第六十五話 目覚めたる魔界の王|幽終暗魂&光芒一閃
「やっちまえ魔王!!」
コスマーロの言葉に俺は「おう!!」と答え、ヘルマスターワンドとデュアルボウトリガー、そしてアウェイクニングバロットレットと、彼からもらったハデスナイトメアバロットレットを装填した。
[アウェイクニング!!][ハデスナイトメア!!]
[[Hey!!Let's Say!! Calling!!]]
ヘルマスターワンドとデュアルボウトリガーが叫ぶ。すると天からヘルマスターギアと、もう一つ、コスマーロのように死神然とした、黒い円状の板を髑髏の額にくっつけた骸骨とボロボロのローブが地面から現れた。
[目覚めたる魔界の王!!ヘル・マス・ター!!]
ヘルマスターギアを装着後、その死神型の鎧が俺の周りを闇で包む。
[Featuring!!]
デュアルボウトリガーが叫ぶと、その死神型の鎧は頭上で分解し、ヘルマスターギアを包み込むように装着された。
[ヒューヒュードロドロ罪を包む闇黒!!幽終!!暗魂!!ハデスナイトメア!!]
音声と共に、肩を押さえ込むように骸骨の手が付き、ローブがそこからマントのように固定される。胸には髑髏のパーツが取り付けられ、そして頭には後ろから前に顔全体を包み込むように肋骨がくっつき、そして髑髏についていた黒い板が俺の頭へと取り付けられる。
[[降臨!!]]
ヘルマスターワンドとデュアルボウトリガーが同時にそう叫んだ。
「前が見えにくいんだが!?」
装着完了後の目の前の光景に、俺は思わず言った。視界が骨で包まれて見えないのだ。
「気にすんな!!どーにかなるって!!」
後ろでコスマーロが叫ぶ。どーにかしろと言われても困る…と思ったが、よくよくみると骨を通して相手の姿が見える。そして心の状況も。どうやら相手は全員こちらの姿を見て動揺しているようだ。なるほど暗視ゴーグルのようなものか。…ところどころ隙間があるのがイマイチだな。
「まぁいいか。…警告する。」
[Mode Scythe!!]
ヘルマスターワンドを鎌モードに切り替え、動揺している敵にむけていった。
「今降伏するなら捕らえるだけで済ませてやる。だがこれ以上斬りかかるようなら容赦はしない。どうする?」
「う、うるせぇぇぇ!!」
俺の言葉に反応するように、近くの敵が俺へと斬りかかる。俺は鎌を横にし、その剣筋を防ぐ。
そう来るなら仕方ない。防ぐと同時に俺は闇のアイコンをタップした。
[Nightmare-Dark!!]
鎌からモワモワと黒い煙が立ち込め、相手の体を包み込む。
「な、なんだ?」
そしてその煙が相手の体の中へと入り込んでいき、その心を包み込んでいくのが、その骨ゴーグルの映像として映し出される。
「うわ、暗い!!や、やめて!!来るな!!来るなぁぁぁぁぁ…。」
その心は激しく動揺し、やがて真っ黒に染め上がると、相手の体がバタリと地に伏し、体の中の魂が抜けて悪夢へと取り込まれていく。
「俺の力、ハデスナイトメアは、その属性の悪夢を見せる!!火なら火刑、水なら水没、闇なら真っ暗な奈落へ心が突き落とされる!!その恐怖で相手の心はお先真っ暗、耐えられなければ生きる意志を失い、そのままショック死ってワケSA!!」
自分でやっててなんだが、結構えげつないな。そんなコスマーロの説明を聞き、他の相手がたじろぐ。
「う…。」
迂闊に近寄れないと踏んだか。正しいが、未だ剣を下ろさずこちらに殺意を向けて来ているのは間違いだ。
[Mode Baster!!二銃連!!]
俺はトリガーを動作させ、戦闘に二本のパーツを取り付け、ツインバスターモードへ切り替えると、雷のアイコンをタップしてトリガーを引いた。
[Nightmare-Thunder!!][ヘルマスター!!][ナイトメア!!][サンダーバスター!!二銃連!!]
電光が砲塔から迸り、二本の紫色の光線が宙を裂く。それに巻き込まれた敵は「ああぁぁぁぁぁ!!」「ビリビリが!!電気が!!」などと喚き散らしながら、魂を天へと返した。
残りはリッチが二人。この惨状に恐れ動揺しているのがわかる。だがこちらに殺意はむけたまま。諦めるつもりはないようだ。
「ちょうどいい、こいつで一気に片付けてやる!!」
俺はハデスナイトメアバロットレットを取り出すと、ここに来る前にサリアから預かったバロットレットを装填した。
[極光!!]
[アウェイクニング!!][マンティスレイ!!][Hey!!Let's Say!!Calling!!]
すると今度は、白く輝くカマキリを模したオブジェが出現した。それは分離し、先ほどまでヘルマスターギアについていた死神型のギアの代わりにくっついていく。鎌が両肩に、細くも強靭な足と太い胴体が脚の横に、背中には薄い羽、そして鋭い目つきの頭部を模した兜がヘルマスターギアの上から装着される。
[キラキラスパスパ悪切り裂く光!!光芒!!一閃!!マンティスレイ!!]
[[降臨!!]]
アウローロの力が込められたギア、光の力を纏った、マンティスレイギアの装着が完了した。
「わ、我ら混沌の魔界を舐めるな!!」
「手ぶらで帰ったら怒られるんだよ!!」
言うなりリッチ達は消えた。逃げたか?いや姿を消しただけだろう。俺は気配を探ろうと集中した。すると敵の位置が分かった。しかも360度、全方位が見渡せる。見渡せるというと語弊があるが、とにかく敵がどこにいるかが自然と感知出来るのだ。これはマンティスレイギアの力だろう。
「そこだ!!」
俺が肩の鎌を振るわせると、そこから閃光が走り、姿を消して後ろに回り込んでいたリッチ一体を切り裂いた。
「ぐげぇ…。ばか…な…。」
リッチは真っ二つに分かれると天へと召していった。
「ななななな…。」
「これでトドメだ!!」
[Mode Twin-Blade!!]
俺はヘルマスターワンド上部にパーツを二つ付け、先頭のパーツの剣先を展開した。そして残りのパーツを組み合わせ、短剣を作ると、両の手にそれぞれそれを持ち、二刀流の構えを見せた。そして短剣を持った左手でヘルマスターワンドの光のアイコンを二回タップした。
[Daybreak-Shine!!][Daybreak-Shine-Finish!!]
勝ち目がないと悟り逃げ出したリッチへ向けて、俺はトリガーを引いた。
[ヘルマスター!!][デイブレイク!!][シャインツインブレードフィニッシュ!!]
「でりゃぁぁぁぁっ!!」
二つの剣筋が光となって、敵を追尾する。そしてリッチは十字に切られ、そして体は光へ消えていった。
「Well done!!流石だぜ!!」
コスマーロの賞賛の声が響く。そして神殿には元の…多少の静けさが取り戻された。
<アイテム解説>
■ハデスナイトメアプロトバロットレット
『悪夢』の力を秘めたバロットレット。コスマーロの力を元に生成されたバレットロット。古い魔力体系で生成されたため、形状が今までの物と異なる。
デュアルボウトリガーのセカンドスロットに挿入することで効果を発揮し、ファーストスロットのギアの上から死神型の強化ギアが装着される。
全ての攻撃に闇属性が付与され、命中した敵に悪夢を見せる。
頭部に付く肋骨はゴーグルの役割も果たし、敵の心情をモニターする事が出来る。
コールは[ハデスナイトメア!!]。攻撃音声は[ナイトメア]。
■マンティスレイプロトバロットレット
『極光』の力を秘めたバロットレット。アウローロの力を元に生成されたバレットロット。古い魔力体系で生成されたため、形状が今までの物と異なる。
デュアルボウトリガーのセカンドスロットに挿入することで効果を発揮し、ファーストスロットのギアの上からカマキリ型の強化ギアが装着される。
全ての攻撃に光属性が付与され、肩の鎌から剣のビームを発する事も出来る。
頭部には全周囲レーダーが搭載されており、敵の居場所を解する事が出来、更に攻撃に自動追尾機能が付与される。
コールは[マンティスレイ!!]。攻撃音声は[デイブレイク]。
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