第173話 歓楽街に行ってみた

 お休み最終日、本日は5日目に潰れたデートの繰り越し日になっている。

 尤も、歓楽街に行く予定だったのと、5日目は元から食優先でのデート予定だったので、同時進行する事になった。

 ついでに、夕方からはウォルド夫妻と合流予定で、1,2時間だけWデートになる予定だ。

 尚、待ち合わせは継続中です。

 そして、最後のデート相手は、シア、ナユ、ヴェルグの参院に加え、昨日婚約者になったばかりのヴィオレを含めた計4人でのデートである。

 ヴィオレとは後日、きちんとしたデートをしようかと提案したのだが、ヴィオレ本人に拘りは無いらしい。


『婚約指輪と結婚指輪は皆と一緒にして欲しいですわ』


 それだけは譲れないそうで、今日でも良いらしい。

 他の3人に聞くと、早めに買いに行った方が良いかも?って言われたので、3人からの合意を経て、本日買いに行くことが決まっていたりする。

 ヴィオレもそうだが、3人も割と拘りが無いようにも見える。

 ……俺がおかしいのかね?

 判断に悩む所だな。


「お待たせ―」


「ちょっと遅かったかな?」


「はわぁ、待ち合わせってちょっとドキドキするのです」


「少し楽しみですわね」


 昨日のやり取りを思い出していると、4人が歩きながら声を掛けてきた。

 全員がオシャレと言った感じでは無く、どちらかと言えばラフな感じの洋服だ。

 ちょっと前世を思い出すような感じなので、気が楽かもしれない。


「そんなに待ってないよ。それより、まずは何処から見に行く?」


 洋服を褒めるより、何処から向かうかを話し合う。

 ヴィオレの指輪を先に買いに行くのか?それとも、他に行きたい場所があるのか?

 4人に聞くと、まずは軽く食べ歩きをしたいらしい。

 ヴェルグを除く3人は、朝食をあまり食べずに来たらしく、小腹が空いている模様。

 ヴェルグだけはしっかりと食べて来たらしいが、何故か3人と変わらずに食べると言う。

 どっかのフードファイターみたいだな。


「何か失礼な事を考えてたでしょ」


「何も考えてないぞ。どの辺りから回るのが良いかは考えてたが」


 ヴェルグの指摘に、半分噓をついておく。

 もしバレたら……ミリア辺りに説教を食らいそうだし。


「ホントかなぁ……。まぁ、追及しないで上げるよ」


「流石ヴェルグ。そういう所が好きだぞ」


「はぁ、ラフィって現金だよね」


 何てやり取りが終わってから、俺達は歩き出す。

 とりあえず、商業街に出向くことにして、適当に屋台から買って食べて行こうとなった……のだが、うん……ヴェルグはさておき、他の3人の食いっぷりがすげぇ。

 ちょっと予想外であった。


「シアちゃん、こちらのお菓子は美味しいですわよ」


「これ、ラフィ様が考案したクレープです。 甘いクレープと甘く無いクレープがあるです」


「オーク串肉、美味しいですねぇ」


「ナユ、あっちに面白い串焼きが売ってるよ」


 女子4人の買い食い……もとい、食べ歩き。

 非常に満足そうである。


「ラフィ様、シアのクレープを上げるのです!」


「ありがとう。……これは、果物のクレープか」


「このクレープ、面白いのです。生クリームを一切使用してないのです」


「シロップ漬けにした果物だけ使ってるのか。確かに面白いな」


「ラフィ、ボクの串焼きも食べてみて」


「どれ……ん? この肉って何の肉だ?」


「殻竜の味噌漬けだってさ。味噌が少し焦げたのが良いよね」


「へぇ。竜王国の調味料を使っているのか」


 皆がこれどうぞ、こっちもどうぞと言ってくれるので、一口二口食べて感想と言った感じになるので、自分で買う事が今の所ないな。

 そして、野次馬共が今にも血の涙を流しそうにもなっているな。


「クソ! あのリア充が!」


「もゲロ! 禿げろ!」


「爆発してしまえ!」


「さっさとくたばれば良いのに!」


 男共の嫉妬の怨嗟が飛び交う中、女性からも嫉妬の声が飛んでくる。

 女性からの嫉妬の声――非常に珍しいと思うが、聞いてみると割と切実な叫びであった。


「あの女、あんな良い男を捕まえて!」


「きぃー! 私だってクロノアス様に見初められさえすれば!」


「あんたなんて無理よ! 不細工なんだから」


「何ですって!」


「何よ!」


「醜い争いをしているから無理なのよ!」


「「そこ! うるさいですわよ」」


 優良物件と言うのは、案外少ないらしい。

 男共よりも女性陣の方が言葉が辛辣だったりする。

 ……シアが屋台に買いに行っている最中で良かったよ。


「少しうるさいですわね」


「ヴィオレか。まぁ、仕方ない部分もあるんじゃないかな?」


「ラフィさんは大人ですのね」


「そう言うヴィオレこそ、達観してないか?」


「こう見えても、舞踏会や園遊会に参加していましたから。お父様から強制的にですけど……」


「あー、ご愁傷様?」


「本当にご愁傷さまでしたわ。碌でもない男しか寄ってこなかったので」


「色々大変だったんだなぁ」


 しかし、ヴィオレが舞踏会や園遊会にねぇ。

 武闘会の間違いじゃないよね?

 いや、ヴィオレは運動神経が良いし、舞踏会なら違和感はそうでもないのかね。

 昨日着ていたドレスも似合ってたしな。


「何か失礼な事を考えていませんか?」


「ん? いや、ヴィオレのドレス姿も似合っていたなぁ――と」


「そ、それは、ありがとうございます」


 少し顔を赤らめてヴィオレがお礼を言ったのだが、そんなに照れるものなのかね?

 んー、俺にはわからん。


「あー!! 二人だけでイチャイチャしてるー!」


「ラフィ、一人だけ特別扱いは駄目です」


「シアもラフィ様とイチャイチャするのです!」


 ヴィオレと話し込んでいると、二人きりの世界は駄目だと3人が押し寄せてくる。

 尚、ヴィオレの顏は更に赤くなってるご様子。

 こっち方面の耐性は無いみたいだ。

 そして、そんな俺達を見ていた男女の野次馬達は揃って声をハモらせた。


「「「くたばれ!!!」」」


 君達の気持ちは良くわかるので、敢えて享受しよう。

 前世では俺もそっち側だしな。

 この後も行く先々で同じ反応貰うのだが、仕方ないと割り切ってデートを楽しんだ。

 これもリアルハーレムの宿命なのかね。



 食べ歩きをしながら市井を見て回る。

 少しずつではあるが、俺が普及した娯楽品も販売されていた。

 面白かったのは、前世にもあった将棋倶楽部みたいな店もあった事であろうか?


(この分なら麻雀や囲碁も売った方が良いか?)


 次の娯楽品を何にしようかと考えていると、両手を抓られる。

 抓ったのはヴィオレとヴェルグだ。


「デート中に考え事はいけませんわね」


「そうだね。こんなに沢山の美少女に囲まれているんだから」


「ヴィオレの言い分はごもっとも。ごめんなさい。でもなヴェルグ、自分で自分の事を美少女って言うのはどうかと思うぞ」


「酷い! ナユ~、ラフィがイジメるー」


「ラフィ、今のは駄目だと思います」


「俺に何か言う前に、ヴェルグの顏を見てから言ってみ?」


「それでもです。それに、ヴェルグちゃんは普通に美少女だと思いますよ」


「まぁ、そこは否定はしないが……」


「ラフィ様! シアも美少女ですか!?」


「シアはとても美少女だと思うぞ」


「わーい! 美少女なのです」


 美少女なのか、そうでないのか論議であったが、俺は全員美少女だと思う。

 そんな事を休憩する為に広場へと向かいながら話していたものだから、周りの男共はかなりやさぐれていた。

 中には舌打ちする者も少なくはない。

 そんな中、テンプレと言わんばかりに絡んでくるごろつき共。


「昼間っから見せつけてくれんじゃないの」


「なぁ嬢ちゃんたち。そんな細っこいガキよりも、俺たちと遊ぼうぜ」


「天国を見せてやるからよ」


 ギャハハハ、と下品な笑いを出すごろつき共。

 当然、4人の怒りに触れるわけで……。


「下品ですわね」


「この手の輩って、本っ当に多いんですよね。まだ下っ端冒険者の時に、ウォルド達にどれだけ助けて貰ったか」


「見せしめに殺っとく?」


「シアもお手伝いするのです」


「あー……、程々にな」


 俺から許可が出たと取ったのであろう。

 ヴェルグがごろつきの一人にアッパーを繰り出し、顎を割る。

 続いてヴィオレが護身用の突剣で薄皮を剝いでいく。

 見事な剣技であった。

 最後にシアが精霊魔法でアババさせ、見せしめが完了した。


「はぁ、皆さんやり過ぎですよ」


「まぁ、気持ちはわからんでもないが」


「流石ラフィ。話が分かるね」


「一番のやり過ぎが何言ってやがる」


「えー、ボクわかんない」


「あざといですわね」


「ヴェルグちゃんはいつもこんな感じなのです」


「ボクはシアよりお姉さんなんだけどなぁ……」


 ごろつき共を成敗した後の会話なのだが、二人は気絶中で一人は腰を抜かしている状態。

 そして、当然ながら騒ぎとなっているから、憲兵が来るわけで……。


「貴様ら! 一体何をして……クロノアス卿?」


「あ、ご苦労様です。いやぁ、申し訳ない」


 俺の言葉の後、惨状を確認する憲兵。

 一つため息を漏らし、苦情を言われる。


「大体何があったかはわかりました。とりあえず、このごろつき共は回復して頂けるので?」


「現在進行形でやってるよ」


「そうですか。軍務卿からトラブル体質と聞いておりますので追及はしませんが、今後はもう少しお手柔らかにお願いします」


「お手柔らかにも何も、絡んでくる方が悪いのでは? 野次馬共の嫉妬に関しては何もしてないし」


「そこまでされたら困ります! はぁ……とにかく、今後はもう少し手加減をですね……」


 憲兵さんたちは、とてもお疲れのご様子だ。

 え?元凶が何言ってるんだって?絡んでこなければ、この惨状は出来上がって無いのだから、俺達は悪くないと思うのだが?

 とりあえず、詰め所に連れて行かれる事は無い模様。

 注意はされたけどな。

 広場での騒動も終わり、時間を確認すると昼食時の混雑が緩和されている時間帯であった。

 と言う訳で、俺達は巷で噂の食堂へと向かう事にした。


「いらっしゃいませー」


「5人なんだが、空いてる席はあるかな?」


「クロノアス様ですか!? 当店にお越し下さりありがとうございます! お席ですが、奥の個室など如何でしょうか?」


「じゃあそれで」


「5名様! 個室ご案内ー!」


 元気の良い女性店員さんだったな。

 まだお客さんもそれなりに居てるし、活気もある。

 これは……相当当たりの予感がするな。


「ラフィさん、こちらへどうぞ」


「あ! ヴィオレずるい!」


「まぁまぁ」


 普通は、男が女性に対して椅子を引いて先に座る様に促す、所謂レディーファーストが普通だが、貴族においては逆になったりする。

 正確に言えば、貴族の婚約者の場合か。

 そして、椅子を引いたヴィオレはちゃっかりと俺の横に座っていたりする。

 普段なら駄目だが、今はデート中で、尚且つ私事プライベートなので問題では無いからな。

 早いもの勝ちではあるのだが、ヴェルグもナユも残り一席はシアに譲り、全員が席に着く。

 料理はお任せで頼み、全員で舌鼓を打った。

 噂に違わぬ美味しさで、満足できました。


 昼食の後は、ヴィオレの婚約指輪を買いに例の貴金属店へ。

 皆と同じ婚約指輪を贈るのだが、ここでふと冷静に考えてしまった。

 俺、婚約指輪だけでどれくらい使ってるんだろうな――と。

 まぁ、気にする必要は無いか。

 金ならあるし。

 ……いや、この考え方はいかんな。

 もう少し、財布の紐を締めるべきか。


「今でも十分締めてると思うよ」


「人の考えを読むな」


 いつものやり取りをしている間に、ヴィオレの指輪が完成した様だ。

 材料は渡してあるから、サイズを測って出すだけだろうしな。

 その後は、再び買い食い祭りに発展し、休憩を挟みながら過ごして待ち合わせの時間となった。


「おう。お待たせ」


「口調」


「まぁまぁナリア、今は友人としてだからさ」


 幼少期から仕えているせいか、ナリアはすっと下がった。

 うーん、今は普通にして貰いたいんだが、流石に無理かぁ。

 ついでに言っておくと、ウォルドの奥さんは勢ぞろいしていたりする。

 今回のこちらのデートに便乗したのだろう。

 何気に全員が嬉しそうだしな。


「さて、これからはウォルドの案内で回る訳だが……」


「それは良いんだけどよぅ、シア嬢ちゃんも連れてって良いのか?」


「仲間外れは可哀想じゃね?」


 俺の一言で同行が決まるのだが、事前に父親であるドバイクス卿に許可は取っていたりする。

 まぁ、許可を取る時に渋い顔はされたが、シアの母親の鶴の一声で決まった感じだったな。


『これも社会勉強ですよ。ですが……あまり遅くならない様にお願いしますね』


 シアの母親の笑顔が怖かったのは言うまでもない。

 高速首振りで頷いたのは容易に想像できると思う。

 そんあこんなで、いざ!歓楽街へ!



 歓楽街に着くと、表通りはそこまで変化が無い。

 強いて言えば、飲み屋が多い事であろうか?

 昼と夜とで顔が変わると言われているが、どう変わるんだろうね。


「歓楽街に来るときは気を付けろよ。特にラフィとナユ」


「ナユはわかるけど、なんで俺まで?」


「私だってもう大丈夫なんですけど?」


 俺とナユの抗議に、ウォルドは真面目に答える。

 冒険者の仕事をする時の真面目ウォルドだ。


「あのなぁ……ラフィは有名人なんだよ。それだけで分かれ」


「ああ、そういう」


「んで、ナユ。お前は童顔だから狙われやすいんだよ。平民だしな。服装や仕草でバレる」


「うっ!」


「そしてな……お前に何かあった場合、ラフィがキレる。言いたい事はわかるな?」


 あー、なるほどね。

 俺にキレられると困る訳か。

 しかしなんでだ?

 必要悪の存在ぐらい分かっているから、全部潰したりはしないぞ。


「ラフィなら潰しかねないんだよ! それとな、潰されるとスラムの人間が増える」


「なるほど?」


「分かって無いから言っておくが、女性の何割かはスラム街の人間だぞ。歓楽街があるからこそ、職に有り付けている奴らも多いんだ」


「だから治安が悪いのか?」


「そこが弊害だな。だが、それだけスラムに人が多いって事だ」


 ウォルドの話だが、スラムの人口は年々増加傾向にあるらしい。

 王都はこれ以上の拡張が難しく、もし拡張するならば、大規模な区画整理が必須だそうだ。

 しかし、何故ウォルドはその事を知っているのだろうか?


「別に今に始まった話じゃねぇからな。もう何年も言われている事だ」


「知らんかった」


「そりゃそうだろ。貴族は基本、スラムの人間なんて気にしちゃいねぇからな」


「その言い方は、なんか腹が立つな」


 俺がご立腹だと感じたナリアが動こうとして、ウォルドに止められた。

 あれ?ちょっと珍しいかも。


「別にラフィがどうのこうのって話じゃねぇんだよ。貴族だけに限らず、平民だって我関せずだからな」


「どういうことだ?」


「スラムってのは響きだけ聞けば聞こえは悪いが、実は人材の宝庫でもあるんだ。だからこそ、敢えて気にしない」


「道具か何かだと思ってるってわけか」


「そこまで酷いとは思いたくないがな。だが、間違ってはいないかもな」


 ふむ、ウォルドの話が正確ならば、まだ見ぬ人材が眠っている可能性は十分にある訳か。

 だが、俺の考えに気付いたウォルドは、1つ注意をしてきた。


「注意点もあるぞ。スラムは犯罪者が隠れ住んでる場合がある。見極めが非常に需要になるぞ」


「それは危険だな。まぁ、今は関与しないようにするか」


「それが無難だな。それと……」


 ウォルドは魔法の袋から槍を取り出して、穂先を後ろへと向ける。

 向けた先には、子供が数人立っていた。

 ウォルドが槍の穂先を向けたので多少脅えてはいるが、一人の女の子が勇気を出してこちらに話しかけてきた。


「あ、あの……どうかお恵みを」


 そう言って両手を出す女の子。

 見れば、学校に通っていてもおかしくない年齢の子から、明らかにシアより年下の子まで居る。


「ラフィ、こういう手合いは大勢いるぞ」


 ウォルドは槍を仕舞って俺へ無視しろと安易に告げて来た。

 だがなぁ……この現状を見ちゃうとなぁ……。

 目配せで全員にどうするか問うが、全員の反応は同じで無視が一番であった。

 だが、ただ一人、シアだけは違っていた。


「ラフィ様、助けてあげないのですか?」


 シアの言葉に動揺する。

 だが、この子達を助けたら、他にも助けないといけなくなる。

 スラムの住人とはそう言う物なのだ。

 しかし、シアの期待を裏切るのもなぁ……。

 考えていると、女の子は諦めたのか去って行こうとする。

 シアの服を掴む手が強くなる。


(あー……これは駄目だわ)


 シアにとって、俺は憧れなのを知っている。

 その憧れた人が自分と年が変わらない、果ては年下の子を見捨てると言うのだ。

 シアの心情は推して然るべきだろう。

 もし、シアが婚約をしていなかったら、手を差し伸べていたんだろうなと思うと、やはり捨て置けなかった。


「あの子達を呼び止めてくれ。とりあえず食事と……我が家で雇うか」


「ラフィ、お前」


「悪いな。俺はどうやら偽善者らしい」


「……はぁ、後の事は任せて貰えるな?」


「良いのか?」


「スラムの中に顔の利く人間が居る。後はこっちでどうにかするわ」


「すまない」


 こうして、子供達を保護して、我が家で面倒を見ることになった。

 学校とかにも行けてないだろうから、教育は必須だな。

 ナリアが屋敷に向かい、人手を連れてきて、ついて行く子供達。

 それを見ている大人もいたが、そいつらは無視。

 子供は健やかに成長すべきとは思うが、ぞれは前世での話なのだろう。

 ならば、俺がしてやれることは、教育と仕事を与えてやる事。

 それがこの世界での線引きだろう。

 偽善と言うなら、言えば良い。

 俺はシアの悲しむ顔を見たくなかっただけなのだから。


 一連の事が終った後、何とも言えない気持ちで歓楽街を回ったが、暗くなる前に撤収した。

 食べ歩くとか、そういう雰囲気ではなかったからな。

 一応、ウォルドお勧めの酒場には行ったが、あんまり味がわからなかった事もある。

 ウォルドお勧めの酒は購入したけど、今日の夜にでも飲みそうだ。

 誰か付き合ってくれるかね……。


 こうして、初めての歓楽街は後味の悪い形で終わりを迎えたのであった。

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