第105話 大お見合い大会準備。しかし、想定外は人知れずやってくる
成人に向けて色々と動き、あっという間に冬となった。
現在14月になり、来年に開催されるお見合い大会に向けて婚約者を交えた全員で議論の真っ最中である。
「参加者は、我が家のメイドと執事数名に家臣団。あ、ウォルドは側室も迎えないと駄目なのか?どうなんだミリア?」
「ウォルドさんは従士長であり、家臣団の筆頭ですから必要ですね。後、ブラガスさんも正妻込みで最低3人は……」
「俺はナリアだけで良いんだけど?」
「自分が3人ですか……。少し前までは、考えもしない事ですね。ただ、歳も歳ですし……」
「ウォルド、ブラガス、諦めろ」
とまぁ、こんな感じである。
ナリアも部屋に居て話を聞いているのだが。
「ウォルドさん、側室は必須です。私の事を大事にして頂けるのは嬉しいですが、お家の事も考えて下さい」
「俺には手に余るわ。ナリアはそれで良いのか?」
「良いですよ。正妻の座は譲りませんから」
この様なやり取りをウォルドと交わしていた。
夫婦仲が良い様で何よりです。
そして現在、とある問題が浮上していた。
「問題は会場ですね」
「リリィ、うちの庭だと無理か?」
「出来なくはないと思いますが、余裕が取れなさそうです」
「私の家の庭と同程度なのにね」
「ティアの屋敷の庭と同程度で余裕ないとか……他に会場を探すのは無理じゃね?」
「庭じゃないと駄目なのですか?」
「ん? シア、それはどういう意味だい?」
「ラフィ様のお屋敷は、屋敷前も広いです。屋敷以外の全てを使えばと思ったのです」
「あ~、それでも微妙なんだ」
「いっそ、屋敷内の一部も会場にしちゃえば?」
「やはりリアもそこに行きつくか。だがな……」
「駄目ですよ。こういったことは、仕分けが肝心です」
「と、リリィが言ってるけど? リアは反論できる?」
「むーりー。僕は大人しくしてる」
「私もこういったのは力になれないですね」
「ナユは無縁の方だったしなぁ。それは仕方ないよ」
「いっそ、屋敷内を会場にしてしまえば」
「ラナ、それだと庭より狭くなりますよ」
「うっ! じゃ、じゃあリリィは何か妙案があるの?」
「無いから悩んでいるのですよ」
「リーゼ、何か良い案は無いか?」
「無い事はないんですが……。ラフィ様とヴェルグさんが大変になりますよ?」
「え? なんで僕も入ってるの?」
婚約者とヴェルグには、ステータスや出来る事などを予め話している。
ヴェルグも同じように話しているので、その俺達が大変になるという事は、そう言う事なのだろう。
「魔法でごり押しか……。で、どっちが大変?」
「準備まではヴェルグさんが大変ですね。当日はラフィ様が大変になります」
「そう言う事かぁ……。僕は暫く引き籠りになりそう」
「俺、当日大丈夫かね?」
「リーゼさん? 何をなさるのですか?」
「簡単な事ですよ。お庭に仮設で簡素な建物を作り、支柱や柱に魔術紋を刻むか魔道具を埋め込みます。行使するのは空間拡張ですわ。これで、通常よりも広い空間が出来上がりますが、下準備と当日の魔力供給が必要ですが。何か他に質問はありますか? ミリアさん」
「下準備はヴェルグさんが、当日の魔力供給はラフィ様が行うのですね。供給方法はどうするのですか?」
「それなら、俺が拡張した方が早くないか?」
「取り壊す時にどうするのですか?」
「え? 普通に拡張解除して取り壊すけど?」
「それでは勿体無いです。ランシェス、セフィッド、オーディール、フェリックなら、買い手も付きますから」
「そう言う事かぁ。支柱クラスの物を作って、それをいくつか補助にも使うと。1本だけなら魔力供給の量もそれほどでもないし、一定範囲までしか拡張できないから、売ってしまうわけだ。でも、普通に国宝級になるよね?」
「そこはヴェルグさんに期待です」
「藪蛇だった。ちょっと面倒だなぁ」
明らかにヴェルグのやる気が無くなった。
それを見たリーゼがヴェルグを部屋の隅に連れて行き、何やら内緒話を始める。
ちょっと嫌な予感がしたので、本当はダメだが盗み聞く事にしよう。
ゴッドイヤー!
説明しよう! ゴッドイヤーとは、無駄にステータスの高い俺が普段は抑えている聴力を開放しただけの技だ!
特に魔法とかを使っているわけでは無い!
……厨二病みたいな心の語りだな。
今後は止めよう。
気を取り直して、二人の会話を聞くと――。
『ヴェルグさん、ここは頑張りどころですよ』
『なんで?』
『ラフィ様は、尽くしてくれる女性に弱い傾向があります。それと並行して守りたくなる女性にも弱いです。後は、料理が得意な女性や気さくな性格の女性に、努力家な女性にも弱いですね』
『言いたいことは何となくわかるけど』
『分かっていませんよ。良いですか? ヴェルグさんは婚約者候補であって、まだ婚約者ではありません。ラフィ様はヴェルグさんの性格は好んでいます。ヴェルグさんも想いは伝えています。なら後は――わかりますよね?』
『リーゼって計算高いよね。悪く言えば、腹黒い?』
『血は争えませんから。私は父の文の才だけを色濃く受け継いだようですからね。でも、ラフィ様が好きな気持ちに偽りはありませんよ』
『もしラフィが、世界征服! とか言い出したらどうするの?』
『家族の助命は頼みますが、喜んで手を貸しますよ。私は私の全てを以て、ラフィ様を助けます。ですが、ヴェルグさんも案外意地悪ですよね。ありえないことを聞くなんて』
『ちょっとした仕返しかな? でも、そうか……。良し! ポイント稼ぎ頑張ろう』
『その意気です! 私もお手伝いしますから』
『何気にポイント奪いに来るよね……。まぁ、良いけど』
嫌な予感的中!
何気に人の女性の好みを暴露しないで欲しい。
しかも、割とあってるからシャレにならんのだが……。
内緒話を終えた二人が戻ってくるが、ヴェルグはやる気アップ。
リーゼも、何気に温かい目でヴェルグを見ている。
どっちが年上かわからんな。
各して、大お見合い大会の方針はあらかた決まり、開催日は3月上旬に決まった。
招待状などは、遅くとも年内に送らないと駄目だな。
ここから怒涛の忙しになるのだが、更に苦難は続いた。
15月、今年も後1カ月になった頃、大お見合い大会の事が他貴族に漏れた。
まだ招待状作成中にも拘らず、何故か漏れる情報。
誰かが漏らした形跡も無いのに、何故かこういったことは漏れるんだよな。
そして始まる、他貴族からのアポイントメントと利益供与の話。
クソめんどくせー! だから内密に進めてたのに!
結果、王城にまで噂は届き、更に状況が悪化する。
今年も残り半月になった頃、王城からお呼び出しが掛かる。
今の状況でのお呼び出し……嫌な予感しかしねぇ。
無視するわけにもいかないので、王城へ出向く。
「良く来た、クロノアス卿。何やら面白い事をしておるようだの」
「私達も混ぜて欲しかったですね」
「いえ、陛下や王妃様のお手を煩わせるわけには」
通されたのは王城の応接室。
穏やかな表情を浮かべながら、探りを入れてくる陛下夫妻。
これ以上の厄介事は御免なので、さっさと切り上げて帰りたい。
しかし、俺の願いは届かなかった……。
「大お見合い大会か。実はな、他国にも情報が洩れておるぞ」
「げ! 更なる厄介事が起きそうな予感がします」
「もう起きてるわね。各国から、参加させてほしい! と打診が来てるわ。当然ながら、ダグレストからも」
「おわた……。どうしましょうか?」
思わず天を見上げる俺。
その様子を見ながら、陛下は更に言葉を続ける。
「……余としては、他国の者を参加させたくはないのだが、そう言う訳にもいかなくなった」
「どういう事でしょうか?」
他国からの参加など、間者を招くようなものだ。
しかし、断れなくなったとはどういうことだ?
「結論から言おう。ランシェスは条件付きで他国からの参加者を受けることにした」
「ちょっ! こちらに断りもなく!」
「結論から――と言っただろう。理由も話すから、落ち着け」
「これはね、貴方にも原因があって断りづらかったの」
え? 俺が原因? 俺、何かした?
いやぁな汗が頬を伝う中、陛下は理由を話し出す。
「まず、断れなかった国の内容だが、帝国、神聖国、竜王国、神樹国、皇国の五か国だ。何故かはわかるな?」
なんとなく想像はつくけど、ここはこう言っておく。
厄介事回避のためにもな!
「わかりません!!」
「どの口でそれを言うか! 顔にわかってますと書いてあるわ!」
ええ……じゃあ聞かないで欲しい。
そして、厄介事回避は不可能なようだ。
「話を戻すぞ。簡単に言うと、同盟国は断れなかったわけだ」
「やっぱり、そっち方面ですか」
予想的中! というか、それしかないよねぇ。
となると、問題は条件の方だな。
「本来は、他家の事に王家が口を出す事ではないが、今回ばかりは国に関わる事だ。許せよ」
「いえ、こちらこそお手を煩わせてしまい、申し訳ありません」
「以前とは違い、大人になっておるな。たまに子供っぽさもあるが、まぁ気にするほどでもないか」
「謁見の間なら叱責ものですが、今は違いますからね」
「流石に、謁見の間ではきちんとしますよ」
少し雑談を挟み、いよいよ本題へ。
「まず条件だがな、ランシェスを含めた六か国で、同条件にすることが決まった」
「その条件とは?」
「基本的に、実家とは無関係。相手側から利益供与はしない。スパイ行動などの禁止などだ。まぁ、事実上は実家からの絶縁だな。もし破れば……」
「破れば?」
「実家の方が処罰の対象だな。貴族だと、爵位剥奪になるな」
「処罰が重くないですか?」
「本来なら有り得ん事だが、同盟関係の中心人物と言うのが絡んでくる。下手をすれば、この関係から排除される可能性があるからだな」
「なるほど。ですが、それだけではないでしょう?」
「無駄に聡いな。裏を返せば、同盟関係の強化だな。それに……いや、今はこちらは良いか」
?? 何を言おうとして留まった?
これ、絶対何かあるよな?
ジッと見つめるが、陛下は何も語らず。
代わりに、王妃様が続きを語る。
「それとね、条件に上が認めた者しか参加できない――って条件も付いたの。他国からの招待客は、こちらに任せて貰えないかしら?」
「上と言うと?」
「皇王、皇帝、教皇、竜王国国王、レラフォード代表に私達ね。そちらが招待予定の名簿を渡してもらえれば、こちらで更に精査しますよ」
少しだけメリットがあった。
招待客の選別って、結構大変なんだよな。
ここはお言葉に甘え……いや、この先、頭を押さえられないか?
なんてことを考えていると――。
「これはお詫びみたいなものよ。勝手に決めてしまった事へのね。勿論、あなたが招待したい人は、呼んでもらっていいわよ」
「そうですか……では、お願いします」
「それとね、今回の件と並行して、飛空船の試験飛行もする予定なの。帝国から各国へ迎えに行って、我が国へ来る予定ね。ただ、神樹国は神聖国に集まってから飛空船で来る予定だと、連絡があったわ。帝国と神樹国の溝は深いわね」
「流石に時間は掛かりますよ」
と、ここで陛下が会話に復帰する。
「変に達観しとるの。それで、会場はどうするつもりだ?」
「それについて、少しお話が」
ここで二人に、皆で決めた内容を話す。
「また突拍子もない事を……。まぁ、そちらで用意できるのなら文句はない。買取についても各国に話を通そう。それで一つ、質問があるのだが?」
「なんでしょうか?」
「もし、魔力供給が間に合わなくなった場合、拡張された空間に置かれている荷物や人はどうなる?」
「普通に収束されますよ。なので、程々にお願いします」
「そうか。注意点だけは伝えておかないとな」
これで終わりかな?
そう思うが、まだ話は終わらなかった。
「お主は、残り3国を断った理由を聞かぬのだな」
「ダグレストは想像がつきますし、傭兵国は一悶着ありましたしね。リュンヌは……今まで関りが無かったからでしょうか?」
「ふむ……。ダグレストとイジェネストはその見解で間違いない。しかし、リュンヌに至っては少し違うな」
「では、どのような理由で?」
「言わねばわからぬか? 聡いと思えば抜けておる。本当に読めぬ男だな」
地味にディスられた。
でも、思い当たるようなことが無いんだよな。
だが、ここで陛下が話した理由に唖然とする。
「お主が家宰に任命した者とその家族はリュンヌの元貴族なのだろう? あそこもきな臭いのでな。今回は排除した」
「……どこでその情報を? 誰にも話していないのですが」
主君とは言え、こうも秘密を簡単に知られては警戒度を上げるしかない。
俺もヴェルグも、未だに話していない秘密があるのだから。
しかし、答えは呆気ない理由であった。
「通商手形と政商への認可。当然だが、素性は調べるであろう? 苦労はしたがな……他に何かあるのか?」
「……いえ、特に何も」
「ふむ。何か隠しておるのか?」
「いえ、陛下のご慧眼に感服した次第です」
「嘘じゃの。お主が敬語を使う時は、半分が嘘を吐くときか、何かを隠しておる時だからな。素直に話してみよ」
「本当に隠していません。それに、これは個人の内容に関わるので、例え陛下でも話せません。本人の承諾があれば別ですが」
「なるほどの。ならよい」
「処罰は如何様にでも」
「このような事で処罰など無いわ。国家転覆に関わるなどならば話は別だが、個人の感情の問題であろう?」
「はい。ですが、隠したのは事実ですので」
「問題無い。ただし、今後はもう少し気を付けよ。気分が良い物ではないからな」
「肝に銘じておきます」
陛下に深々と頭を下げて謝罪する。
そんな俺を見た二人は……。
「う、うむ」
「素直なのは良い事ですが」
信じられない! みたいな対応をした。
俺だって謝る時は謝るんですが?
何、その「あのグラフィエルが!」みたいな顔は。
まぁ、今までやらかしてきたせいなので、何も言えんがな。
そして、もう一つの話へ。
今回参加する、家臣や侍女達の話へ移る。
これについては全員と面談し、とある条件付きにしていた。
そのことを話すと――。
「また思い切ったことをしたのう」
「ですが、良い方法だと思いますよ。それに、貴族としての役割も果たしていますし」
「それには同意するが、軋轢を生まんか?」
「そちらについては、話をしています。それに、今直ぐで無くとも、将来的には――と言う話も出てきましたし」
「ふむ。内訳はどうなっておる?」
陛下の言う内訳。
実は、今回のお見合い参加者には選択を迫った。
選択を迫ったのは執事と侍女。
どちらもギルドからの紹介で、現在もギルドに籍がある。
今回のお見合い大会は〝我が家の家臣〟のお見合い大会だ。
故に、半家臣的な人物は参加できない事とした。
その話を一人一人に話した結果、参加する者はギルドから除籍し、我が家に完全雇用される形にしたのだ。
代わりに、夫婦揃って仕える事になるのと、所属別で住み分けを考えた。
ただ、将来的にと考える者や、年齢的にまだ早いので――と断る者もいたので、年月が経てば増える可能性もある。
因みに、この選択肢のメリットとデメリットだが。
1、お給金が変わる
2、一定の仕事しか任せて貰えない
3、お相手は自分で探してね
である。
ギルドに籍がある者は、万が一クビになっても次がある。
ギルドに籍があるので、お給金は我が家がギルドに支払い、お給金からギルド維持費として、いくらか差し引かれた金額を受け取っている。
直接雇用の場合は、その維持費分がお給金に加算される上、少しだがお給金が増える。
但し、ギルドを除籍して万が一クビになったら、訳アリとして再就職が困難になったりもする。
当然だが、一度除籍してしまえば大半はギルドに戻れない。
仮に戻れても、直ぐに仕事が斡旋されるわけでもなく、維持費も割増しで取られる。
割と世知辛いのである。
次に仕事だが、現在は屋敷の維持しかしてない。
給仕などは古参の3名が行っており、奥の仕事に関してはナリアのみだったりする。
これが我が家の家臣になると、給仕などの仕事を徐々に任せて貰えたり、役職が付いたり、部下が付いたりする。
ギルドに籍を残している場合は、一生ヒラのままだ。
仕事も掃除と洗濯とこまごまとしたものだけ。
下手をすれば、後から入ってきた者に抜かれてしまう。
しかし、デメリットが無いわけでは無い。
家臣になったからには、要求される技能が上がる。
戦闘技能もある程度は学んでいるが、今までの比ではない。
就業時間も少し伸びたりはする。
但し、産休などはしっかり貰える。
そして最後が結婚相手である。
家臣になった以上、斡旋は当主の仕事だ。
それが出来ないと、当主として落第点。
まぁ、中にはお手付きになる者やそれを夢見る者もいたりはするが、そこは置いておこう。
普通は家臣同士で結婚するのが大半だが、我が家の場合、女性比率が高い。
女性9に対して男性1くらいの割合。
結果、斡旋が必須なのだ。
まぁ、そうで無くても昨今は女子の出産率が高めなのだが。
話を戻そう。
選択を迫った結果なのだが――。
「メイドの雇用人数50名に対し、ギルドから抜けた者はおよそ6割ですね。執事は6人全員が参加します。それと、冒険者から我が家の家臣になった者が10数名程」
「多いの。大半は、平民からになるのか?」
「そうですね。大半と言うか、一人を除く全員ですかね」
「お主の所の家宰か。その旨も伝えねばならんな」
「来ますかね? 来なくても良いんですが」
「まず、親同伴で来るな。それも、ある程度の荷物を纏めて」
「相手を決めて、帰って来るな――ですか?」
「最近は碌なのがおらんからな。お主の家と何かしらの縁が繋げれば、この際、出生には拘らんだろうな」
「男性参加者の場合、お婿さんになりそうですが?」
「それで済むなら、安い条件だな。お主から何かすることは条件に含まれておらんから、存外悪い条件でもない」
「するとは限りませんよ?」
「将来的に、何があるかわからんからの。王族も貴族も先を見据えなければならん。それを出来ない領主が……」
「中央もどきですか。法衣で役職無しは穀潰しですか?」
「副業をしている者は、そうでないがな。年金で暮らしている役職無しは、正にその通りだの」
「持ち回りの貴族もいるのでは?」
「そう言った者は貯蓄しておるし、小銭は稼いでおるからの。繋ぎはしっかりとやっておる」
「なるほど……。穀潰しは主に貴族派閥ですか」
「必要悪じゃよ。やりすぎなければ役に立つ」
「領地を与えれば、鞍替えしそうな者もいそうですね」
「精々、準男爵までしか来ぬよ。男爵以上は本物の貴族だからな」
「壁は厚い……ですか。いっそ、取り込んでしまえば良いのでは?」
「中央の力が弱まるのはいかんな。だからこその現状維持なのだ。それにまだ、武勲で上を目指せるからの」
「過ぎた提案でしたか。申し訳ありません」
「お主みたいに、ある程度聡い者が多ければ良いのだがな……。さて、準備もあるであろうし、この辺りで終わるとするか」
最後は雑談を交えて終了。
さて、春先の大お見合い大会に向けて準備しないとな。
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