帰宅する悪役令嬢

ようやくのことで帰宅する悪役令嬢

心の支えを失ったピンクヒロインたちは、発狂して、そして、呆然と、そう、白く燃え尽きていた。

あーいうの、初めて見たわ。

あーでも、制服が結構アバウトな決まりになってたなんて驚きよね。


その翌日、悪役令嬢はそれとなく皆の制服を観察していた。

紺色のブレザー、そして、グレイのプリーツスカート。

胸ポケットの部分に刺繍が入っているのだが・・・・・

胸ポケットが無い女生徒がいる。

なんで?

「ごきげんよう、令嬢さま」

「あ、悪役令嬢様、ごきげんよう」

「一つ、聞きたいのだけれど、いいかしら?」

「はい、何の事でしょうか?」

「あなたの制服、校章の部分ポケットがないみたいだけど」

「あ、ああ、これですね、私入学したときから胸が大きかって、制服の胸ポケットがあっても、ほとんど何も入らないので、胸ポケットの無い制服を選びましたの。」

な!なんだってー!!

「まあそうでしたの、そんなことができるなんて、私全く思いませんでしたわ」

悪役令嬢は、ロケット巨乳令嬢をまじまじと見る。

「胸にポケットがあると、そっち側だけ当たって痛かったりしますよね」

「まあそうなの、私はそこまで大きくないから」

「私の叔父が制服の会社に勤めておりましたから、そ~云うのを教えてくださったのですの、胸ポケットがあって、そっちにペンや手帳を入れると、そこが圧迫されて痛いということで」

「それは良かったですわね、色んな意味で」


奥が深いぞ制服

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