第159話 休日
今日は日曜日、休日だ。行政庁舎は休日対応窓口が開いているけど、僕は完全に休みだ。もちろん、何らかの緊急事態が起きたらその限りではないけどね。
朝食後にイオアンさんの所に戻るエレメーイさんを見送り、ストレス発散のために黒魔の森に入る準備を整える。服の上に鎖帷子、その上に革鎧、さらにその上にフルプレートアーマーを着込む。
「久しぶりに見たような気になりますわね。ガイウス殿のそのお姿。」
軽鎧に身を包んだクリスがそう言いながら近づいてくる。
「そうかな?」
「そうですわ。最近まではもっと軽装だったでしょうに。お忘れですか?」
「ああ、確かにそうだったね。フルプレートアーマーまでは着込まなかったかな。」
「それで、今日は皆さんとは別行動ということでしたけど、目的は何ですの?」
「いやあ、領軍に
「
「もちろん、ギルドでは別の依頼を受けるよ。」
「領主様に受けさせてくれたらいいですけどね。」
「さあ、どうだろうね。ギルドマスターには挨拶をしに行ったけど不在だったしなあ。まあ、何とかなるさ。ところで、ローザさん達はすでに?」
「ええ、ガイウス殿がエレメーイ殿をお見送りなさっている間に進発なさいました。16時ごろには戻れるくらいの所まで潜る見たいですわ。」
「それはそれは。どのような結果になるか楽しみだね。さて、僕たちも行こうか。っと、その前に【ゴーレム生成】。」
【土魔法】で数体の騎士型のゴーレムを作る。
「彼らは僕の魔力を
そういうわけで、ニルレブの町に行く前に門番さんにゴーレムの使い方を説明する。そして、書き物を渡す。これで準備は大丈夫。クリスと2人、門番さんとゴーレム達に見送られながらニルレブの町も北門を騎乗して目指す。
北門には馬を駆けさせたこともありすぐに着いた。貴族特権で入門検査の列に並ばずに町へと入る。そのまま冒険者ギルドに向かって、適当な
現在時刻は午前9時30分過ぎ。今日中に
目の前の風景が
「クリス、足元に気を付けて。滑落しないようにね。」
「はい、ガイウス殿。しかし、上にも気を付けた方が良いかと。」
「ああ、そうだね。」
視線を足元から空に向けると、複数の
「お前たちの、この群れの
「さあ、早く呼んできてもらおうか!!」
言葉に少しの殺気を乗せて伝える。すると、さらに動揺が走る。あれ?逆効果だったかな。そんなことを考えていると、
「静まれ!!殺気を当てられたからと言って動揺するな!!この人間が我らを殺すつもりなら既に我らの命は無いわ!!すまんな。人の子よ。」
他の
「いや、僕たちは気にしていないから、そちらも気にしないでほしい。あなたがこの群れの
「いかにも。我がこの群れを統率しておる。それにしても“
「ふむ、普段は何と呼ばれているのか聞いても?」
「ただ、たんに
「単純明快でいいね。名は無いの?」
「無いな。」
「ふーん、そっかー。ちなみに僕はガイウス。彼女はクリスティアーネ。あ、そうだ。僕と彼女が此処に来たのは君たち
「我らをお主の
「正確に言えば、僕の
「断れば、どうなる?」
「他の群れに聞きに行くかなあ。」
「・・・ふむ。1つ質問をよいか?」
「どうぞ。」
「つい最近まで、ゴブリン、コボルト、オーク、ロックウルフ共の大規模な集団がいたが、全て消えた。これについてお主は何か知っているか?いや、関わっていたか?と聞いた方が良いな。」
「あー、うん。それのことかあ、一応、僕が中心となって全て殲滅したよ。」
「上位種も居たと思うが、それらもか?」
「そうだよ。」
「・・・わかった。従おう。しかし、約束は
「「「
「それほど、驚くことでもあるまい。強者の
さわぐ周りの
「お主の
「わかったよ
「うむ、これより我が名はヘラクレイトスだ。さあ、ガイウスよ、
「ここより、北西のほうに全員で移動する。ヘラクレイトスは僕とクリスを乗せること。飛べない者は?いない?孵ったばかりの子たちも大丈夫?ならば、よし。では、出発!!」
数十匹の
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