第203話 ウォルド、覚醒!

「おおぉぅりゃああぁぁぁ!!」


「でりゃあぁぁぁぁ!」


「うわぁ……。後で領主が泣きそうだ」


「自然破壊と同義だもんね。魔物たちも可哀想に……」


「うぅ……。ラナも戦いたいのです」


「え? あれに混じるのですか? 私は嫌ですわよ」


「メナト、止めろよ」


「無理だね。まぁ、楽なんだし、良いと思うよ」


 現在、俺達は、活性化領域に来ている。

 先日、依頼やら嘆願書が来ていて話し合った場所なのだが、俺関連の話なので、早速、赴いたわけだ。

 領主にも挨拶をして、成果に対する取り決めも、冒険者ギルドが仲介となって決めてある。

 俺達の報酬は、成果に対する8割だ。

 2割は、ギルドと領主に半々で納める事になっている。

 尚、領主は、俺が自ら来たことに涙を流して喜んでいた。


『本当に……本当に、ありがとう!』


『いえ、お気になさらずに』


 と言うやり取りをしながら、両手で右手を握られたほどである。

 貴族として、それはどうなんだろうと思ったが、訪問した領地は、農地と言っても過言ではない位に、何も無かった。

 爵位は準男爵家ではあるが、貧乏でもないし、零細貴族と言われるほど、経営が逼迫しているわけでもない。

 領地経営としては成功者の部類に入るのだが、如何せん、もの凄く腰が低い。

 演技かなとも思ったが、これが素らしい。

 一緒に挨拶に顔を出していた、奥さんからの情報だ。

 根は善人で腹黒さも無い貴族……非常に稀少である。


「ラフィ?」


「ん? なんだ、リア?」


「もしかして、あの領主様の事を考えてた?」


「まぁ、そうなんだが……。いざと言う時は大丈夫なのかなってな」


「決断は出来る人らしいから、大丈夫なんじゃないの?」


「それもそうか。今回の件だって、周りが大丈夫だと言い張る中、念押しで調査依頼出してきたもんなぁ」


 領主から詳しい話を聞く間、リア達婚約者は、領主の奥さんと別室で談笑していたのだが、結構な惚気話だったそうだ。

 その中で、領主がどういう人物かもさりげなく聞き出し、俺に教えてくれたと言う訳だ。


「ミリアやリーゼがいれば、もっと上手く誘導できたんだけど」


「それは仕方ないさ。今回は、腕に覚えのある人物だけで来たかったからな」


 実は、今回の訪問だが、婚約者全員ではない。

 メナト達の話を聞いた翌日、関係各所と話をし、俺が直接出向くと言った後、家族会議が開催されたのだ。

 そこで、婚約者総出と言う話に待ったをかけたのだ。


『納得できる理由をお願いします』


 初めに口を開いたのは、知識欲の権化、リーゼである。

 シルにも劣らない、知識欲の持ち主である彼女は、メナト達がいても関係なかった。

 寧ろ、メナト達にすら、物申す勢いでもあった。

 その姿に、メナト達が思わず言った言葉が『シル二世』『シルの申し子』『シルそのもの』だった。

 誰もが頷き、納得したのは言うまでもないことだろう。


『ですがラフィ様、私も真意を聞きたいです』


 リーゼの件は一先ず置いておくことにしたミリアであったが、やはり理由は気になるらしい。

 まぁ、隠す事でもないので、そこは素直に話した。


『今回は活性化領域だからな。腕に覚えのある人物だけにしたいんだよ』


『そこまで危険なのですか?』


 ミリアの疑問に対する答えだが、危険度は高いだろうが許容範囲だと思っている。

 ただ、今回は未知の部分が多い。

 神三柱も同行するわけだが、それは目的があっての事だ。

 その目的後、どのような後始末をするのかが分かっていない。

 それに加え、万が一の場合になった時、俺が参戦できるかも不明だ。

 もし、色々な不測の事態が起きた時、その対処に追われて援護できない可能性もある。

 そうなると、必然的に生還率が高くなるメンバーだけの方が良いと言う結論に至った訳だ。

 以上の事をミリア達に話すと、今回は素直に納得してくれた。


『それで、誰を同行させるのですか?』


『婚約者だけで良いんだよな?』


『今のお話で、メナト様たちの同行は分かっていますので、護衛も含めた人員を聞きたいです』


 何故そこまで? と言う表情をしていたのだろう。

 直ぐにミリアに窘められてしまった。


『ラフィ様は、ご自身の重要性を軽く見過ぎています。良いですか? 今、ラフィ様に何かあれば、同盟は崩壊する可能性もあるのですよ』


 そこからは、認識の低さに対する説明とプチお説教に発展したことは、分かって頂けるだろう。

 ミリアだけでなく、リリィ達にも言われてしまった。

 俺は危機感が足りんのかね?

 それなりの安全は確保しているつもりなのだが……。

 とまぁ、以上のことがあって、選抜メンバーだけで、活性化領域にいるわけだ。

 尚、メンバーは、メナト、セブリー、トラーシャ、リア、ヴェルグ、ラナ、ヴィオレ、リュール、ウォルド、となっている。

 リジア、イーファも戦闘能力は高いが、家の方にも防衛戦力を残しておきたかったので、今回はお留守番である。

 同じ理由で、神喰、ゼロ、ツクヨも留守番だ。

 ミリア達も納得していたので、今のメンバーと言う訳だ。


「でりゃぁぁぁ!」


「おぅりゃぁぁぁ!」


 で、さっきから叫んでいるのが、セブリーとトラーシャである。

 戦い……いや、先程から、魔物を蹂躙しまくってるわけだ。

 ただ、なんだろう……楽なはずなんだが、素直に喜べないと言うか、ちょっとハラハラしている自分がいる。


「あー……、ラフィの気持ちは分かるよ。私も少し、同じ気持ちだし」


「おいおい……。メナトがそれじゃ困るんだが?」


「セブリーは大丈夫だろう。ただ、トラーシャがね……」


「暴走破壊神とか、手に負えないんだけど? 暴走する前に止めてくれよ?」


「善処はしよう」


「おい! 善処じゃなく、確実に止めろ! 楽しくて暴走して、世界崩壊とか御免だからな!」


「…………」


「黙秘すんな!」


 何てやり取りをしながら、目的地であるマナ溜まりの中心点へと進んで行く。

 ……本当に、何かあったら止めろよ? メナト、信じてるからな!







 魔物を駆逐しながら進む事、数時間。

 ようやく目的地に辿り着いたわけだが、全員の顏がちょっと引き攣っている。

 何故、そうなっているのか?

 理由は、死屍累々の中心にいるからである。

 いや、この惨状を引き起こした者達は、清々しい表情をしていたが。


「いやぁー! 良い運動になったぜ」


「久しぶりに暴れられたな! ラフィに感謝だぜ」


「お前ら……やり過ぎだ!」


 何故ここまで酷いのか?

 それは、中心地が近くなったので【探査サーチ】で調べたのがきっかけだ。

 調べた結果、異常な魔物の数が確認された。

 中には、この領域には今まで居なかった亜種まで確認される始末だったのだ。

 当然、三柱をジト目で睨む俺。

 メナトは顔を背けて、現実逃避。

 対するセブリーとトラーシャだが、お目めが蘭々。


「すっげーいるじゃん! まだまだ戦えそうで安心だな!」


「セブリー、勝負しないか?」


「討伐数で勝負か?」


「分かってるじゃないか! さて、審判は……そこの! ウォルドと言ったか? 君に頼もう!」


「え!?」


「それじゃぁ……」


「よーい……」


「ちょっ、まっ――」


「「ドン!!」」


 ウォルドの声は届かず、結果、行われたのは蹂躙劇。

 神の中でも脳筋で、戦闘特化神の前に、魔物の運命は確定した。

 そして、現在に至る訳だ。

 顔が引き攣るのも無理は無いだろう。


「なぁ、ラフィ」


「なんだ?」


「俺、必要だったか?」


「護衛は必要だろう。ウォルドは付き合いも長いからな。安心して任せられる」


「このお二方がいたら、必要無くね?」


「あれ? もしかして、勘違いしてる?」


 ウォルドは俺の護衛だと思っているみたいだが、それは半分正解で、半分は間違いである。

 形式上、俺の護衛と言うのは間違ってない。

 だが、真の護衛対象は婚約者達である。

 神三柱にも話してあるが、いざと言う時は、トラーシャが俺を守りながら戦闘、セブリーはリアとリュールを、メナトがラナ、ヴィオレを、ウォルドはヴェルグと共闘する事になっている。

 そして、この中心地で作業中はウォルドを指揮官として、皆が戦闘をする事も事前に決めている。

 尚、先程の審判にウォルドが選ばれたのは、神三柱から認められた人間だからでもあった。


『死ぬ! マジでしぬぅぅぅ!!』


『素晴らしいぞ! 十全に使えていないとはいえ、俺の破壊を防ぐとは! 思わず加護を授けたくなってしまうな!』


『だろう? 彼は見込みがあるよ』


『メナト。次、俺な』


『程々にな、セブリー』


 なんてことが、話し合いの後に合ったからだ。

 ウォルド、確実に人間を止めつつあるな。

 どこまで行けるのか、見物ではある。

 壊れてしまわない様に、注意は必要だけどな。

 と言う訳で、勝負の結果は後で聞くとして……。


「で、どうすんだ、これ?」


「ラフィ、よろしく」


「……後でお説教な」


 メナトからのお願いを聞いて、全て収納して行く。

 まぁ、片付けないと、今後の作業に支障が出るし、仕方ないか。

 全てを空間収納に仕舞い、リエルに仕分けを任せる。

 かなり酷い損傷した素材もあるので、使える物を選別しないといけないからだ。

 ……結構面倒な作業なので、ちょっとした嫌がらせをしようと思う。


「ウォルド」


「ん? どうした?」


「勝負の判定方法だけどな……」


 ウォルドに小声で判定方法に項目を追加せてみる。

 それを聞いたウォルドは、とても嫌そうな顔をした。

 だから、追加で更に条件を付けると、渋々ながら受け入れてくれた。


「じゃ」


「結果だな」


 とっても良い笑顔のセブリーとトラーシャが、ウォルドに判定を促す。

 そこで、俺が二柱に追加項目を説明した。


「言っとくが、ウォルドは元冒険者だ。判定基準は、冒険者に則った判定になるからな。異論は認めん」


「おいおい、マジかよ」


「なんだ、セブリー? 自信が無いのか? 確実に息の根を止めていれば、全て問題無いだろう」


 ちょっと不安げなセブリーに対し、自信満々なトラーシャ。

 どうやら、セブリーは冒険者と言う仕事に対して、理解がある模様。

 そして、結果は……まぁ、フラグっぽいの出てるし、皆分かっていた。


「勝者、セブリー」


「おっしゃ!」


「バカな!?」


 ウォルドの宣言で、天に向けて拳を掲げるセブリーに対し、呆然とするトラーシャ。

 尚、蚊帳の外である俺達ですら、全員が納得した顔をしている。

 だが、トラーシャは納得できないのか、ウォルドに詰め寄っていた。


「納得いかない! 再審を要求する!」


「再審はしませんよ?」


「では、説明を求める!」


 どうしても納得のいかないトラーシャは、ウォルドに詰め寄って説明を求めた。

 そんなウォルドは、俺に向けて視線を送って来た


(どうするよ?)


(説明したら?)


 アイコンタクトでお互いにどうするかを瞬時に決断。

 仕方ないなぁ……と、ウォルドは説明を始めた。


「トラーシャ様、暴れないと約束して下さいね」


「それは、説明の内容による!」


「じゃあ、説明なしで」


「ぬ。それは困る。……わかった。納得するまで説明してくれるなら、暴れないと約束しよう!」


 ウォルドも上手い事やるなぁ……なんて思いながら、説明が始まった。

 セブリーも気になったのか、二柱仲良く説明を聞く様だ。


「まず、討伐数ですが、これはトラーシャ様が数体多いです」


「ならば、俺の勝ちじゃないか」


「良いですか? 今回は冒険者の観点で判定をしています。余裕が無い戦いなら、トラーシャ様の勝ちですが、お二人共、余裕がある様に見えました」


「まぁ、確かに」


「余裕だったな」


「そうなると、次の判定は素材についてとなります。冒険者は魔物を狩って、素材を手に入れて収入源とします。しかし、素材の状態が悪ければ、買い叩かれます」


「……俺の倒した魔物の方が、素材の状態が悪いってのか?」


「仰る通りです。素材の状態に関しては、セブリー様の方が圧倒的に良いのが多いです。そして、目算で計算しましたが、買取価格ではセブリー様の圧勝でしょう」


「ちっ。面倒な話だ」


「因みにだが、どれくらい差がついているんだ?」


 トラーシャが悪態を憑く中、セブリーも気になった買取価格を聞いていた。

 何気ない質問で、何も考えず質問しているのであろうが、これは良い質問だと思う。

 だって、トラーシャも納得せざるを得ない金額の差があるからな。

 まぁ、俺もまだ選別中で目算だけど、それでも天と地ほどの差があるからな。

 ウォルドも理解している様で、あくまでも目算でと前置きしてから、金額を話し始めた。


「トラーシャ様の方ですが、全ての素材が買い叩かれるでしょうね。ただ、数は多いので、金貨1枚以上にはなるでしょうけど」


「俺は?」


「半分近い数が、状態の良いものになります。数も多いので、どんなに少なく見積もっても大金貨1枚。多ければ大金貨2枚以上は確実かと」


「そんなにか!?」


「そんなにです。納得して頂けたでしょうか?」


 ウォルドの言葉に考え込むトラーシャだったが、ニヤッと笑うと、直ぐに大笑いし始めた。


「あはははは! 言うじゃないか。破壊神たるこの私に一歩も引かず、納得できる説明もした。君は素晴らしいな。改めて名を聞いておこう!」


「ウォルド・クヴァシルと申します」


「ウォルド……ウォルドね。うん、覚えた! 気にいったぞ!」


「ありがとうございます」


 納得したトラーシャは、ウォルドの肩を叩きながらご機嫌であった。

 若干、痛そうな顔をしているウォルドであったが、無下にも出来ないので、受け入れている。

 ガンバレ、ウォルド!

 と、心の中でエールを送っていたが、次の一言でメナトが慌てて止めに入った。


「ウォルド。君には、私の加護をやろう! 受け入れられる下地はあるようだし、限界まで与えようと思う」


「えー……と」


「まてまてまてまて! トラーシャ、それは勝手が過ぎるだろう。ジェネス様に確認してからだな――」


「うっせーなぁ。ジジィなら文句は言わねぇよ。ラフィの家臣に関しては、壊れないならば、ある程度は俺の判断で良いって許可も取ってる」


「い、いつの間に……。いや、それでもだな……」


 なんでメナトは認めないんだろうか?

 何か問題があるのか?


「なぁ、メナト」


「なんだい?」


「そんなに駄目なのか?」


「……駄目では無いんだけど、与える加護レベル次第だと、下級神なら、神殺しできる可能性が出るんだよ。私も加護を与えているし」


「え? そこまでの話?」


 ウォルド、遂に人間を止める時が来たらしい。

 しかし、まさかそこまでの人物だったとは。

 いや、面倒見は良いし、人望もあるし、ふざけている様で根は真面目だし、鍛錬も欠かさない。

 それでいて、俺と修練できる数少ない人間。

 あれ? なるべくしてなった感じがしないでもないな。


「うーん……」


「どうするの?」


「ダグレスト関連があるし、個人の戦力増強は願ったり叶ったりなんだが……」


「ウォルド本人の意思で良いんじゃない?」


「ヴェルグの言う通りだな。まずは、本人の意思を確認してからだろう」


 その本人であるが、結構悩んでいる。

 力はあって困るものではない。

 力無き想いなど、無想と同じだ。

 だが、想い無き力は、ただの破壊しか生まない。

 どちらも大切なのだ。

 ウォルドには守りたい――否、守らなければならない人がいる。

 いざと言う時に、力が無く守れなかったら、後悔しか残らないだろう。

 もし、あの時に――と。

 ……背中を押してやるべきなのだろうか?


「ラフィさん」


「ヴィオレ?」


「決めるのは、ウォルドさんですわよ」


「……わかってるよ」


 釘を刺されてしまった。

 背中を押すのも駄目らしい。


「相談されたのなら、止めませんわよ? ですが、こちらから押すのは駄目ですわ」


「ああ、そういうことね」


 だが、こちらの意思とは別に、ウォルドは決めたようだ。

 トラーシャに向き直り、意思を告げた。


「折角のご厚意ですが、辞退させて頂きます」


「何故だ?」


「自分が求めるのは、守る力です。使い方次第では、破壊の力も守る力に使えるのかもしれません。ですが、ただ、強さを求めるだけならば、必要無いと判断したからです」


「神を殺せる力は要らない――と?」


「はい」


 ウォルドは迷うことなく、真っ直ぐな瞳でトラーシャに告げた。

 それを見たトラーシャは、またもニヤリと笑い、大声で笑い始めた。


「あははははは!! 良い、良いね! 最高だよ、ウォルド・クヴァシル! わかった。君の意思を尊重しよう。だからこそ、是非とも君に贈ろう」


 そう言って、トラーシャは加護を与えた。

 あっという間の出来事に、誰も反応できない。

 気付いた時には、全てが終わっていた。

 ハッ!となったメナトが、トラーシャに詰め寄る。


「トラーシャ、貴様――」


「慌てるんじゃない。これは元々、ジェネス様と決めていた事だ。それに、私の加護は元々考えていたよりも低いレベルだ」


「何を言って……」


「ラフィ」


 いきなり俺の方に顔を向け声を掛けてくるトラーシャ。

 なぜ俺なんだ?

 その疑問に対し、トラーシャは神の顏を見せた。


「ジェネス様からの言伝を伝える。『神喰への抑止力は多ければ良い。ラフィ君の信ずる者に、神からの祝福を』だ。判断基準は俺に一任されていたが……彼は、ウォルドは合格だ」


「そうか……。だけどな」


 その後、俺はトラーシャに思いっきり説教をした。


 ――本人の意思を無視するな!――と


 流石にメナトも思う所があったのだろう。

 俺と一緒にトラーシャに説教をした。

 原初と同僚同格神にマジ説教される破壊神。

 セブリーを初め、全員が苦笑いしたのは仕方にだろう。

 後、かなり本気のマジ説教なので、トラーシャは涙目でもあった。

 わかるかい? この泣いてる女神、破壊神なんだぜ?

 30分程、滾々と説教をした後、本来の目的に戻る……前に。


「ウォルド。念の為、ステータスを確認しといた方が良いんじゃないか?」


「そうだな。軽く見ておくか」


 そして、ステータスを確認したウォルドであったが、何とも間抜けな声を上げた。


「はぇ?」


「どうした?」


「…………ちょっと見てくれ。俺は頭が痛くなってきた」


 ウォルドに言われて、ステータスを確認してみる。

 そこに書かれていた内容に、俺も思わず声を上げる事になった。


「はぁ!?」


 まず最初に記載されていた、ウォルドの種族。

 記載されていた言葉は【人族(覚醒者)】であった。

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