第167話 ツハママ公爵

城の前で騎士隊が俺達を迎撃する準備をして、待ち構えていた。


俺達はヒッポグリフに乗って、気にせず前に進む。


「弓隊!矢を放てぇ。魔法隊は呪文詠唱開始だ!」


騎士は俺達を見ると攻撃を開始した。


矢が雨の様に降り注ぐ。


俺は後ろにいる、ジャイアントハーフの聖騎士リンを見る。


「大丈夫ですよ」

とにっこり笑い、『聖騎士の守りパラディン・ガード』を発動した。


矢は『聖騎士の守りパラディン・ガード』に弾かれる。


俺達はそのまま速度を変えず進む。


「なにぃ! 矢が全く通じないとは……」


「ええい、魔法を放てぇ!」


騎士隊から炎の魔法が放たれた。

しかし、『聖騎士の守りパラディン・ガード』には通じない。


俺達は騎士隊に近付いて行く。


「ああああ、近付いてくるぞぉ。」

「国王陛下をお守りするのだぁ!」

「槍を構えろぉ! 抜剣!」

「槍隊突撃ぃいいいいいい!」


やっと矢と魔法が終わったか。


俺が時を止めようとしたら、ブラックジャガー獣人のノワが、俺の横に来た。


「私に任せてくださーい」


「ん? じゃあ、任せたよ」


影槍シャドー・ランス


ノワが叫ぶとヒッポグリフとノワの影が騎士の槍隊に伸びる。


影から黒い槍が突き出て、槍隊を貫いた。


ブシュッ!ブシュッ!ブシュッ!ブシュッ!ブシュッ!ブシュッ!ブシュッ!


「ぎゃああああああああ!」

「なんだぁ!」

「闇魔法かぁ」

「ぬぬぬ、剣士隊進めぇ! 総員突撃ぃ!」


何だか面倒になってきた。


「飛ぶぞ!」

俺の言葉に、


「「はい」」

ノワとリンが返事をする。と同時に、


「「「ピィヤアアアーッ!」」」

3頭のヒッポグリフも返事をした。


3頭のヒッポグリフが羽ばたいた。


「ああ!飛んだぁ」

「ぼさっとするな! 弓隊構え!準備出来た者から矢を放てぇ!」


聖騎士の守りパラディン・ガード!」


矢は聖騎士の守りパラディン・ガードに弾かれていく。


「くぅ、城に入られた」

「追ええええええ!」


俺達は城の壁を飛び越えて、バルコニーに降り立つ。


窓を魔王の手甲を着けた右手でぶん殴る。


パリーーン!!ガシャーン!!


窓を壊して中に入ると壮年の貴族が驚いて、こちらを見た。


「な、何者だぁああああ!」


「俺はタクミだ。お前こそ誰だ?」


「不審者がぁ。な、なにをぉ、不敬なぁ、儂はツハママ公爵じゃ」


部屋のドアを開けて騎士が2名入って来て、ツハママ公爵の前に庇う様に出る。


「ほう、公爵かぁ、その歳でその顔だと先王の兄弟か?」


「むむ、そ、そうじゃが……」


「国王キオーガのいる場所に案内しろ」


「はぁ? なにを言うのじゃ、もうここから出ていけぇ! こいつを放り出せええええええ!」


ツハママ公爵の前にいた2人の騎士が、剣を抜いて震えながら構えた。


俺達の後ろに3頭のヒッポグリフもいるからね。


「こ、ここを出ていけ!」


「お前らがな。」


ドカッ!! バコッ!!


俺が右の騎士を殴り飛ばすと、リンが左の騎士を単槍を展開し槍で叩き飛ばした


「さて、案内して貰おうか」

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