第64話 なぜモテたいのか。誰にモテたいのか。


「ええやん、ええやん」言っていたコメントにて、江戸川ばた散歩さんより「何で男子はモテたいと思うのでしょうか?」とご質問頂きました。第45話 生き急げ、若者よ(https://kakuyomu.jp/works/1177354054893700544/episodes/1177354054897698615 )でも、乃々沢亮さんより「誰にモテたいですか?」と質問を受けましたので、今回はそれに答えたいと思います。


 これは男子代表の意見ではないのでご了承を。


 結論から言うと、モテたい理由は「幸せになれそう」だからで、モテたい相手は「これから会う(はずの)好意を持った人」ですね。その意味で不特定多数です。誰にでもモテたいわけじゃなくて、僕が「イイ!」と思った不特定の人にモテたい。それだけです。


 とはいっても、それが難しいんです。今まで好きになった人を鑑みても共通点ってあんまりないんですよね。みんな社交的ですが、コミュ力オバケとまでいかないですし。あ、強いて言うなら「足が速い」ですかね。うん。そういえば、今まで好きになった人は全般足が速かったです。


 しかし、足が速い人たちの好みなんて分からないので、不特定多数の好みにマッチする可能性を少しでも掻き集めたいわけです。「この人!」とビビッと来たとき、体型も良い感じに細くて、色んなレストランや料理を知ってて、レディファーストも出来て、スポーツ好きでさわやかなのに程よく変態で、音楽も嗜み、どこの国で手に入れたのかわからない面白い無駄知識で知性も発揮して、外人に道を聞かれても流暢な英語を駆使して親切心も披露できるくらいの人になれば、デートに誘えるかなと思いまして……。


「何も準備してない!!」ってなるとアタックもしにくいじゃないですか。よく言いますよね。「ありのままの自分を見せればいいんだよ」って。それ、婚活にふんどし一丁で行くようなものですからね。「清潔感」や「明朗さ」くらいは着飾らせて下さいよ。それが駄目ならせめてわき毛とおへそ周りくらいは整えさせて欲しいものです。「ありのまま」はアカン。


 ご存じかもしれませんが、僕は「石橋を叩き壊して、耐久力の限界を確かめたのち、別の構造の橋を架け直すも、叩き壊してみると強度的には特に変わらないことが分かって絶望するタイプ」ですので、一向に物事が前に進みません。早く橋を渡りたいのは山々ですが、何度橋を壊しても向こう岸まで渡せる構造が見つかりません。そうこうしている内に「良い石の音」や「好みの石の匂い」といった、役に立たない審美眼ばかり洗練されていきます。


 結局、僕がモテるためには溺れる覚悟が必要なんです。モテる人は橋を架けられる才能を持っていますが、僕にはない。じゃあ、死んでもいいくらいの勢いで川に飛び込んでやれ。と言うのが、辿り着いた結論です。


 でも、あと何回死んだらモテるんでしょうか。僕のライフはもうゼロなんですが。インセクター羽蛾も共感してくれることでしょう。もうこれは「他力本願するしかない!」と思って神様、仏様、友人や変態の助けを祈っています。


 という訳で良い縁談があればこちらのコメントにどうぞ。必須項目はあだ名と変態への許容度です。足の速さは任意で。アメリカの砂漠で良ければ会いましょう。道中は全て僕がアテンド致しますのでご安心を。但し、その場にいる変態にはご注意ください。

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