Les Misérables


 こんばんは。ブレグジット直後で何かあるかなと思いましたが、特に何もなかった2月1日(! もう月変わったんですか? 早すぎません?)です。

 本日は予告通り、観劇してきました。レ・ミゼラブルです。他の演劇を観ればいいのにと思いながらも、ロンドンでのレミゼは、大学時代に研修でイギリスに来た時に見て以来、4回目です。よく飽きないな。飽きません。


 今日の話は新演出のレミゼのお話。しかもかなり、マニアックになるしネタバレも含むので、ご興味ない方はスルーしてください。マニアック過ぎて引くかもしれません。

 記憶で話していますので、正確さは保証できません。



 ***


 ロンドンのレミゼと言えば、クイーン劇場。これが昨年、リニューアルしてソンドハイム劇場として生まれ変わりました。日本と違って、ロンドンは一つの劇場に一つの演目をずっとやっています。

 劇場も新たになれば演出も新たに。随分と変わりました。

 まず、舞台上の幕。前まで有名なトリコロールで彩られたコゼットの絵(日本の岩波文庫のレミゼの表紙絵です)だったのが、別のものに変わりました。風景画です。これが第二幕との幕間で少し変わり、ドラクロワを想起させる革命の女神が描かれます。


 囚人のシーンからヴァルジャンが放浪するところでは、これまでのところは荷積み作業をしていたと思うのですが畑仕事に変わっていましたね。

 パリに行く前のもう一つの大きな変更としては、ヴァルジャンがコゼットを連れて宿屋に戻るときに歌う二重唱。このシーンはカット。残念! いいおじさんが女の子と高い声でハモりつつ歌うのが微笑ましいのに。

 テナルディエのシーンがカットなし、コゼットの名前を間違えるのは保たれていて嬉しかったな。


 宿屋からパリへの場面転換で、コゼットに上質な頭巾を被せるのカット。コートは保たれてました。反面、パリへ移るところがいかがわしい人物に囲まれて緊迫感もってのスタート。場面転換で年代を表示する演出は無くなったみたい。


 Look DownからABCカフェはあまり変化無かったかな。グランテールという酒飲みの演技がもっと軽薄になっていました。ガヴローシュの演技はジャヴェールの真似っこが際立っていい感じ。


 第二幕は変更が目立ちました。うーん、全面的には言いたいこと多い!

 まずですね、ガヴローシュのソロが短縮。「Little People♪」からの部分が全カット! これには怒ってしまった笑 

 なんせ何を隠そう、私が部活演じた役、ガヴローシュだったんです。女子校ですから。(ズボン役という、女性が男性をやるのはレミゼ限らずよくありますが)父の古いワイシャツをわざわざ引き裂いて汚して、髪の毛もショートカットを保って。思い入れがあったので。

 なんでそこ抜いちゃうのー!! 悔しい。


 そんなわけで歌では悔しかったですけれど、そのあとエポニーヌが息を引き取るところの演出では、ガヴとエポニーヌの姉弟関係がよくわかるように変わっていた気がするです。この二人、ミュージカルではわからないけれど小説でしっかり姉弟となっているので。エポニーヌの帽子をマリウスに渡してあげるのもガヴ。


 バリケードは変更がおおかったです。帝劇演出、というとロンドンからきていると思うのですが、それも随分違って。バリケードの外は見せない演出でした。ガヴはバリケードに銃弾を詰めた鞄を投げる演出から、バリケードに登ったところで撃たれて学生に抱えられる演出に。そのあと激昂した学生が政府軍に立ち向かい(ここの政府軍役の歌の人は司教と同一だった、はず。記憶では。)、そのときにヴァルジャンが十字を切っていました。

 宗教観が出ますね。


 アンジョルラスがアクロバティックに逆さに倒れるのも無かったです。私はマリウスよりアンジョルラスが好き、アンジョルラスが倒れたとこでグランテールが駆け寄るのに慣れていたので、全てバリケードの中で見せる演出は新鮮。


 Turningも街の売り子の娘から喪服の女性たちに。学生さんの親族の設定かしら。

 彼女たちが蝋燭を灯し、それを次曲のEmpty Tableで亡霊たちが手に持ち、マリウス以外が皆、火を消して死を暗示するという感慨深いものに。あ、でも歌詞の机と椅子は出てこず……。

 そうだ。地下道とジャヴェールが入水するところは3D? の背景と照明で凄くリアルに。ボンヌフからの身投げより水の表現のリアリティに迫った感じがしました!


 カット以外の音楽の変更も。オーケストレーションが変わっていたり、リズムの変更もあったかな。協和音が不協和になってたりと、どうして? がたくさんすぎて興味が尽きない! 新演出のCDはいつ出るのでしょう!?


 んー、話し尽くせません!


 そのあとは、駐在でロンドンに住んでいる幼馴染みの家でご飯を食べて、何だかとっても心満たされての一日でした! あとでしっかり、レミゼのプログラム読もうと思います!


 読んでくださる方を置いていくようなマニアな話ですみません! 

 何書いてんだ馬鹿! とお叱り必須でしょう……好きなんです。もう。

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