第127話 冒険者にお仕置きした
俺達が冒険者ギルドにて受付の列に並んでいたら、前に並んでいた冒険者に難癖を付けられた。
「おいおい、俺達が並んでいるのに、後から来た癖に優遇されるのかぁ! お前等何様だぁ!」だって。
意味が分からんし。
「おい!タクミ様に向かって無礼だぞ!」
ルイが冒険者に何かしようとしたので止めた。
「まあ、ちょっと待て。俺にじゃ無いだろう。」
そして俺は受付嬢を見て、
「何かクレームがあるみたいですよ。俺達は先に解体所に行ってくるから、後からで良いよ。」
と言って、解体所に行こうとした。
「待て!何を言ってるんだ!お前に言ってんだぁ!」
俺の腕を掴む冒険者。
腕を振り払う俺。
「俺に?何故?俺は列に並んで順番待ってたよ? 声を掛けてきたのは、この受付の子だから、俺は何か言われる覚えは無いぞ。」
「ミ、ミトナさんは、何も悪くない!美しい女性を3人も連れやがって、このクソ野郎ぅ!」
ふ~ん、この受付嬢の名前がミトナさんなのね。
「いいか、お前は黙ってそこで見てろ!」
俺に黙ってろってどう言う事?
「お嬢さん達。こんなひょろひょろの頼りない男とは別れて、俺とパーティーを組みましょう。」
ああ、そっちか。列で並んでたのを抜かされたのはきっかけで、女性3人と一緒にいるのに、受付嬢にも親切にされてるのが気に食わないと・・・。
バッゴオオオン!!
ズシィッ!!
魔王の手甲を付けた拳が火を噴く。
顎に強烈な右フックと、返しに左のボディブロー。
意識を失い、膝の力が抜けて崩れ落ちる様に倒れる冒険者に、死なない程度にローキックをコメカミに入れた。
ドカッ!ゴロゴロ、ガコン!
横に蹴り飛ばされた冒険者。
冒険者は痛みで意識が戻ると、魔王の手甲で殴られた顎と腹部の痛みが、沸き起こる。
「ぐふぇ!んぐふっ!いていてぇ。」
一瞬の事で目を見開き見ていた冒険者の仲間達が騒ぎ出す。
「ワカナザ!大丈夫か?」
「おい!仲間に何しやがる。」
「てめえ、許さん。」
ルイと目が合う。
ルイは俺を上目遣いで見て「今度は良いですよねぇ。」って顔をしていたので頷く。
ルイは鞘のままの剣を出して、俺の襟首を掴もうとした冒険者の右腕を、剣で受けから叩き折った後、横に払って叩き飛ばす。
ドカッ!バゴッ!
受付嬢のミトナも冒険者達と俺の間に割って入り、冒険者達に叫ぶ。
「止めてください!」
「ミトナちゃん退いてくれ。冒険者は舐められたらお終いなんだ。」
ルイに剣で叩かれた冒険者達が、ミトナを無理矢理押し退けて前に出て来る。
それぐらいでお終いになるなら、始めからからんでくるなよ。
ルイが俺と冒険者達の間に割り込み威嚇する。
「貴様らぁ!タクミ様に無礼だぞぉ!私はAランク冒険者のルイだぁ!文句があるなら、私に掛かって来い!!」
周りにいた冒険者達がザワザワと騒ぎ出し後退る。
「Aランク冒険者のルイ・・・。」
「剣聖じゃねえか。」
「マジか!」
「やべぇんじゃね。」
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