第60話 VSロックウルフ(おかわりもあるよ)
「これで、15体目。」
ロックウルフの頭部をソードシールドで刺し潰す。すでに戦闘が始まって、30秒を過ぎている。クリスティアーネ達の所には苦戦しない程度に、ロックウルフを素通りさせている。それ以外は僕が動く壁となり、1体さえも通していない。彼女たちの周囲には、10体のロックウルフの死体が転がっている。良いペースだ。
ここで【気配察知】に引っかかる集団が現れた。ロックウルフの群れがやってきた“黒魔の森”の深部の方からだ。今度は100体ほど。移動速度的に2足歩行の
もしかすると、罠に
僕は、36体目のロックウルフを槍で刺し殺し、【風魔法】で一度、目の前のロックウルフたちを遠くに吹き飛ばし、クリスティアーネ達の所まで跳ぶ。
「どうかされましたか?ガイウス殿。」
「うん。どうも100体前後の魔物が接近中でね。移動速度が結構早いから逃げても追いつかれる。だから、此処で迎撃しようと思うんだけど、どうかな?」
「結局、今やっていることと同じことするだけなんでしょう?私は大丈夫よ。」
「私もまだいける。魔力には余裕がある。」
「
「もちろんだよ。クリスティアーネ。それじゃ、此処で今と同じように迎撃という事でお願いします。」
僕はそう言って、前線に戻る。【風魔法】で吹き飛ばしたロックウルフ達が牙を剥き、爪を立て襲い掛かってくる。それを、チート全開で全部仕留める。これで、僕の方は終わりかな。全部で46体を倒した。クリスティアーネ達の方は、あと2体のようだ。結局、先遣隊?は58体だった。すぐに、偽装魔法袋に死体を【収納】する。その間に彼女達も残りの2体を仕留めた。それも【収納】する。
さて、【気配察知】では接敵まであと3分ないくらい。移動速度が上がったように感じる。今のうちに、装備の確認と水分補給をするように指示を出す。僕は、ソードシールドと槍を地面に突き刺し、弓の準備をする。さあ、もう少しで僕が視認できる距離だ。・・・視えた!!ロックウルフだ。瞬間、【風魔法】を
結局、弓矢で仕留められたのは23体だった。残りの80体近くが突っ込んでくる。さて、殺しの時間だ。華麗に舞うようにとはいかない。ただ、槍を突き立て、ソードシールドで押し潰す。ちなみに、短槍とソードシールドの穂先には【魔力封入】をし、【火魔法】を
【風魔法】を
さてさて、僕が対峙しているロックウルフの生き残りも20体を下回っていた。じりじりと後退している。逃がすつもりはないよ。ユリアさんの【風魔法】の障壁を見よう見まねで作る。急に現れた見えない壁に驚いたのか、ロックウルフ達は動揺している。いけないなぁ、戦いの最中に集中力を切らすのは。ほら、もう5体も仕留めた。残りは12体か。クリスティアーネ達のほうは4体。援護はいらないだろう。
さあ、残りも仕留めるかと体に力を入れると、生き残りのロックウルフ達が吠え始めた。これは遠吠え!?嫌な予感がして、30秒とかからず12体を仕留める。しかし、遅かったようだ。【気配察知】がこちらへ一直線に迫って来る集団を捉えた。さっきの遠吠えで応援を呼んだんだろう。しかも、気配的に500~700体はいる。さらに
クリスティアーネ達も最後の1体を仕留めた。さて、まずは、死体の回収だ。40秒程度でちゃちゃっと【収納】する。そして、今こちらに接近している新しい集団について彼女たちに説明をする。息が少し乱れてきている彼女たちは、迫って来るロックウルフの数に顔を青くしながらも「まだ戦える。」と言ってくれた。けど、帰りのことも考えると、これ以上彼女たちに無理をさせられない。そう考えた僕は、彼女たちの10m四方に高さ30mの鋼鉄の壁を召喚した。これで、彼女たちは守れる。クリスティアーネが、
「ガイウス殿!!
と言ってきたけど、僕はそれを「却下。傷つく姿は見たくない。」と言って、その場を離れロックウルフの集団へと向かって行く。嗚咽が聞こえるけど、ここは心を鬼にして無視する。さあ、ロックウルフたち、人間の本気、見せてやるよ!!
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