第15話 秘書寧々!
土曜日、日曜日は学校が休みであり学生からしたらとても短く楽しい唯一の遊びる時間でありゲーマーなら特にそうだ。
だが月曜日という日はすぐに来る。
「瑞希ー!起きなさい」
「う、うー、うん」
もう朝か……
眠すぎでしょ、ゲームしてぇー
はぁ学校行くか、今日もぼっちか……
そんな事を思いながら重い重い体を起こしリビングに行く、今日は母が家にいるので一緒に朝ごはんを食べる。そのため髪などをセットせずに先に朝ごはんを食べる。
もちろん朝ごはんと言う事なので私は眠すぎて一言も喋れる気がしない、結局一言も話さずにご飯を終えると次に学校の服を着る、それが終わると髪をセットしたり学校の準備などをする。だいたいの支度が終わり学校に向かうと途中で聞いた事のある声の人に呼ばれる。
「瑞希ー!!!いやミズちゃん!!」
だいたい声でわかるのだがいちよう女なので華麗に後ろを向き
「一緒に登校しよーで!!」
なんと今まで一緒に登校した事がなかったクラスの陽キャに一緒に登校しようと言われて物凄く驚く
だが驚きはそれだけではなかった。
登校時間は10分ほどだったので美紅とはすぐにわかれて美紅は別の友達の所に話に行くかと思いきや登校して机に座ってもストーカーの様にまとわりついて離れようとしない。
その光景を見たクラスの大半がこちらを見て「あいつなんかやばいな」などと誹謗中傷を浴びせられる。
さっきも言ったがそれ異常に驚きがあった。
中学には朝の会というものがありそれが終わると少し長い15分の休み時間があるのだがその時間にあの
「ってかなんで私の所に2人とも話に来るの??」
私はそれが一番疑問だった、クラスで陰キャなコミ障の私になんでそこまで構ってくれるのかとまぁ、構ってくれるのは嬉しいけど
すると美紅が私に向かって真剣に答えてくれた。
「そんなの決まってるじゃん、私達は友達でしょ!しかも勇者を倒す大魔王の私とトワは部下なんだから話しかけるのは当たり前じゃん!」
「美紅の言う通りだよ!この休み時間使って勇者倒しに関して色々話さないと!」
この2人の言動には感心した、今まで私が求められる事はゲームの中でしかなかったのでとても嬉しく泣きそうになった。まぁ陰キャなので急に泣くと変に思われるから泣かないけど。そして私は素直に「周りの目が嫌だから場所変えて話そう?」と2人に相談すると2人は理由もあえて聞かず快く「いいよ!」と言ってくれた。
これが本当の友達か……
私はなんていい友達を持ったのだ、初めてゲームって学校生活に役立つんだなと思ったわ
こうしてミズは学校でのぼっち生活を脱退したのである。休み時間は美紅と奏と話して授業は真面目に受けつつも勇者攻略について考えていたらいつの間にか下校時間になり私は家に帰る事にする。今日は美紅と奏が部活の指導で少し帰るのが遅くなるため私は先に帰ってレベル上げをする事にする。美紅情報によると今日シエルは熱がでたらしく中学生であったため学校はお休みして家でゲームをずっとしているらしいのでシエルと一緒にゲームをする事にする。
ガチャ
私は玄関を開け母がいるので少し大きな声で「ただいまー!」と声をかける。もちろん母は家で勉強か仕事をしているため返事は帰って来ない。だが今日はなぜか返事が帰って来た。
「おかえりなさい、今日は学校どうだったの?」
「いやいつもよりは楽しかったけど今日は勉強とかしないの?」
不思議に思い母に聞くと母は「私の秘書が貴方にIDを渡してくださいって言うから瑞希が帰ってくるのを待ってたのよ、ちょうど休みがなくて疲れてたしね」と言い、そういう事かと納得する。すぐに母から秘書のIDを貰い早速ID登録しようと自分の部屋に行き、ゲームにログインする。
「どのくらい強いんだろ……まぁお楽しみかな!インログ!!」
少しワクワクしながらログインし事前にゲーム内にIDをコピーして置いたのでそれをフレンドコードに更にコピーして貼り確認ボタンを押すとそこには思っていたより何倍も強いレベルの人が写っていたのである。
ゼフィン
レベル452
HP 45200+84000(装備効果)
攻撃力 4520+7200(装備効果)
防御力 4520+8400(装備効果)
スキル
レベルが低いため閲覧不可
マルチプレイヤー
なし
と書かれていた。あまりにもミズからしたら強いので1度コピーしたコードを読み直しもう一度確認ボタンを押すがやはりこの人しか出て来ない。レベル452がどれだけ凄いかというと、そもそもレベル400+達成している人数が10万人以下と言うくらいなのでレベル452はかなりの古参である。
やべぇ、こんな人が来てくれるんだったらみんなすぐ強くなるじゃん。更に今ログイン中との事でフレンドを申し込むと2秒ほどで申請許可が降りパーティに誘われたのである。
あまりにも早すぎ少し引くミズだが母の秘書と言う事もあり悪い人ではないという事は分かっているのでパーティに参加する。パーティに参加するとここに来てくださいという指定場所が示された。
だが見事に私のレベルが足りないので指定された場所に行く事が出来なかった。そのため代わりに私が指定場所を示して来てもらうことにした。ついでにシエルも指定場所を示して来てもらうことにする。
本当は明日遊ぶ予定だったけどまぁ早めに知っておいた方がいいからいいか、
どんな人なんだろうなぁー
しかも名前カッコよすぎな
そんな事を思っていると「ミズ様」と呼んでくる人がいたのでまさかと思い聞こえる声の方向に向くと背が高く執事の衣装を着ている眼鏡美女がいた。そして私が見た瞬間に眼鏡美女は膝をつき礼をしてくる。
「ミズ様、私はミズの母様の秘書をさせてもらっています
物凄く丁寧な言葉に加えキレキレの言動にミズは少し怖くなり足がすくんでしまいそうになる。
「よ、よろしくね。別に私の事はミズでいいよ……」
コミ障が発揮されたミズはうまく喋れずにカタコトになってしまう。だがそれを気にしたのかゼフィンはミズに言葉をかける。
「緊張はしなくていいのですよ、そして私はミズ様の母様の秘書です。私がミズ様に様を付けるのは当たり前の行為です」
か、完璧する人格だ……
やばい、こういう人に限って話しにくいんだよな。
どうしよ、上手く話せないよ!!
と荒れているミズの所に
「うりゃ!!!!!来たよ!!!!」
と少し荒れ気味のミズと完璧秘書ゼフィンの絶妙な間に割り込んで来たのはシエルである。シエルは完璧秘書ゼフィンが誰か分からないので「貴方誰ー?」などと突っかかるがやはり完璧秘書ゼフィンはシエルの言葉をキレキレな言動で返す。
だが少しその会話を聞いているとなぜか心が痛いのでミズが口を開き、ゼフィンについてシエルに話す。ちなみにミクとトワには学校で父と母の秘書がゲームに来ると既に伝えてあるので混乱する可能性はない。こうしてゼフィンとの交流が始まる。
ゼフィンはとても真面目な性格なのでギルドなどもすぐに入りメンバーなどの確認や何を目的としてゲームをやっているかなどを全て聞いたり見たりして覚える。
結局夜の7時までそれに時間を費やし、1度ゲームを辞める事にする。リビングに行くと母が既にご飯を食べていたので私は席に座り母に少し質問してみる。
「ねぇねぇ、あの秘書ってどんな人なの?」
「寧々の事?」
「うん」
「あの子は昔お金が無くて貧乏だったの、どこの職にもつけず男に襲われそうになったところを助けたのよ。そこから秘書を元々私が探してたからあの子を雇う事にしたのよ。あの子は真面目で仕事覚えも早くてね、休みもあんまりないから今回のミズのゲームの手伝いを仕事としてやっていいわよっていったのよ」
「最後の部分は中々凄いね、金持ちの会社しか出来ない事だよ」
「まぁね、そんな事だからあの子をよろしくね。必ず役に立つわ」
「分かったよ」
話は実に短いがゼフィンはとてもいい人でとても真面目だと言う事が分かった。
母が必ず役に立つと言うのだから私が思っている以上に凄い人なんだろう、まだ少し話しにくいけど
そういやー日記書いてないや……
でもレベルとかほとんど上がってないから今日は書かなくていいや!
ご飯を食べ終わると先にお風呂に入る事にする。ちなみにだいたい私のお風呂タイムは1時間ほどである、これが短いのか長いのかは分からないが私的にはお風呂に浸かる時間が長いので他の人よりは長いお風呂だと思っている。まぁそんな事はどうでもいい、お風呂が終わると既に時間は8時30分過ぎになっており急いでゲームにログインする。
宿題まだ終わっていないけど後回しでいいや、 さいやく学校でしょ……
授業中にすればなんとかなるか!
やってはいけないと思いつつも最近はゲームに忙しいからやってしまう。
ゲームにログインするとすぐに宿題の事は忘れてフレンド一覧を見てミク達がログインしている事を確認してマルチプレイヤーで見ぬとトワの場所が分かるのでレベル100の街、スフィスリルリグトに移動し会いに行く。
「みんなお待たせー!!」
私がみんなに近づいて行くとそこにはもうみんなと仲良く話しているゼフィンの姿が見える。もう仲良くなったのか、凄いなぁーと思いながら近づきみんなの元に来る。
「ミズ、こんな凄い人が秘書なんだね!スゴすぎ!」
「羨ましいなぁー!私の秘書になって欲しいくらいだよ!」
「私が一番最初に話したのだ!!!!!!」
ミク達はゼフィンの事を褒めまくり少し顔を赤くしているゼフィンが普通に可愛かった。
結局その日はダンジョンに行かずゼフィンの話で一日が過ぎた。私を含め全員がゼフィンと仲良くなり私のコミ障もゼフィンに対しては少し治ったような気がする。
明日は父の秘書が来る。
どうなる事やら……
ってか明日はダンジョンに行こ、最近新メンバー入りすぎてダンジョン行けてないなぁ
どんなフォーメーションで戦うとか決めないと!
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