「桜の宮」奇譚 碧落の果て

作者 花田春菜

叶わぬ愛情が幾重にも重なり、やがて辿り着く碧落の果て

  • ★★★ Excellent!!!

削られた。いろいろ削られた。おもに精神とかそういうやつが。

平安を彷彿とさせる世界観ですが、古語満載だったり時代がかった言い回しだったりということはありませんので、どうぞ皆様もお気軽にこの桜の宮へお入りください。

七つも年上の殿方を養子に迎えることになった桃姫。掟に縛られた窮屈な貴族の宮で、それでも明るく、やや型破りに生きる姫君です。

養子予定の陵駕さんは、早い話……出来る男。頭が冴えてユーモアのセンスもなかなか。ちょっと桃姫をおちょくる傾向にありますが、そこも彼の魅力。

このふたり、どんな親子になっていくのかしら。なるほど、ほのぼの宮中もの!



――じゃない!!

導入からは考えられないほど、ガラガラと音を立てて崩れていく。落ちていく。

許されぬ愛に、届かぬ想いに、そして親から子への愛深さゆえに。

美しい桜の宮で、まさに魔が生まれる。渦巻く人の感情が揺れる様が丁寧に丁寧に描かれるたびに、『鬼畜! 作者様鬼畜!』と叫びたくなります。

皆様も最後の最後まで、なんてことだ!と呻きながら一気読みなさってください。

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