第18話 近況ノートはレコードショップに似ている


「近況ノートが面白ければ、本編も面白い」

 これは僕が信じている法則です。その心は既にもののけ姫を絡めて愛を込めて書いた(※1)ので割愛しますが、個人的に近況ノートは「店頭POP」のつもりで書いています。

 

 本編の前にぱらぱらと振りまいておいて、「おっ?!」と思った人をパクつかせる撒き餌です。あの大量のノートの波の中ではすぐに散り散りになるおかげで、気負わず好きなことを書けてしまい、とても本編には出来ない内容もあります。その場合でも、本編を読む前に変態酔いしないかどうか確かめるテスト文章なんだと思い込むようにしています。


 ただ、どちらにしても「琴線に触れること」。これが最重要です。

 これは皆さんのノートも一緒で、僕にとって餌でないものは流れていきます。


 更新報告は読みません。

 進捗報告も「頑張れ」で終わり。

 (自分宛てではない)お礼もサヨウナラ。

 

 目線はするするとうねる波の中を泳いでいきます。そりゃもう英語長文を読む時くらい流し読みです。もちろん頭には入っていません。だから、英文はまた読み直す羽目になります。近況ノートはそのまま広大な海の中へ還っていきますね。


 しかし、たまに視線を奪われるタイトルがあります。今も近づいて確認したくなる光り物がいくつか漂っていました。(3月12日夜9時現在)


 優しい人間を目指しています――千尋さん

 エッセイは観察する目から生まれるらしいよ――赤鯛たいちさん

 学ぶことをやめたら、死ぬ――泪-rui-さん


 良いですねぇ。

 僕はこんなタイトルを見つけるのが楽しみです。


 新着近況ノートには「雑多なモノの中から好みを見つけ出す喜び」があります。古着屋でサイズピッタリのシックなジャケットを見つけた時のような、書店や図書館でふいに手に取った本がめちゃくちゃ面白かった時のような、レコード店でたまたま視聴したアーティストが好みにドンピシャだったときのような――そんな喜びを、僕は近況ノートに求めています。


 本編、もしくは作者本人から伸びたしっぽ。モフモフのしっぽであれば思わず掴んでしまいます。少しでもモフモフに見せる仕掛けがあれば、Askewはすぐに掛かります。Askew釣り放題です。クサフグのように毒があるので、釣れても食えない、意味ない、可愛くない、の三重苦ですが、ぐっとこらえて海面に叩きつけリリースをお願いします。それすらもご褒美です。

 

 皆さんの色とりどりの餌を楽しみにしています。



 P.S.

 僕も工夫を施しているつもりなのですが、いかんせん文字数が少ないと必然的に濃度が上がる(※2)。本編に誘うための餌のはずが、食べたら痺れる毒餌になっていないか。それだけが心配です。




 ※1 とりとめのない思いの随に

 第103話 近況ノートが面白ければ必ず本編も面白い

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888425664/episodes/1177354054890669135


 ※2 かなり変態度が濃縮されたノートたち

 https://kakuyomu.jp/users/Askew/news

 特に「話すより文字にするほうが好きなんです。(略)」のノートはいっぱいコメント貰えて楽しかったです。

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