幕間 ヴェルグは何故、無事だったのか?

 この話は、帝都に使いを出して、皇帝が来るまでの話である。


 天幕にて少しばかりの休息に入っていた俺達であったが、先程ヴェルグに『後で』と言われた事を思い出した。

 よって、ヴェルグへの質問タイムに入る。


「で、なんでヴェルグは、ディストと一緒だったんだ?」


「うっ! ……どうしても言わないとダメ?」


「ダメ」


「絶対に?」


「皆、悲しんでたんだぞ」


 この言葉に、ヴェルグは折れた。

 とても気まずい顔をしながら。

 そして語られた話は、驚愕と意味不明な事であった。


「えーと、ボクが一度死んでるのは理解してる?」


「そう、なのですか?」


 ミリアが顔を、少し悲しみに歪めながら、逆に質問をする。

 ただ、目の前にヴェルグがいるからであろうか?

 直ぐに元の表情に戻る。

 現にヴェルグは、目の前にいるからな。


「ボクはあの時、一度は死んだんだ。でも、ラフィが禁忌……ではないけど、理に干渉はしたんだ」


「理ですか? ヴェルグさん、具体的には?」


「んー、リーゼの質問にボクが答えても良いのか……」


 ヴェルグは俺を見て、リーゼの質問に答える。

 うん、そだね。

 俺の許可、要るよね。

 だって今のヴェルグは、俺の眷属兼婚約者なのだから。

 ヴェルグが無事だった謎は俺も知りたいので、一部の人には誓約を呑んでもらうことにした。

 理と俺の正体について軽く話すからな。

 これは仕方のない処置だ。

 反対する者はおらず、全員が誓約を呑んだので話を始める。

 勿論、天幕の外には、遮音結界を張っているぞ。


「俺が干渉した理は、この世に居てはならない者の存在許可と神格の生成。それと、本来は存在しない原初の眷属の有無についてだ。それしか、ヴェルグを救う手立てが無かったからな」


「なるほど。でも、ラフィ様の落ち込み様は……」


「ミリア、そこが疑問点だ。普通であれば、失敗は肉体も魂も消滅する。成功すれば目を覚ます。時間差はあるけど、消滅はしない」


「でも、ラフィの話を聞く限りだと……」


「ああ、リリィの思っている通りだ。だから俺は、物凄く落ち込んで、悲しんでいたわけなんだが……」


「こうして無事だったと。それ自体は喜ぶべきことなんでしょうが、確かに謎ですね。私の大図書館にも記されてないのは?」


「リーゼの大図書館は、あくまでも理の中での話だ。理の外となると、人の身では到底無理だな」


 情報を擦り合わせながら話を進めていく。

 皆、思案はしているが、答えは出ないと思うぞ。

 俺?俺は……可能性かな。

 ただ、その可能性だと、間違いなくが起こるはずなんだが……。

 とりあえず、話を進めよう。


「さて、俺がおこなったことは大体わかったと思う。で、皆の意見は?」


 誰も何も言わない。

 まぁ、そうだろうな。

 俺だって、可能性については半信半疑なのだから。

 と言うわけで、答え行ってみよう!


「じゃ、ヴェルグ。正解を」


「え? そんなノリなの? まぁ、良いけど」


「何はともあれ、ヴェルグがここにこうしているからな。沈んだ空気は嫌だろ?」


「全く……。ラフィには敵わないなぁ」


 少し笑ったヴェルグは、大きく息を吸ってから話し始めた。

 全ての出来事を――。


「まず、ラフィの眷属化は、半分成功、半分失敗した。それが消滅した理由」


「半分は失敗してたのか……」


 ヴェルグの言葉に落ち込む。

 ヴェルグが手を握って来て、気に病まないでと思念を流してくれる。

 それだけで少し、心が救われるようだった。


「まず、神格の生成には成功。眷属化も魂だけは成功かな? 肉体は浸食やら致命傷やらがあって不可能だった。ボクが話せていたのは、魔力を通して言葉にしていたから」


「それって言霊じゃね?」


「そんなに干渉力があるものじゃないよ。考えてみて、ボクは胸を貫かれていたんだよ? 普通は喋るなんて無理じゃん」


「言われてみれば、確かに……」


「ミリアは経験があるみたいだね」


「従軍した時に、一度だけそのようなことがあったので」


「その時の事を詳しく覚えてる?」


「そう言えば、声を出そうとしましたが、全く出ていませんでした」


「普通はそうだよね。詳しい説明は省くけど、胸に指4本分の穴が空いたら、喋るなんて無理って話。痛みもあるから、干渉力のある言霊も無理。精々、言葉を話すだけ」


「それはわかった。じゃ次だ」


 ヴェルグの説明に全員が頷き、次に移る。

 ミリアは「何故、無理なのですか?」と聞きたそうであったが、その話は後日二人で話し合ってくれ。

 今は何時、使いの者が返ってくるかわからんしな。


「次に浸食ね。簡単に言うと、ボクの力を喰っていたんだ。後は、あのクソ親父……。ラフィに殺される可能性も考慮してたみたい」


「実際、半殺しにはしたからな」


 半殺しの言葉に、俺を良く知らない者たちは半笑いする。

 まぁ、無理もないとは思う。

 今も天幕の中には、気絶中の反乱軍首魁とダルマになっている神喰が結界に囚われているからな。

 地味に回復阻害もしてあるから、四肢の再生には時間を要する筈。


「あはは……。でも、ボクの為にそこまで怒ってくれたのは、素直に嬉しいかも」


「ま、まぁな」


 お互いに顔を赤らめて、視線を逸らす。

 うん、ミリア達は温かい目で見守るのを止めような。

 物凄く恥ずかしいから!


「ごほん! まぁ、そう言った可能性も考慮して、あのクソ親父は咄嗟に思念を流し込んだわけ。それが結果として、浸食に繋がったんだけど――」


「ん? 思念叩き込むのと、浸食は別もんじゃね?」


「ラフィ、ボクとあのクソ親父の関係性は何?」


「…………あー、そっちか。無意識的に取り込もうとしたわけね」


「後は、力の回収かな。多分、邪魔にならないように回収しようとして――」


「失敗したわけか。全く、とんでもねぇ親だな!」


 そう言って神喰を睨むゼロ。

 ツクヨも睨んでいるので、ゼロと同意見らしい。

 ミリア達も何処か冷めた目で見ている。

 対する神喰の言い訳は――。


「いきなり割り込んできて、咄嗟にそこまでやったんだよ! 寧ろ割り込んできたこいつが悪い!」


 と、自分悪くありませんよアピール。

 全員の気持ちはこの時一つになった。


「ラフィ」


「ラフィ様」


「ラフィ、お願い」


「言われなくても」


 ゼロ、ミリア、ヴェルグが俺の名前を呼ぶ。

 それだけで、何かを察する。

 全員、俺の決定に反論は無い模様。

 神喰はこの場にいる全員から有罪ギルティ認定された。

 罪には罰を――と言うわけで、罰執行!


「ペインプリズン」


「あっ! ちょっ! やめっ! ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


「五月蠅いから、遮音しとくな」


「鬼! 悪魔! 人でなし!!」


「いや。俺、原初だし」


「そういや人じゃなかったぁぁぁぁ!!」


 とりあえず、話が終わるまでは罰を執行しておく。

 なぁに、死にはしないさ。

 死ぬほど痛い牢獄だけどな!

 さて、罰の執行も終えたので、話を戻そう。


「どこまで話したっけ?」


「浸食の話までだね。で、ラフィは基本、神気での行使が多いから、治療が出来なかったんだ」


「肉体に関してはわかった。魂に関しては?」


「魂への干渉も、浸食も無かった。多分そこのクソ親父は、神気じゃなく、原初で治療すると考えていたんじゃない?」


「ツクヨを殺そうとした件は……真剣勝負の事ゆえか」


「多分ね。後で聞いてみたら?」


「機会があればな」


 肉体消滅の謎はわかった。

 でも、魂は消滅してないんだよなぁ?

 あれ?それだと、肉体修復して眷属化するのでは?


「なぁ、それだと肉体修復が始まるんじゃね?」


「うっ! 鋭いところを!」


「何を隠しているのかなぁ?」


 ヴェルグに詰め寄る俺。

 周りは誰も止めない。

 ヴェルグは観念したようで、真実を話し始める。

 正確には、隠された内容を話し始めるだな。


「リエルさーん。出てきて説明して」


「何故にリエル?」


「え? 聞いてないの?」


「え?」


「え?」


 見つめ合う俺とヴェルグ。

 話に齟齬が生じ始めている。

 こうなると、リエルから話を聞くしかないのだが。


『リエル?』


『…………』


『なんでだんまりなのかな?』


『…………』


『そうか……。そう言う腹積もりなら、こっちも実力行使するからな?』


『マスター!? 何をするんですか!?』


『原初及びマスター権限発動。リエル強制顕現化』


『あ! マスター! それは――!』


 思念での会話が途切れ、強制顕現するリエル。

 女性陣はリエルの姿にカワイイ!と大喜びだ。

 対するリエルは揉みくちゃにされている。

 少しだけ時間を作って、リエルに揉みくちゃの刑を執行する。

 ほどなくして、ふらふらとこちらに飛んでくるリエル。

 俺の方に座ろうとして、俺の手の中に捕まる。


「さぁ、何を隠している?」


「何も隠していません!」


「嘘つけ! じゃあなんで、視線を逸らす!」


 その後は無言の攻防。

 視線を逸らして黙するリエルとジッと見つめる俺。

 勝敗は――俺に上がった。

 リエルが根負けしたのだ。

 そして明かされる、衝撃の事実。


「ヴェルグの肉体は修復可能でしたが、浸食からは逃れられませんでした。いずれ、魂にまで浸食するのは確定でした。なので、肉体の再構築をしたのですが――」


「失敗したと?」


「結果はそうです。ですが、事実は異なります。未だに理解不能なんですが、なんで干渉してきたのか……」


「誰が、どこに干渉した?」


「RE・コードが、再構築を邪魔しました」


「はぁ!? おい、どういうことだゼロ!」


「俺もわからねぇよ! あれには意志なんざねぇ!」


「だから言いたくなかったのに……」


 そこからは、俺とゼロの言い合いに発展。

 この言い合いは、ただ時間を浪費しただけと言っておく。

 何も答えは出なかったからな。

 言い合いの途中で「ぐ、ぐるぢい……」とリエルが言い出すまで、言い合いは続いた。

 どうやら熱くなりすぎて、リエルを捕らえていた手に力を入れ過ぎてしまったようだ。

 リエル、マジすまん!

 リエルを離し、続きを再開する。


「とりあえず、新たな謎は増えたが置いておこう。で、その後はどうなったんだ?」


「現実では、ヴェルグの肉体は消滅。本来なら、原初の海に還るはずなのですが――」


「つまり、わからんと?」


「いえ、観測はしていたので、途中までなら」


「そこkwsk詳しく


「原初の海に還ったヴェルグの魂ですが、何故か還元されずに保護されていました。そして、何故かヴェルグの肉体が原初の海にあって、その後は観測が……」


「…………多分、復活して追えなくなったんだろ。問題は、何故追えなくなったか」


 仮定の話をするが、多分間違いない。

 そこでヴェルグを再度見る。

 ヴェルグも隠すつもりは無いらしく、素直に話し始めた。


「えーっとね、気付いたらディストと一緒だったんだ」


「ディスト」


「はっ! 我は武者修行の旅に出て、老師と知り合ったのは話したと思います。実はその後なのですが――」


 ディストの話はこうだ。

 ディストと老師は、追っ手を撒くついでに、ダンジョン攻略をしたらしい。

 階層はそこまで深くなく、数日で攻略したそうだが、ダンジョン最奥にヴェルグと瓜二つの少女が封印されていたそうだ。


 二人は刺激しない方が良いと踏んだのだが、何の前触れもなく封印は解けて、少女が解き放たれてしまった。

 だがその少女は、己の意思も自我もない人形だった。

 ならば放置しても問題はないと考えたそうだが、何故かその少女はディストの後に付いてきた。


 害は無さそうだと判断した二人は、一先ず少女を保護した。

 そして、帝都に向かう途中で集団暴走スタンピードと同盟国が帝国内乱に干渉する話を聞きつける。

 同盟が参加するのならば、盟主も参加するはず。

 位置的に、北は手が回らないだろうと判断したディストは、俺への手土産に、北の魔物どもを駆逐しに向かったそうだ。


 老師も共に向かったが、向かう途中でウォルドが一人で戦っているのを遠目で見て、増援が向かっているのも確認し、ウォルドの方へと加勢したそう。

 その間にディストは、魔物どもを殲滅しに行こうとして、突如、少女が自我を持ったと。

 で、話を聞けばヴェルグだったと。


「マジか……」


「大マジです。我が主」


「リエルが観測した肉体は、その少女だった? で、ヴェルグが一度亡くなって、魂は還ったが、その肉体を依り代にした? ……いや、元からスペアだった?」


「わかりません。ですが、一つ疑問が」


「なんだ、リエル」


「同一時間軸にヴェルグが二人いたことになりませんか? ディストの話を聞くと、ヴェルグはまだ、生きているのですが……」


「ちょっとまて……。それって……」


「タイムパラドックスが起こりませんか?」


「…………」


 絶句する俺。

 他の皆は「何の話?」と首を傾げている。

 ただ一人、ゼロを除いて。

 ゼロは何かを考えていて、さっきから黙ったままだ。

 俺も含めて、全員がゼロを見る。

 そして、ゼロが話し始めるのを待つ。

 幾分か待った後、考えが纏まったのであろう。

 ゼロが話し始める。


「あくまで仮定だ。それを踏まえておけよ?」


「わかった、ゼロ。それで?」


「まず、おさらいだ。RE・コードは、過去の記録と知識を補完し、現在の記録と知識を収集している。これはわかってるな?」


「ああ」


「RE・コードには、未来を視る力はねぇ。だが、条件付きで視れるがいる。そして、限定条件ではあるが、RE・コードへの干渉権限を持つもいる」


「おい……。まさか!?」


「そのまさかだ。ジェネスとジーラが組んでいたなら、可能性としては十分ある」


「……さっき言っていた条件とは?」


「ジーラは時空神だ。時空とは時間すらも跳躍する。但し、未来は移ろい易い。だから、時空神が視れる未来は、確定した未来だけだ。不安定な未来を視る事は不可能なんだが……そうなると、ヴェルグの死は確定未来と言う事になるな」


「ジェネスの方は?」


「限定干渉権限は、理には干渉できねぇな。ただ、抜け道はある。理に干渉するギリギリであれば、干渉は可能だ」


「つまり、タイムパラドックスが起こるかもしれないギリギリを狙ったと?」


「だな。ただわからんのは、どうしてそんな回りくどい事をしたのかだ」


 ゼロと俺の話を聞いていた皆は、やはり首を傾げる。

 今の話を理解できたのなら、転生を疑うから、当たり前の反応だな。

 そして、この一件で神々への疑惑が深まった。

 最早、誰が敵で誰が味方か、わからなくなってしまった。


「あくまでも仮定だ。他にも要因がある可能性はある。あんま気にすんな」


 ゼロは俺を気遣い、軽く慰めてくれる。

 それを聞きながら、俺はもう一つの可能性を考えていた。

 それは、ジェネスとジーラが組んでいない可能性。

 そうなると、話は変わってくる。


 ジェネスが干渉し、時間軸に影響が出たのを、ジーラが修復した可能性。

 こちらも、時間的誤差の説明はできる。

 ちょっと難しいがな。


 だがゼロの言う様に、これも仮定でしかない。

 真実は闇の中だな。


「大体はわかった。ヴェルグの身体が消滅したのは、肉体修復が不可能だったのと、タイムパラドックスを生じさせないためか」


「ラフィの考えで間違いねぇな。問題は――誰が、何の目的で、どんな理由があってしたのか? だな」


「答えは?」


「知らねぇ。わからねぇが正解だがな。それと多分だが、ヴェルグが新しい身体で意識を覚醒させた時、元の肉体からは魂がほぼ抜けていたんじゃねぇかと思っている」


「だから干渉できたと?」


「仮に干渉できたとしても、コンマ1秒の世界だぞ?」


「うげっ! そんな精密な感じなのか……」


「俺ならごめんだな。リエルなら、やれるんじゃねぇか?」


 そう言ってリエルを見るゼロ。

 リエルは無い胸を前に突き出し、仁王立ちして誇る。

 あ、できるんですね……。


 大分話が脱線したが、纏めに入る。


「とりあえず纏めると――ヴェルグは更に強くなって生き帰ってきました。おわり!」


「ラフィ、簡潔に纏め過ぎです」


「ナユ、やっぱダメ?」


「まぁでも、嬉しさの方が勝っているので、それで良いかもしれないね」


「リア! 良いこと言っってくれた!」


「お前ら、ラフィに甘過ぎね?」


「ゼロ、今更よ」


 そうして笑い合う俺達。

 とここで、ヴェルグが申し訳なさそうに、爆弾を落とす。


「えーと、和やかなとこ悪いんだけど、もう一つ問題が……」


「まだあるのか!?」


「そんな嫌そうな顔をしないでよ、ラフィ」


「すまん。で、もう一つとは?」


「これなんだけど……」


 ヴェルグは空間収納から一振りの剣を取り出す。

 これ、魔剣イーベダームだよな?


(あれ? なんか違くね?)


 魔剣を鑑定する。

 鑑定結果は――思わず「はぁ!?」と声を上げるほどだった。

 魔剣イーベダームは進化しており、更には眷属剣に変わっていたからだ。

 その名も――。


「原罪の魔剣グラ・アナザーシン――暴食の魔剣かよ!」


「前みたいに意思はあるし、勝手に喰うとか、燃費が悪いとかは無くなってるんだけど……」


「なら、何が問題なんだ?」


「魔剣なんだけど、実質は神剣になってる」


「…………使いどころは、気を付けような」


「後、ボクの神格なんだけど……」


「それもあったか……」


「宣言通り【狂愛】にはなったよ。ただ、一部が意図してない権能になっていて……」


 ヴェルグが語った、意図してない権能。

 それは、咲き誇る華謳はなうた、と言う権能らしい。

 そしてこの権能の能力はというと。


「ボクが愛した者達に、祝福の謳を与えるらしいんだけど、意味が良く解らない」


「俺も良く解らん。鑑定してみたが、それ以外出てこないんだが?」


「どうしよ?」


「んー、危険な感じは無さそうだし、様子見で良いんじゃね?」


「ラフィ、なんか変わったね」


「嫌か?」


「嫌ではないよ。なんて言うのかな? 今まで遠慮してた部分が無くなったって感じかな」


「間違ってないな。俺は少しだけ、我儘に生きると決めたからな」


「世界は壊さないでね?」


「壊しませんよ?」


 そして、またもや広がる笑い声。

 なにはともあれ、こうして皆で笑い合えるのは、素直に嬉しい。

 話は終わり、後は休憩しながら雑談をして、時間を潰した。


 その片隅で神喰は絶叫していたが、防音結界により声が聞こえず、使いの者が帰ってくるまでの間、ずっと刑を執行される。




 ぶっちゃけ、忘れてたわ…………。

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