第五章 告白

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何故なにゆえ、このような事態になったのだ」


「わっ、私にも分かりません! 我が兵に限ってこのようなことは…!」


「しかし、現に起きてしまった。早急に辨明べんめいの使者を送るべきかと具申いたします」


「で、でしたらその役目は、是非私めに…」


「落ち着かれよ。当事者である貴殿に行かれては火に油を注ぐようなものではないか」


「左様、斯様かようなときこそ、弁舌に長けた者に任せるべきである」


「しかし、適任者の選定に時間を掛けてはおられませんぞ」


「これは異なことを言う。それなど、元より一人しか居らぬではありませんか」


「…なるほど、もっともであるな」


「し、しかし、危険すぎはしまいか」


「いえ、私が参りましょう。至急、朝貢品の手配をお願いできれば…」


「いや、我も行こう」


「な、なりません! 御身にもしものことがあればいかが致しますか」


「先に盟約を破ったのは我が方なのだ。我が行かねば治まらぬ」


「し、しかし…」


りにもってこの時期とはな…もしものときは、貴公らも分かっておろうな」


「……」


「私は王の判断に従います。我が一命に懸けて御守りいたします」


「では、私も御伴いたしましょう。道中は荒事にならぬとも限りませぬ」


「そうか、そなたが来てくれると言うなら私も心強い」


「それに王、御自おんみずからおいでになるのであれば、貴殿もまた来られた方が宜しかろう。いざとなれば、その首を差し出されよ」


「そ、それは…いえ、王命に従いますれば」


「その方もまた我が臣である。その忠に偽りなくば、左様な無体は申さぬ」


「では、急ぎ参りましょう。事は一刻を争います」




第五章 告白



王、紀、中、紀、土、蘇、中、物、蘇、土、火、王、中、王、中、王、全、大、物、大、紀、王、火

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