第115話 ミーズ村 に行った

俺とジャイアントハーフの聖騎士リンと、ブラックジャガー獣人のノワと、Aランク冒険者である剣聖ルイの4人はミーズ村に着いた。


木製の柵で囲まれた小さな村の入口には、門番?が一人革の鎧を着て、槍を持ち立っていた。


「今晩は、この村にどんな用事だい?」


門番の男が俺達に訊ねる。


俺達は冒険者証を提示した。


「俺達は冒険者です。近くの森に狩りに来たのですが、この村に宿はありませんか?」


門番は俺達をジロジロ見た後。


「ふぅん。怪しくは無さそうだなぁ。無作法でごめんよ。盗賊が出る事もあるからな。宿は無いけど商人が泊まる為の家がある。まあ、入りな。」


「いえいえ、盗賊の確認は大事な事ですから気にしてませんよ。」


「ああ、始めに村長の家に行ってくれ。村長の許可を貰わんと、家を貸す事が出来ないのでな。村長の家は中央の大きな家だ。」


「分かりました、有り難う。」


門を入ると村の中央に大きな家が見えた。


分かりやすいな。


俺達は村長の家を目指して歩いた。


村長の家に着くと玄関でノックして、大声で村長を呼んだ。


「今晩は!すいませーん。」


誰も出てこないので玄関の引き戸を開けてみた。


鍵が掛かっていない。無用心だなぁ。


「誰じゃい?」


奥から村長と思われる爺さんが現れた。


俺達は冒険者証を見せて村長に説明した。


「俺はタクミと言います。森に狩りに来た冒険者です。今晩この村に泊めて欲しいのですが、良いでしょうか?」


「私はリンと言います。」

「私はノワ。」

「私はルイです。」


「おお、Aランク冒険者じゃないかい。こんな村に良く来てくれなさった。儂はこの村の村長のキタカツじゃ。村の宿泊用の家に泊まりなさい。」


「有り難う御座います。助かります。」

とルイはお礼を言った。


「孫娘に案内させよう。トキョー!トキョー!」


孫娘トキョーが奥から出てきた。


「あら、お客さん?」


「村の宿泊所に、この方達を案内して差し上げなさい。」


「はーい。こっちよ。」


トキョーは草履を履いて玄関を出てきた。


俺達はトキョーに案内されて、来た道を戻る。


宿泊所は門の近くの一軒家だった。


門番がトキョーに声を掛けて来た。


「トキョーちゃん、ご苦労様。冒険者の方々も村長さんに許可を貰えて、良かったねぇ。」


「はい。色々有り難う御座います。」


「いえいえ、俺は何もしてないよ。」


「トキョーちゃんも有り難うね。お駄賃をあげるよ。」


俺はトキョーに銀貨を1枚あげた。


「有り難う。」


トキョーは満面の笑みでお礼を言うと家に戻って行った。


門番も警備に戻り、俺達は宿泊所に入った。


宿泊所は田舎の木造の一軒家だ。


煎餅布団が数組用意されていた。


「ノワ、何か怪しい様子はあったか?」


「特に無かったなー。怪しい魔力も無いしー、隠れているモンスターもいなかったよー。」


「そっかぁ。取り敢えず今日は夕飯食べて、寝るか。」

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