第201話 衛兵隊隊長マイル

俺達はギルドを出た後、剣聖ルイのお勧めのうどん屋さんで昼飯を食べた。


手打ちのうどんを、温かい肉汁につけて食べるタイプで、とっても美味しくいただきました。


さて、どうしよっか。

もう、オトキ帝国に行っちゃうか。


なんて思ってたら、衛兵達が駆け寄って来た。


「おお! タクミさん、ここにいたのかぁ!」


確か衛兵達体長のマイルだったか?


「マイルさん、何かご用ですか?」


「私では無いのですが、マサイタ王国の将軍ザニイ閣下が、是非お会いしたいと言われておりまして、王城へお越しください。私がご案内します」


なんか、当然の様に俺が王城に行く事になってるなぁ。


「断る。『用があるならそっちから来い!』と言ってたと言っておけ」


そう言って俺はマイルの横を通り過ぎる。


「待ってください。どうか、ご同行ください。タクミさんを連れて行かないと、私が怒られます」


「はぁ? あんたが怒られようと、殺されようと、俺には全く関係ない。そんな理由でついて行かないぞ」


こいつ、馬鹿かぁ?


俺達は歩き出す。


「やむを得ませんね」


マイルと数人の衛兵は剣を抜いた。


「すいません。無理矢理でも連れて行かないといけないのです。少なくても、やれるだけやった結果じゃないと納得して貰えません」


ゴクリっ……。


生唾をのみ込み震える手で剣を構える衛兵達。


ふむ、負けるのを承知で向かってくるきか。


「剣を抜いたら、殺されても文句は言えないぞ。そして、俺に剣を向けたと言う事は、この国が俺に喧嘩を売ったと判断するが良いな」


「国が?」


「マイルさん、止めておきなさい。タクミ様はドラゴンスレイヤーであり、デーモンスレイヤーでもあります。つい最近マヒロシ王国も下しました。下手に手を出すとマサイタ王国も潰されますよ。もとマサイタ王国の国民として、見ておれません」


剣聖ルイが割り込んで来た。


「ルイ! また余計な事を言いやがって、俺は相手を見て態度を変える奴らが大嫌いなんだよ。俺が弱かったら、何もしてないのに、無理矢理拘束して、王城に連れて行く気だったんだろう、強かったら見逃すのかい?」


「でも、それは普通の事では、無いですか? 実力を隠して騒動の種を蒔いてる様にしか見えません」


「ルイー、タクミ様に不敬ですよー」


ノワが眉を顰めてルイに注意する。


「まあ、取り敢えず此奴らは、俺に剣を向けた。ただでは済ませられないなぁ」


俺はアイテムボックスから雷の杖を出して、マイル達に雷撃を放った。


「ぐがっ……」


白目を向いて気絶するマイル達。


「ノワ、闇の触手で此奴らを連れて来い。喧嘩を買ってやろうじゃないか。将軍にも会ってやる。ついでに王城は跡形無く吹き飛ばしてやる」


「はーい」


ノワは魔王の本を出すと、闇魔法を発動し、衛兵達の片足を闇の触手を絡めて、空中に逆さに吊り下げた。


「よし、そのまま連れて来い。王城に行こう」

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