設定集 人名(ウェザーズ)


★ウィンダニア=ジン=ハナラカシア


 ハナラカシア王国の王女。愛称はウィンディ。歳はレイネリアの少し上。国王ヒコイツセの唯一の実子にして、王位継承権第一位の次期女王。

 気品に満ちた檳榔子黒びんじょうじぐろの髪と瞳を持ち、王配を巡る諸侯の勢力争いに翻弄されながらも、達観した意思と重厚な包容力を漂わせる薄幸の美女。

 帝国軍による王都陥落に際し、サンデリカの献策により王妃や王弟と別れてシチウタ領へと逃れたことから、彼女の数奇な運命が幕を開けることとなる。

 愛称は風に関する英語の形容詞「Windy」より。



★サナリエル=トク=ディアテスシャー


 ディアテスシャー帝国の皇女。愛称はサニー。歳はレイネリアの少し下。帝位継承権に裏打ちされた絶大な権力を誇り、帝国の暗部に精通する稀代きたいの策略家。

 燃えるような銀朱の髪と瑠璃色の瞳を持ち、深謀遠慮に長けた無慈悲な支配者だが、何故かレイネリアのことを執拗に偏愛している。

 帝国領の入口で二人を出迎えた後、半ば強引に御幸に陪従するが、当の天人地姫は其方退そっちのけでレイネリアにちょっかいを掛けるため、ミストリアとは犬猿の仲である。

 カエレア将軍を唆してレイネリアを誘拐させ、またミストリアとの別離後は魅惑チャームの魔法で籠絡しようとするなど、彼女が空属性に目覚める切っ掛けを作った。レイネリア加害者の会代表。

 レイネリアのことを「ニー様」と呼び、また自身を「サニー」と呼ばせることに強く固執しており、事ある毎に妖艶に誘惑するも叶わずにいたのだが、空属性を会得し旅立つ彼女が感謝を込めてそれを口にしたことにより、図らずもその心境に変化を及ぼすことになる。

 愛称は太陽に関する英語の形容詞「Sunny」より。



★サンデリカ=レイ=ホーリーデイ


 レイネリアの実妹。愛称はサンディ。歳は彼女の四つ下。母親譲りの天賦の才を持ちながら、生まれと時期を間違えたと嘆かれる不遇の天才。

 レイネリアと同じ蒼みがかった銀髪と茶色の瞳を持つが、こちらは肩まで伸ばしているため齢相応な少女然としており、かつての母親の生き写しとも評されている。

 幼き頃よりレイネリアとミストリア、ホーリーデイ家と天人地姫の関係性をよく理解しており、過剰なまでの使命感から僅か十二歳にして家を出るという決断をしてしまう。

 父方の実家であるノミネア家の計らいにより、神に舞を奉納するサルメとして修行を始めるや驚異的な才能を開花させ、瞬く間に祭祀全般に関する知識や技術を習得していく。ノミネア家への縁組も検討されたが、自身がホーリーデイ家の一員であるという意識からかたくなにこれを固辞した。

 ノミネア家の影響により天人地姫への信奉が強く、ミストリアを辟易させることも多い。また、レイネリアからも心中が窺い知れないとあまり良い感情を向けられていないが、実は誰よりも彼女のことを敬愛しており、昔から変わらずお姉ちゃん子である。

 帝国軍が王都に迫り、宮中が未曾有の大混乱に陥る中、ノミネア翁を伴い王下三分の計を奏上。王女をシチウタ領、王妃をノミネア領、王弟をコトミナ領へと退避させることにより、王家の命脈を保つことに成功する。

 愛称は雷に関する古記英語の形容詞「Thundery」より。



★クラウディアナ=レイ=ホーリーデイ


 レイネリアとサンデリカの母親。愛称はクラウディ。王国の外交を担う洞察と折衝に長けたホーリーデイ家の現当主。

 娘たちと同じ蒼みがかった銀髪と茶色の瞳を持ち、よわい四十ほどにして未だ衰えぬ美貌とひいでた智力で国王を支える女傑。

 幼少期は自分に自信が持てずに思い悩んでいたが、共に育ったミストリアに関してだけは異様に鋭く、その事情もある程度までは打ち明けられていた。

 ノミネア家の庶子ミオミと密かな愛を育み、懐妊したことで御幸の陪従も王領までの僅かなものとなった。後にミオミと婚姻、レイネリアを出産したことで正式にホーリーデイ家の家督を継ぐ。なお、引く手数多な筈の彼女が何故ミオミを選んだのかは、王国七不思議の一つにも数えられている。

 ミストリアの胡蝶邯鄲ヴィニャーナにより、レイネリアが男児であった記憶を失っているかに思われたが、出立の際には路銀として正金貨しょうきんか百枚を用意するなど、実は把握していたのではないかとミストリアは推測していた。

 ツキノア兵の侵略行為を辨明べんめいすべく、国王やメイラ、モリヤ、オイワの三将軍と共に帝都へ赴こうとするが、途上のシュンプ平野で謎の敵集団により国王をしいされ、自身もまた暗殺されてしまう。

 愛称は雲に関する英語の形容詞「Cloudy」より。



★スノワール=レイ=ホーリーデイ


 レイネリアの祖先。愛称はスノウィ。かつて霊峰タカチホまで陪従し、ミストリアをして自身に比肩するとまで言わしめた天才魔術師。

 ホーリーデイ家では、父祖である空の天人アーカーシャと母祖である水の地姫スフィアの血が反発し合い、結果として魔法の才を持たない女児が生まれてくるが、例外的に後者のみを色濃く受け継いだものと考えられている。

 ミストリアのこれまでの経緯を理解し、共に宿願を果たすことを約束したが、何らかの事情により彼女のもとを去ってしまう。その記憶は彼女からも失われているが、確かに存在したという事実がある天啓をもたらすことになる。

 愛称は雪に関する英語の形容詞「Snowy」より。



★ストマリア

 北方大陸パンゲアの少女。愛称はストーミィ。五百年前の真実を伝える土の地姫。詳細不明。

 愛称は嵐に関する英語の形容詞「Stormy」より。

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