57.生きづらい

 今日の午前中、私は手持ちの靴がボロボロなのをおいたんに指摘されたのがあって、二人で実家のほうの駅前に靴を買いに行きました。7か月ぶりのその駅前にて、一服しようとすると以前あった喫煙所は閉鎖。健康増進法なんちゃらで、以前は喫煙可だった喫茶店も『加熱式オンリーOK』なお店がひっそり一軒あっただけ。


 あぁ、世知辛い…と思った喫煙者の私は、ここでちょっと凹みます。


 でもさらに追い打ちは続きます。


 レジ袋有料化の波は靴屋さんに、さらにはパン屋さんにも押し寄せていた。ぱ、パン屋さんも!!!


 エコバックを3個持ち歩いている私としては何の障害でもなかったんですが、何となく凹む。


 そしてここから私の想像力はどんどん膨らんでいき、「あぁ、世の中生きづらくなったな。」という結論にまで達したのです。


 私は昭和後期に生まれたのですが、昭和の時代ってインターネットもスマホも(携帯ですら)無かったし、電話は黒いダイヤル式の黒電話だったし、トイレもまだぼっとんがはびこっていた。夏の気温も30度予想が出ると子供たちがざわめくくらい珍しいことで、冬は水たまりに氷が張りつららもできていた。


 今はインターネットもスマホもシャワートイレもエアコンもあって便利だけど、なんつーの、生きづらい。


 インターネットには黎明期からお世話になってるから、インターネットを否定する気はない。SNSだって必要なツールなんだろう。でも、私は生きづらさを感じる諸悪の根源としてインターネットを挙げざるを得ない。


 インターネットの雰囲気は変わった。黎明期のネットはこんなにたくさんの人がアクセスしていたわけではなく、パソコンを持っている少数派が趣味を通じてやり取りするくらいのもので、オフ会とかも複数名で行われ怖い事などなかった。


 SNSが無かった時代、いくらネットといえどコミュニケーションを取る人間はいつも決まっていた。学校に行く・会社に行くのと同じである。いつものメンツがいつもの時間に集まって共通の話題を話している。もちろんそこには新入りが来ることもある。


 しかし今は、SNSを通じていくらでも知らない人からメッセージが来る。「FF外から失礼します」が良い例である。それに、自分の書いたことがリツイートとかで拡散されることもある。そうすると見ず知らずの大勢の人間が自分の意見を目にすることになる。


 それに来るメッセージは善意のものだけではない。悪意もある。中には善意に見せかけた悪意もある。一億総…なんだろう。どれがいいかな。一億層ご意見番?一億総小うるさい?一億総お目付け役?まぁ、そんな感じなんである。


 今は、テレビでもネットでも「あぁ、言葉と表現に留意しすぎてて何言いたいんだかよく分かんないけど綺麗ごとだな。」と感じることがよくある。ようはばかりなのである。


 たまに過激な意見を述べる人や好き放題に言う人もいる。そうするとその次の日にはネットニュースになっていたりする。


 あぁぁ!!知らねぇ!!人の発言の一部をいちいちねちねちと!!!(叫)


 と思って私は見ている。言葉なんてものは全体を見なければ意味を成さない。10分喋ってることのうちの1フレーズだけ切り取って色々言われても困るんである。なら全体をノーカットで聞かせてくれたまえ。としか言いようがない。ほら、小説だってさ、100話ある内の1話だけ読んだんじゃとりあえず全体が見えないじゃん。流れを見ないとちんぷんかんぷんじゃないですか。それと一緒ですよ。


 ふぅ。なんだか今日はイライラしてますかね私。でも、イライラじゃないんです。落ち込んでるんです。に気付いちゃって息が詰まるんです。


 もう、皆さんならこのことは当の昔から感じていたのかもしれない。でも、私は思考回路がまだ回復途中だから今更気付いたんです。


 頭がはっきりしてきて頭が回るのは嬉しい。でも悩みも増える。でも悩むからこそ人間なのだ。ゲーテ*だって『若きウェルテルの悩み』とかいって若者が散々悩む姿を描いているのである。(*しばらくの間シェイクスピアと記載してありましたが、『ゲーテです。』とご指摘をしただきましたので訂正いたします!真田奈衣様ありがとうございます!!)


 今日のこちらのエッセイは、すなわち『回復途上無雲の悩み』でありました。(笑)


 

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