第67話 VSアンドロマリウス

俺達は迷宮都市リトットにあるダンジョンの、地下10階に到達した。


待ち構えていたサキュバスと、魔王ソロモンの72柱の一人である、高位悪魔のアンドロマリウス。


サキュバスに魅了されたレクと騎士達と冒険者達が、俺達に襲ってきた。


俺は時を止めた。


アイテムボックスから聖剣を取り出す。


サキュバスがジャイアントハーフの聖騎士リンと戦っている、その横を抜けてサキュバスに後ろに回る。


サキュバスの首を刎ねた。


ついでにアンドロマリウスの首も斬り落とす。


元の位置に戻り、聖剣をアイテムボックスに収納した。


時を動かす。


ブシュッ、ブシュッ!


ゴロン、ゴロン・・・。


サキュバスとアンドロマリウスの首が落ちた。


ドタッ!


サキュバスの身体が倒れる。


「え!」

「俺達何やってたんだ?」


ブラックジャガー獣人のノワと、戦闘中であるレクと騎士達と冒険者達が正気に戻る。


ノワのナイフと剣を合わせていた騎士が、ノワに蹴り飛ばさせる。


ドカッ!


ズダンッ!


「ぐふっ、いてててて。」


「あー、正気に戻ったみたいだねー。」


ノワは悪びれる様子もなくレク達に言うと、ナイフをしまった。


狐獣人の薬師ババは俺の横に移動してきた。

「流石タクミ様じゃ。いつ倒したのか分からなかったのだ

じゃ。」


レクも俺に近付く。

「申し訳ない、魅了されてた様だ。」


「油断するな!」

俺は叫ぶ。


首を斬り落とされたアンドロマリウスの身体は、血を流しているが、倒れず立っていた。


死んでいるなら倒れないはずが無い。


俺はアンドロマリウスを睨む。


「どうしたのじゃ?」

ババは首を傾げる。


「何だ何だ。」

レク達は俺の声でビクッとした後、キョロキョロ周りを見渡す。


リンとノワは前を向いて身構える。


「あはは、よく分かったなぁ。」


転がったアンドロマリウスの首から、声が聞こえた。


首が転がり俺達の方を見た、そして宙に浮くと、首が無くなったアンドロマリウスの右手が首を掴み、元の場所に戻す。


「驚いたよ。私が首を斬られるとはね。何のスキルか興味があるねぇ。まるで聖剣か聖槍で斬られた様だ。」


アンドロマリウスは平然として、自分の首を元に戻し、俺達を見回す。


「だ・れ・が、私の首を斬ったのかねぇ。人族如きが作った剣では、傷すら付けられないと自負しているのだがね。」


「ババ、悪魔を殺すにはどうしたら良い?」

俺は小声でババに聞いた。


「身体の何処かにある核を壊せば良いのじゃが、高位の悪魔は身体の中の核を自由に動かせるので、難しいのじゃ。」


鑑定でアンドロマリウスを見ると、確かに身体の中をゴルフボール程の大きさの物が、動いていた。


あれが核だな。


「そこ!私の話し中に無礼だぞ。」


アンドロマリウスは右手の手の平を俺達に向ける。


手の平から黒炎の玉が飛び出した。


「させん!」


ヒュウウウウ!ドカッ!!


リンが俺の前に進み、盾で黒炎の玉を弾く。


「ほう、聖騎士だね。君が私の首を斬ったのかな。」

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