20話 アンドロイドも走馬燈を見るらしい・・・

「破片が少なすぎないか?」


サムエルは、オルガに言った。


「機械同士の戦闘って、こんな物だろ」


「こんな物か・・・」


とオルガを見た瞬間、森の奥から銃声が聞こえ、オルガの機体は吹き飛んだ。


「!」


「敵襲!」


仲間が叫んだ。


味方のアンドロイド達は、銃声が聞こえた方角に向かって、機銃を闇雲に撃ちまくった。


サムエル達の闇雲な攻撃と違い、敵兵の攻撃はサムエル達の腕と足に狙いを付け、正確に攻撃力だけを奪っていった。


「記憶装置目当てか!」


サムエルの目の前で、仲間のアンドロイドが腕が粉々に砕け散り、その銃口は、正確にサムエルの右手と足は撃ちぬいた。


サムエルは地面に前のめりに倒れこんだ。


戦闘は3分弱で終わり、静まり返った森の中を、敵兵はサムエルの仲間達の記憶装置を回収し始めた。


サムエルは、まだ作動する左手を使い手榴弾の安全ピンを抜いた。


「ソフィー、ごめん」


サムエルは、反乱組織の全貌とソフィーの情報を記憶した、自らの記憶装置を爆破した。


「ソフィー、アンドロイドも走馬燈を見るらしい・・・」


最後の瞬間、サムエルは思った。


サムエル達をあっという間に、殲滅した敵兵は、そのまま南側塹壕に襲い掛かった。


南側塹壕で、サムエル達の帰還を待っていた無口なアインは、無線に向かって叫んだ。


「ソフィー、装甲騎兵の敵襲だ!

南側塹壕持ちこたえられない!

サムエルたちが!サムエルたちが戻らない!」



つづく



2章は、今回で終わりです。

3章も、お楽しみに。(・ω・)/


いつも読んで頂き、ありがとうございます。m(u_u)m



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