第71話 ダンジョンを出た
俺はダンジョンコアを手に入れて、ホクホク顔でダンジョンマスターの部屋を出た。
ジャイアントハーフの聖騎士リンと、ブラックジャガー獣人のノワ、狐獣人の薬師ババも後に続く。
ボス部屋の帰還の魔法陣から、ダンジョンの外に帰る事にした。
「じゃあ、ババ、色々有難う。」
「此方こそ良い経験をさせて貰ったのじゃ。各種薬の素材も大量に手に入ったし満足じゃ。」
「ババ、私からも感謝するわー。料理と錬金の腕も上がったので、今後の旅も問題無いよー。」
ノワはババにハグしている。
「そろそろ行くぞ。」
帰還の魔法陣に乗ってダンジョンの外に出た。
そこには騎士が数人待ち構えていた。
「タクミ様ですね。」
「そうだけど?」
「領主の館で、レク王子がお待ちしていますので、ご同行願います。」
「面倒臭いなぁ。断るよ。」
「な、何を言ってる?」
「今、ダンジョンから戻ったばっかりだぞ、疲れてるに決まってるだろう、失礼にも程がある。」
俺の剣幕に後退る騎士。
「し、しかし王族のお誘いを断る事は出来ないぞ。」
「しかしもかかしも無い。行かないって言ったら行かない。」
「数日後、また誘いに来る。」
「それも断る。必要な時に俺の方から会いに行く。レクにそう言っておけ!」
「不敬な!王子の名前を呼び捨てにするなんて!」
「ほう、だったらどうする?不敬罪で捕まえるか!」
「うぬ、タクミ様の実力は聞いている。実力行使は出来ないのは分かってるので、この場では捕まえる事は出来ないが、王子と領主には報告させて貰う。」
「ご自由にどうぞ。俺達は宿に帰るから、そこをどけ!」
騎士達は苦虫を噛み潰したような顔をして、左右に退ける。
俺達は騎士達の中央を通って歩いて行く。
「隊長、あんな事言わせて言いんですか?」
「隊長が行けないなら、俺がやります。」
「待て待て、瞬殺されるぞ。」
「そんな、小僧如き叩きのめして、生意気な事が言えないぐらい教育してやりますよ。」
「馬鹿言うな、高位の悪魔を瞬殺する人だぞ。」
「え!高位の悪魔を?」
「そんな事出来るはず無いでしょう。騙されてますよ。」
「俺もレク王子も現場にいてこの目で見てる。」
「えええええ!ヤバいじゃないですかあああ。」
騎士達のヒソヒソ話が聞こえてくるが無視だ。
暫く進むと、ババが立ち止まる。
「この辺りでお別れじゃ。私は店に戻る。」
「おう、またな。」
「ところで、タクミ様は王族や領主と平気で対立しているが、私はただの平民じゃから、暫く身を隠すのじゃ。」
「ん、そうだね。御免、そこまで考えて無かったよ。もしよかったら、隣国に俺の領地があるので、そこに来て貰えないか?」
「領地?タクミ様はいったい何者じゃ!」
「ノワ、説明してね。」
「良いよー。」
と言うことで、ノワに詳細を説明して貰って、ババは牧場に行くことになった。
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