祝☆☆☆☆

 もうそろそろ秋に入る頃だというのに、今年は随分と日差しが強い日が続く。うだるような暑さも和らぎ、夜風が城内の空気を冷やして過ごしやすくなるのは夜もだいぶ遅くになった頃だ。


 高気温に弱い王女にとっては暑い中での日中の学問および政務は耐えるに辛い。体調を崩しがちなところを気遣って兄が部屋に訪ねると、王女はちょうど昼間に読みきれずにいた国際情勢に関する文書に目を通していたところだった。

 少し休憩にしないか、ということで、熟れた白桃と冷菓を供に、薬効のある茶で喉を冷やしたところである。


「ところでさっき読んでいたものの中にあったのだけれど」

「あぁ、外務担当官の報告書か。私は明朝に目を通すつもりだが……対外的なシレアの評価報告があっただろう。何か興味深いことでも?」

「ええ、喜ばしいこと、だけれど」


 縁が小薔薇で飾られたお気に入りの茶器を手に、王女が試すように兄を笑い見る。


「お兄様は今から少し後に、『もうそろそろこのやり取りは飽きないか』と仰ると思うの」


 カエルムが微笑して首を傾げると、廊下の向こうから高い靴音が近づいてくる。人気のない夜の廊は反響が良い。外で鳴く虫の音はかき消された。


「お聞きください、殿下っ!!」

「姫様! 大変ですっ!!」


 声を重ねて駆け込んだ従者と下男を間口のところに見て、カエルムは微笑を消し、なんとも言えない表情を見せる。王女はさも興味深いと微笑みを讃えながら、常に冷静な兄がなかなか見せない顔を茶器越しに見上げた。


「私の勘は当たるでしょう?」

「……予告があると、どうも素直に口には出来ないものだな」


 有能なのに何故かここでは落ち着きのない二人の方から妹へ向き直り、カエルムは普段と同じ穏やかな笑みを端正な顔に浮かべた。


 ***


 はい、こんばんは。今日の残りの仕事は明日いたします!(締め切りはまだ先)今日は手間取りました……暑さもありましたし、ひどい暑さでしたし、焼かれる暑さでしたし。みなさま大丈夫でしたか? こう暑いと火を使う料理を避けがち。加熱もグリル(外に火が出ない)に回しがち。

 

 昨日は物持ちはどのくらい? にたくさんのコメントありがとうございます。興味深く読みました。やはり安物買はよくないし、かと言って高いものをポンと買えないし、高かったと思ったらすぐ壊れるし、などなど、お買い物一つとっても悩みますよね。


 さて、こちらを読んでいただいている読者様はエッセイ序盤の調子で「またか」と思われたかと。未読の方を置いて軽率にスピンオフしますがご容赦を。本人達、本編はシリアスなので至って真面目です。エッセイはちょっと別物。


 前置きが長くなりました。

『天空の標』です。https://kakuyomu.jp/works/1177354054891239087

 PV5500を超えまして。お星様が121になりました! ありがとうございます。自作で二位に躍り出ました! 嬉しいです。従者はこぞって主達に告げにきますが、当人達はいくら喜んでも冷静。穏やかに喜ぶ。

 作者はとても喜んでおります。ありがとうございます!


『楽園』は、昨日少し書き足せました。シリアスなので、筆も遅いです。クライマックス1はもう少しだ〜……と頑張ります。ストックはあるので、もう一話書ける前に上げておこうかな、とも思います。お待たせしております。業務が……立て続けでして(汗)


 連載中止とか半年更新なし? とかにはしませんので!! 



 本日はお礼までにて! 嬉しいです。

 連続でお星様をいただいたのですが、二番目のは読み途中でいただきました。その回を読んで、従者と殿下のやりとりに「あぁこんなに遠慮のないやりとり書いてたっけ。いいのか主従、それで」と自分で主従のお互い言いたい放題に苦笑してしまった。


 しかし本編の後に姉妹編として書き始めた殿下のほうが伸びますね。男性にもウケがいいのかしら……王女とセットでないと解決しない話なのにここまで伸びるとは。

 王女は現在、☆81。頑張れー(笑)公募を諦めずにまた練り直したい気もするなあ。やってもマイナーチェンジですが。

 王女こちらです。一応リンク。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322


 それでは八月最後の週末(とかいてびっくりしてます。仕事に焦る💦)、おやすみの方は暑いのでしっかりお休みしてください!! 

 明日が皆様にとって何かいいことがある日になりますように。




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