第166話 実戦に行こう
投稿期間がかなりあいてしまって申し訳ありません。皆さんも熱中症には気を付けてください。
**************************************
ゴーレムとの模擬戦が終わると、野営の準備と装備を購入してボブ達と共に黒魔の森へと向かった。ヘニッヒさんとクリス達にはそれぞれ“黒魔の森でひと暴れしてきます。明日の昼頃には戻ります。”という内容の書状を用意して衛兵さん達に届けてもらうようにお願いした。
ボブ達の装備は、僕みたいなフルプレートアーマーではなくて、胸甲と肘当、腰当、草摺、膝当のみの軽装だった。あとはそれぞれの得意な武器を選んだ。ジョージの格好もそうだったけど、致命傷を負うような戦場に行くときは無駄に重装にするよりも必要箇所だけを守る軽装の方が良いのかもしれないね。まあ、勉強すべきところではあるかな。
そんでもって、黒魔の森に入ったらすぐにグレイウルフリーダーのルプスがやって来た。僕は戦闘態勢を取ったみんなに周辺警戒をするように命令し、ルプスから情報をもらう。
「ガイウスよ、久しいな。時間が惜しい、本題に入ろう。ホーンベアが勢いを増しつつ南下している。偵察に出た者の話しでは500はいるであろうとの事だ。」
「南下はどのあたり?結構深い所かな?」
「うむ。ここから、ゆうに20kmは離れておる。しかも相手は移動している。こうして話している間にも距離が離れる。」
「う~ん、20kmかあ。放置しておくには微妙なところだね。ルプス達は攻撃は?」
「できるものか。あまりにも数に差があり過ぎる。」
「斥候をお願いできるかな?」
「それならば容易い。我が連れてきた者たちで事足りる。」
「よし、それじゃあ、500を超えるホーンベアを殲滅しに行こうか。ボブ達もいいかい?」
「「「「「「了解。」」」」」
「それでは、ボブ達が使い慣れている武器を【召喚】。」
すぐに魔法陣と光が現れ、消えた。【鑑定】するとM27IARという自動小銃とM1911というハンドガン、それにKa-Barナイフが人数分。M32グレネードランチャーとSMAWロケットランチャー、M249軽機関銃が複数。それと、色々と入っている背嚢。
ボブ達はすぐにそれぞれの装備を確認し、M27とM249につけるオプション装備とその他小物の【召喚】を求めてきた。僕はすぐにそれに応じて戦力を整える。装備を装着し終えたボブ達の格好は異様だった。何とも言えない威圧感がある。だが、彼らは味方だ。頼もしさも感じる。
「よし、目標までは
「小官が後方警戒に着きます。」
「わかった。人以外が見えたら撃て。逃げたら放っておくこと。向かって来たヤツだけ殺すんだ。いいかい?」
「了解です。閣下。新兵に戻った気分であります。」
「この世界では君たちはある意味で新兵だよ。海兵隊最上級曹長。では、行こう。ルプス頼む。」
「承った。」
ルプスの一吼えで前進を開始する。【空間転移】で一気にホーンベアの近くまで行ってもよかったけど、ボブ達の実力を見たかったからね。3級冒険者1人と同等のランクの魔物であるホーンベア。僕含めて11人で倒せるかな?楽しみだね。
んー、暗くなってきたねえ。【ライト】の魔法を使おうとしたら、ボブ達がヘルメットに四つ眼の何かを装着し出した。確か、GPNVG-18とかいうやつだったかな。暗視装置って【鑑定】では出ていたけど、まさか暗い所でも見ることができるのかな?
聞いてみたら
先頭を進んでいたルプスが立ち止まり、鼻を高く上げ何かを確認すると、僕たちに振り返り、
「気づかれたようだ。こちらに向かって来ている。」
僕はすぐに【気配察知】で確認をする。確かに赤色の反応の塊がこちらに向かって来ている。【遠隔監視】で視界の隅に映像も出す。うわあ、目が血走って口からは
「総員迎撃用意。思ったよりも早く接敵する。ルプス達は後方に退避しておいて。無理して攻撃とかしなくていいから。」
「わかった。」「「「「「了解。」」」」」
ルプス達はすぐに後方に下がり、銃を構えたボブ達が前進する。
「ボブ、敵の突進の勢いを削ぎたい。何か案は?」
「ならば、M32とSMAWを使用しましょう。これらは、広範囲の対象を殺傷しますので。その後はM27とM249で仕留めていきます。敵との交戦距離が50mを切ったら接近戦に移行します。」
「では、諸君ら海兵隊員はそれで。私は魔法と弓で遠距離戦を行う。」
「了解です。閣下。総員、遮蔽物に身を隠し迎撃用意。」
それぞれが武器を構える音が暗闇の森に響く。「距離1,000。」「距離900。」「距離・・・」僕がホーンベアの群れとの距離を告げていく。そして、「距離500。」と言った瞬間。
「SMAW発射!!」
ボブの声が響き、暗闇を赤い4本の矢が突き抜けていく。そして、約2秒後、爆音が森に響き渡り、炎が上がる。さあ、戦闘開始だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます