見が遅れて良かったと言っては苦労して探してくださった彼女に申し訳ないでしょう。しかし、そのおかげです。


 シャトルで移動した先は、なんと四ツ星ホテル! おまけに夕食朝食付き! 到着は十一時近く、夕食を終えたのも日にちを跨ぎました。それでもバスタブ付きのダブルルームで久々に湯船にゆっくり浸かり、何だろうこの贅沢。


 もう朝の実家と電話。

「大変になったねぇー」

「いや貴重な経験できてなんか楽しい」

 呑気な気分でテンションも高い。航空会社のおかげです。夜中に振替便のメールで目が覚め、帰れることも確定。会社の方、夜中中働いてるのですよね。頭下がります。


 朝食も豪華なビュッフェで、土地のものもたくさん。美味しくいただきました。仕事先への連絡等を済ませ、ほんの少しでも! と街の中心へ。だって、せっかく来たのに勿体無いじゃ無いですか。観光名所を見られなくとも、街の雰囲気だけでも知れたら、とね。


 少し離れたところにホテルがあったので、トラムで街まで十分。歩いたのもほんの十分くらい。それでも、豪奢な歴史的建築物に感動です。青空が気持ちよくて、いい写真も撮れました。シャトルも快適で仕事のドキュメントの仕上げを終え、空港にて送信。


 ひと昔前の自分なら、パニックだけだったように思います。でも今回は航空会社の皆様の御尽力で、非常事態なのに良い経験とお得感で楽しかったです。感謝感謝。


 ***

 前回、詳細を書いていなかったロンドン空港での出来事。匠のデザートに似たリカーを体験、です。

 チョコレート・リキュールのプロモーションで、プラスチックのショットグラスかワッフルコーンにリキュールを入れ、客の好みでホイップなどをトッピング、試食(試飲?)させてくれるというもの。

 小説に書いたデザート(あれは私の妄想レシピです)に似ていて、タイミングいい! と嬉しくなって作って貰いました。ホイップとカラー・スプレーで飾ってもらって。


 同題異話は、コメントで匠が格好いいという評価をいただき喜んでおります。ありがとうございます。

 しかし、はて、「匠が格好良くなるって、私、それでいいのかな? 女子力足りないのかな?!」と不安がよぎりました。どうしよう。響子が可愛いならまだしも。まずい。



 これが投稿されるのはトランジット空港ですね。三週間の出張も終了。思えばリレー小説の「2000光年のアフィシオン」を投稿して飛び、機内降りてネットに繋いだら薮坂さんの最終回! 読まなきゃ! アフィシオンで始まりアフィシオン尽くし。


 執筆者 夢でも追われる アフィシオン(字余り)


 実話です。

 ***

 この出張では、担当分のアフィを投稿し(書き始めたら眠れなくて四時ごろに投稿)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890813009

フライトに乗り、欧州に降りたったらみなさんからコメントが来ていて。


 帰りは台風で飛行機飛ばず、という経験をしましたが、↑のようなわけで貴重な経験をさせていただき、結局のところ私は大いに楽しんだわけです。

 友人に「たくましい!」と言われて軽く傷つきました……可愛げのかけらもない。


 はい、そしてトランジット空港。降り立った(確か)香港の空港にて、アフィの最終話薮坂さんの最後のマニューバが投稿されておりまして、だだっ広い空港の搭乗ゲートで早朝、やることもなくスマートフォンを見ていた私はなぜか一人でアフィ最終話を涙目になって読んでいるという珍妙な光景を作り出し、帰国フライトへのタラップを登ったのでした。


 去年からは想像つかない夏になってしまって、というか気付いたら夏終わってるじゃないなにこれちょっと待って忙殺されてたし眠れてないし私の睡眠時間いくらよと思うくらいな(愚痴ですすみません)状況で秋が近づいております。


 あれから一年。アフィをきっかけにお知り合いになったユーザー様もいらっしゃいました。

 無茶ぶりな参加表明を受け入れてくださり、本当にありがとうございます。



 蜜柑桜、朝の一筆。


 それでは皆さん、また!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る