第8話 告白
白エルフの敗走を決定付けた大規模な交戦。それが王都決戦だとされている。以来、戦争は、各地に散った『白』の残党とそれを
「私の家族も、ずっと王都で暮らしていたのです」
ぽつりぽつりと、ディニエルの告白は続く。
「父は腕の良い
ヴェストリが
「生き延びた母と私は、辺境にある別の白エルフの里へ隠れました。けれど、そこもあの黒い炎に焼き払われて、私、一人だけ逃げて……」
ヴェストリはまた杯を空けた。安易な慰めなど言えない。親父さんは金工か、と話を変えた。
「『
ディニエルが涙目を瞬いた。
「心を
初めて声を出して笑ったディニエルに、ヴェストリも笑い返した。
「ドワーフの伝説じゃ、この世のすべては女神が生み出したことになってる。元は何もかも一つだったんだと」
「エルフにも、似た伝説があります」
「そうなら、なあ、エルフにできることが、ドワーフにできたって、いいじゃねえか」
「ええ。そうですね」
「種族は違っても、こう、ずっとずっと奥の、深い深い所でよ、互いに何か通じる物があってもいいはずだろ」
「そうかもしれません」
「だからよ、分かるだろ。俺にゃ、止められなかったよ。
やっぱり俺の子だと思ってよ。
勇気を
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