第21話

「あたいは強いよ」


「知っている。見ればわかる。強いのは間違いないが、それは並みの女子高生と比べればの話だ。比べものにならないくらいに強いだろうが、あやかしとやりあうにはまだまだだな」


「ちっ、つまんないの」


「あやかし斬りができるかどうかは、おまえの実力次第だ。ちゃんと修行すればするだけ、その機会が早まることになる」


「本当だろうね。だったら死ぬ気でやるわ」


まじで死ぬ気でやりそうな雰囲気だ。


青柳が私に近づいて来て小声で言った。


「どう思う?」


「心技体で言えば、心は申し分ない。必要な闘争心は充分にあるだろう。技はこれからの修行しだい。身体もまだまだ鍛える余地がありそうだな」


「俺の見立てと同じだな。で、茜の妹なんだが、その点についてはどう思う?」


「茜……ねえ」


茜は組織の人間だ。


一年ほど前、三人であるあやかし斬りに行った。


三人とも強いと言える技量を身につけていたが、そのあやかしも強かった。


結果、あやかしは退治したものの二人が死に、生き残った茜も大きなダメージを受けてしまった。


一年経った今でも、まだ病院のベッドの上だ。

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