第16話 大神殿跡地へ

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王国から西に約五十キロ離れた大神殿跡地

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魔人の男は捕獲派の陣営から指令が来るまで大神殿の中で待機していた。

彼の近くにはGS師団の傭兵二十数人が同じように指令が来るまで待機していた。

彼らは魔人の男に従っており、早く仲間を殺したガンマンに復讐したがっていた。

だか、指令がまだ来ないので、大神殿跡地で潜んでいた。

「隊長」

「ああ?」

「俺達はいつまでここで待機してれば良いのですか?」

「上の指令が来るまでだ」

「あんなカルト宗教の奴らに従っていたら、俺達もあんたも目的を果たせない。ここで終わりにしましょう」

「……お前の言いたい事はよく分かる。だがまだだ。ここから移動して隙があれば奴らを皆殺しするぞ。いいな?」

「了解です」

他のGS師団の傭兵も納得し、口を閉じる。

すると、ヘリ特有のプロペラ音が聞こえてきた。

しかも、この音は軍の攻撃ヘリの音だ。

「まさか……」

大神殿の外を見る。

上にゴブラ攻撃ヘリが旋回していて、二メートルぐらいの壁の外から、隊列を組んだセベラル王国の兵士達がやってきた。

「Fack!!敵だ!迎撃しろ!」

『了解!!』

傭兵達が銃を持ち、王国軍を迎撃するため、大神殿の外の庭に向かう。

魔人の男もストック無しAKS-74Uを持ち、王国軍を迎撃しに向かった。






少し前

大神殿跡地から数十キロ離れた森

赤木

「あと少しで降りるぞ、降車準備」

この作戦指揮の一人、レギー=シーメンス中佐が全員に無線で指示する。

俺達は移送用のハンヴィーで中佐と少佐、ドクと一緒に乗り、大神殿跡地の近くまで移動している。

運転は少佐の加奈子=シーメンスが、助手席には作戦指揮のレギー中佐が座っている。

ハンヴィーの後部座席には俺達冒険者組と衛生兵のドクが座っている。

俺達の後ろには王国軍兵士が乗っている軍用トラックが三台、俺達の後ろにしっかりついてきている。

上空には航空支援用のコブラ攻撃ヘリが飛んでいる。

いや、小隊規模の人数で攻撃ヘリは必要か?

その質問を俺の隣のドクにぶつけた。

「先程情報部から連絡が来まして、責任者を始末した男は魔人の生き残りであることが分かりました」

「魔人って二年前の戦争で暴れたあの?全滅したんじゃないのか?」

「私達もそう思っていましたが、情報部の情報は間違いないみたいです」

「魔人って強いのか?」

「ええ。国を滅ぼせる程ね」

俺達はそれを聞いてため息をついた。

そんな国を滅ぼす程強い奴に前回の緑の傭兵共。

確かに、軍は必要だな。

だが、

「魔人の相手はどうする?兵士達には荷が重過ぎるんじゃないのか?」

「安心してください。レギーさんは魔人を実際に討伐した事がある実力者です」

「そうか、期待しているぜ、中佐」

「任せな」

「さて、俺達は軍のサポートだから、彼らの邪魔はしないようにしろよ」

「まあ、魔人はとても危険だからな。しっかりサポートするさ」

「そうだな、俺もプリスキンと同じだ」

「セレナは魔法で兵士達を援護しろよ」

「うん、任せて」

これで俺達の動きは大丈夫かな。

後は予定通りに行動するだけだ。

「ところで赤木君」

「どした?セレナ」

「こんなタイミングだけど言うね。あの時の返事は?」

「ああー。あれか」

夜の約束の事だよな。

「これが終わったら言うよ」

「分かったよ。待ってる」

すると、ドクが、

「こんな時に死亡フラグは止めてくださいよ」

と言いやがった。

「安心しろ。そんなフラグ回避してやる!」

「まあ、頑張ってください。もうすぐ降りますよ」

ドクがそう言い、話を終わらせた。

それにしても、全滅した筈の魔人。

どうも匂うな。

何か裏がありそうだ。






大神殿跡地から数キロ離れた森

俺達と兵士達が車から降りて、数人は展開し、周囲を警戒した。

俺達は中佐と少佐、ドクのチームと一緒に行動する。

兵士達は六人のチームで行動し、迅速に行動する。

兵士達はアメリカ陸軍の歩兵装備をしており、がっちがちの装備をしている。

防弾ヘルメットに軍用ボディアーマー、各関節のプロテクターを付けている。

顔はサングラスを掛けてたり、目出し帽で顔を隠していたりしている。

武器はアサルトはM4カービン、M16A4、マシンガナーはM240B、M249SAW、狙撃手はM14EBRを装備している。

アサルトは様々なアタッチメントを付けており、M203グレネードランチャーやフォアグリップ、マズルブレーキ、サプレッサー、レーザー、タクティカルストック、ホロサイト、ドットサイト、四倍スコープなど、様々なバリエーションの銃を兵士達はそれぞれ持ち、警戒する方向に構えている。

彼らは腰に、M45A1 45口径拳銃、M92FS拳銃をホルスターで吊っている。

やっぱり米軍がベースとなっているな。

俺はデジタル迷彩パターンの戦闘服にイギリス製のボディアーマー、無線用のイヤホンにプロテクター、軍用グローブ、首にゴーグルを装備している。

メイン武器はM4A1の代わりのHK416。

二倍スコープにコンベンセイター、ハンドグリップを付けている。

軽くて反動が少ないから、二番目によく使うアサルトライフルだ。

サブは右腰のホルスターに収まっているHK4

5自動拳銃。

ピストル用のドットサイトに15連ロングマガジンを付けている。

セレナは主に魔法を使うためライフルは使わない。

魔法使いっぽいマントにコンバットアーマー、青のスカート、ピンクの軍帽を付けている。

一応魔法だけではカバーしきれないから、腰にM92FSを装備している。

この拳銃はセレナ愛用の拳銃で、ゲームでもよく使う拳銃だ。

プリスキンはアメリカ海兵隊のMARPAT迷彩パターンの戦闘服にタクティカルベスト、黒のバンダナを額に巻いている。

武器はM16A2。

二十連マガジンにロングバレルを装着している。

腰にはカバメントM1911A1自動拳銃。

ボブスキーはロシア内務省国内軍の兵装で、ケブラー製の防弾ヘルメットにデジタル迷彩のボディアーマーを装備している。

武器はロシア製のAK-12。

ホロサイトにマズルブレーキを装着している。

サブは右腰のGSG-18 9ミリ自動拳銃。

同じロシア製で、装填数は18+1。

「よし。警戒している奴はそのまま。残りは集まれ」

レギー中佐の号令で呼ばれた兵士が集まる。

レギー中佐はアメリカ海兵隊の戦闘服にアメリカ製のボディアーマー、ケブラー製の防弾ヘルメットに、サングラスを掛けている。

武器はMK.18 5.56ミリアサルトライフル。

四倍スコープにフォアグリップ、レーザー、サプレッサーを装着している。

腰にはM45MEU。

その中佐の隣の加奈子少佐はイギリス陸軍の戦闘服にボディアーマー、プロテクター、ヘッドセットを付けている。

彼女の持っているライフルはXM8。

米軍の制式アサルトライフルに採用されなかったアサルトライフルだが、リコイルが少なく、安定しやすい5.56ミリアサルトライフル。

三倍スコープにマズルブレーキを付けている。

腰にはP99自動拳銃。

ドクは前見たのと同じGIGN特殊部隊の戦闘服にフランス製のボディアーマー、目出し帽の上に防弾フェイスカバーを装備している。

背中のバックパックには野戦治療用の器具が入っている。

武器はHK社のMP5サブマシンガン。

タイプは伸縮式ストックタイプのA5。

二倍スコープにマズルブレーキ、レーザーを装着している。

腰には同じHK社のP9拳銃。

9ミリパラベラムを使用する17+1の自動拳銃だ。

「ここから西に数キロに奴らが潜んでいる大神殿跡地がある。それまで分隊で移動して近づく。道中のモンスターとの交戦は各自で判断。とにかく目的の大神殿跡地に着け。いいな?」

『イエッサー』

「各分隊、それぞれ五メートル離れて移動しろ。赤木達は俺達と来い。ムーブ」

「あ、ちょっと待て」

俺は皆を呼び止める。

「何だ?」

「渡す物がある」

俺は左腕のデバイスを操作して、全員分のある注射器を実体化させる。

「これは?」

「回復用のスティムです。これを一人ずつ持ってくれ」

皆で手分けして、スティムを渡した。

「あと、防衛用のデバイスは?」

「残念ながら無しだ」

「了解。じゃ、始めるか」

各分隊が展開し、時折止まり銃を構えながら移動し、敵の奇襲、又はモンスターの襲撃に備える。

兵士達の各分隊は、アサルト四人とマシンガナー、スナイパーのメンバーで組んで、アサルト二人がポイントマン、スナイパーが殿を務め、残りは左右を警戒しながら移動する。

お互い約五メートル離れて移動するのは、グレネードの爆発の犠牲を少なくする為だ。

俺達はレギー中佐と俺、ボブスキーがポイントマン、プリスキンが殿、セレナ、加奈子少佐、ドクが左右を警戒する。

セレナは魔力探知で敵又はモンスターを索敵。

モンスターの場合は各分隊で対処、敵の場合は連携して行動する。

俺達は中央にいて、周りには各分隊が展開している。

俺はゲームの勘で敵を探し、見つけたら報告する気で銃を構えていた。

そんな時、レギーが話し掛けた。

「お前、動きが良いな」

「そうか?」

「只のゲーマーがプロの軍人の動きが出来る筈がない。何かやっていたのか?」

「サバゲーさ。ただ、俺は極める為に兵士や特殊部隊の動きを調べて、練習していたからな」

「あの嬢ちゃんは?魔術師なのは知っていたが、警戒の仕方が上手い。ちゃんと隅々まで見ている」

「あいつはゲームでは敵探知機ってあだ名がついていたよ。それぐらい敵を見つけるのが得意だった」

「なるほど、背中を任せられるな」

「まあな」

「ところで、その左腕のデバイスはマジで凄いな。銃とか装備も出せるだろ?」

「ああ」

「軍部の奴らが欲しがる理由が分かるぜ。それを取り入れたら、戦闘情勢が更に変わる。それぐらい凄い機械だ」

まあ、ゲームの万能デバイスだからな。現実にあったら、俺だって欲しいわ。

ま、今自分で使っているけどな。

「ところで、あの子にいつ言うんだ?」

「……」

「なるべく早めに言えよ。待たせるのはあまり良くないぞ」

「セレナ公認だ。あまり気にするな」

「そうか。言うセリフはちゃんと考えているのか?」

「……一応な」

「かあ~。若いなぁ。若いのは良いことだぜ」

「?」

「俺には家族がいる。俺の副官が妻だ」

「やっぱりな。何度か見たが、仲がとても良く見えたよ」

「分かっていたのか。まあいいや、加奈子に告ったのは小学校五年の時だ。林間学校の和室の二人部屋で、お互いに好きだって告白して……」

「告って……何だよ」

「その夜に二人で運動さ。激しいやつのな」

「凄く早い性行為。てか、良かったのか?」

「お互い確認したからな。大丈夫だよ」

「じゃなくて、法律的に」

確か小学生の性行為は法律で禁止されていた気がする。

「まあ法律も広い範囲で守られている訳ではない。それ以降は……」

「だいたい想像出来たから話さなくていい」

「そうか……お前らの恋路が楽しみだ。期待しているぞ」

「まあ……何とか頑張るさ」

その為には早く依頼を達成しないとな。

それ以降は警戒しながら進軍し、ようやく大聖堂跡地に着いた。

入り口の左右に並び、壁沿いに隠れる。

俺が一番前だったので、一応索敵する為に、中を覗く。

情報通り、真ん中はレンガの道、左右は大理石の長方形の石が均等に並べられていた。

敵の姿は……見えない。

隠れたのか?

まあいないならちょうど良い。

俺は入り口の門に手をかける。

だが、開かない。鍵が掛かっているようだ。

ピッキングするか?

いや、それよりもっと良い方法がある。

「どうする?」

「爆破して開ける」

デバイスからC4爆薬と信管を実体化させ、C4爆薬を門の鍵部分にセットする。

右手で信管を持つ。

「カウントする。準備」

レギー中佐達が銃を構える。

「3、2、1、起爆」

信管のスイッチを押し、C4爆薬を起爆する。

豪快な爆音と共に門が爆発の威力で開く。

「ゴー、ゴー、ゴー!!」

各分隊が展開し、大理石の石にそれぞれ銃を固定する。

俺達も前進し、少しずつ前進する。

残り半分近くの距離で一人の男が現れた。

「It's been a long time Reggie.(久しぶりだな、レギー)」

野戦迷彩パターンのTシャツに白の迷彩パターンのズボンを着たマッチョな男が立っている。

英語は分からないが、何だか懐かしそうな顔をしているぞ?

「クラウザー!?」

「知り合いか?」

「まあな。生き残りがクラウザーだとは思わなかった」

あのクラウザーって魔人とレギー中佐は面識があったんだ。

道理で再会を楽しんでいるような顔をしている訳だ。

「I've been wanting.I didn't think it would come from you……(待っていたぞ。まさかお前から来るとは思わなかったが……)」

「なんて?」

「俺達を待っていたらしい」

「Since we've here we have no choice but to fight you.But I'm the only Reggie. Others done by mersenaries.(ここに来た以上俺達はお前らと戦うしかない。だが、俺がやりたいのはレギーだけだ。他は傭兵共がやってくれるさ)」

「奴は俺をご所望のようだ。行ってくる」

レギーがクラウザーの要求に応じるつもりだ。

「中佐一人だぞ。大丈夫か?」

「No problem.」

そう言って、レギー中佐一人だけクラウザーの元に向かった。

兵士達が撃とうとしていたが、加奈子少佐に制止された。

「みんな!そっちは任せたぞ!」

レギー中佐が俺達に言う。

「Follow me.」

クラウザーに言われ、レギー中佐はクラウザーと一緒に大神殿の中に入った。

その数十秒後、大神殿から緑の戦闘服のGS師団の傭兵が銃を撃ちまくりながら現れた。

「コンタクト!」

「戦闘開始!」

加奈子少佐と俺が叫び、兵士達が交戦する。

よし。まずは傭兵共を片付けよう。その後にレギー中佐の援護だ。

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