お休み

「ふう……だいぶ楽になってきました」


 生理で具合を悪くした桃花を良平は病院まで連れて行き、先生に見てもらった。

 結果としては生理のせいで貧血を起こしてしまい、今は薬を飲んでベッドで安静にしている。

 病院から帰ってきて一眠りしたおかげか桃花の顔色はだいぶ良くなっており、薬が効いた証拠だろう。

 桃花は体調不良、良平は面倒を見るということで、二人は学校を休んだ。


「そろそろかな」

「え? ひゃん」


 未だに生理により出血が続いているので、一時間に一度ナプキンを変えなければならない。

 だから良平は桃花の下着に手を突っ込み、古いナプキンを取り出して新しいのをつける。

 やはり血がたくさん出ており、途中でピルを飲むのを止めてしまった影響なのだろう。

 先生が言うにはピルを飲んだとしても、たまに生理が重くなる時があるらしいが。


「何か恥ずかしいですね……」


 桃花は顔を羞恥心で真っ赤にさせていた。


「そうなの? 俺に見られたり触られたりしてるのに」

「はい。今は血が出てしまっているので……」


 いつもと違うということで、その恥ずかしさだろう。


「次からは自分でやる?」

「いえ、お兄さんにお願いしたいです。そして変える時に私の触ってくれたら嬉しいです」


 生理で血が出ていたとしても、桃花は良平に触られることを望んでいる。

 性に感心がそこまでない良平には詳しくわからないが、普通は生理中の女性はしたがらないとネットで書かれていた。


「まさかそこから出てる血を飲めと?」

「やぁん。それもいいですね」

「いや、飲まないから」


 良平に起こる吸血欲求のようなものは噛みついて出るのであって、今の段階では飲みたいと思っていない。

 それに今は生理で血が出ている状態なので、そんな桃花に噛みつく気は流石の良平もしないだろう。


「今はゆっくりと休んで。生理が終われば桃花が望んでいたことをするから」

「そうでしたね。いっぱいして妊娠……そして結婚です」


 する時のことを想像したのだろう、桃花はうっとりとした表情になる。


「俺が言うのもなんだけど、気が早いな」

「そうですね。絶対にお兄さんと結婚したいです」

「大丈夫。結婚は出来るから」


 そう言いながら良平は桃花の頭を撫でた。

 同棲を認めてくれたということは、桃花の両親も結婚を認めてくれるだろう。

 だとすれば今後、桃花の家に良平が行った時に苦労しない。

 娘が学生の内に結婚しようとするのは反対するかもしれないが。


「はい。ずっと一緒にいましょうね」

「もちろんだよ。だから今はお休み」


 体調は良くなってきているとはいえ、まだ安静にしていた方がいい。

 生理が終わったら良平が抱いてくれるということで、桃花は素直に頷き目を閉じた。

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