第9話 機嫌の悪い夕ご飯
「美味しい!」
カエデ達が住んでいる場所にある食堂に来たツミキとカエデ。美味しそうにご飯を頬張るツミキに対し、テンションの低いカエデ。二人の向かいに座っているミオリは無言で食べ続けていく
「カエデちゃん、いつもこんな美味しいご飯食べているの?」
「うん、まあ」
「いいなぁ……」
二人の雰囲気に気づいているのか、いないのか、美味しいご飯にテンションが上がってくツミキ
「じゃあ、これから毎日こっちで食べる?」
「ルモカさん、それにゼフドさんも」
三人に話しかけてきた二人。ミオリの隣に座って、ツミキにニコニコと話しかける
「いや、毎日は……」
ルモカの話を断るツミキ。断られてもツミキを見て微笑むルモカ
「そう?残念。あなたが良ければ住んでも良かったのに」
「ルモカさん、なにを言って……」
カエデが楽しそうに話すルモカを止めていると、突然ミオリが椅子の音をたて立ち上がった
「先に失礼させてもらう」
「ミオリさん……」
カエデが止める前に食器を持ち席をたつミオリ。さっさと先に一人食堂から出ていってしまった
「ゴメンね、カエデちゃん。急に……」
何だかんだとカエデの部屋に戻ってきて、結局ベットに並んで眠る二人。でも緊張からか二人とも夜は更けても眠れない様子
「こっちも何だかんだで、巻き込んでいるし……ごめんね」
少し話したあと、気まずさから無言になる二人。でも、やっぱり眠れなくてカエデがツミキの方をちらりと見る
「それよりツミキ。今日、泊まって大丈夫?連絡とか……」
と、話ながら少し体を横向きに動かしてツミキを見ると、動いたのに気づいたツミキも、カエデの方に体を動かす
「んー、大丈夫。一日くらいなら大丈夫だよ」
ニコニコ笑い返す。それでも不安そうなカエデを見て目をつぶり眠る体制に入ってく
「おやすみ、カエデちゃん」
「ミオリちゃん、どうしたの?」
ツミキ達が眠りにつく頃、廊下にある窓から外を見て佇み、まだ機嫌の悪いミオリを見つけたルモカが話しかけていた
「なぜ、あの子に無責任な事を言うのです?」
隣に来たルモカを睨むミオリ。気にせずルモカは窓を背に微笑んでいる
「見ず知らずの子を巻き込みながら、ここに住めなど……」
声を荒げるミオリに、二人のそばを歩いていた隊員達が、二人に注目しながら通りすぎていく
「まぁ、落ち着いて……」
「私は落ち着いています!」
また叫び睨むミオリに、はぁ。とため息つくルモカ
「話は後で、今日はもう休みなさい」
しばらく互い見つめあい動かずにいると、先に動いたのはミオリ
「……失礼します」
そう一言話すと、自分の部屋へと戻ってくミオリ。その後ろ姿を見届けるルモカ。今度はふぅ。とため息ついていると後ろから話しかけられた
「どうした?」
話しかけたのは、ちょうど通りかかったゼフド
「ミオリちゃんがね……」
ルモカがそう話していると、いつの間にか見えなくなっていたミオリ。二人で大きめのため息をついたあと、ゼフドが持っていた資料をルモカに渡した
「そうか。それよりルモカ、気になることがあるのだが……」
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