第62話 スプリガン

迷宮都市リトットのダンジョンを攻略中の俺達は、モンスターと冒険者達が戦っているところに進む。


「ケケケケ、シネー!」

「ケケケケ、コレデモクラエ!」


モンスターはイビルアイ2匹とインプ3匹。


「おい、インプを何とかしろ!」

「ダメだ!前衛が痺れてやがる。」

「交替だ!」


痺れた前衛を後ろに運んで、前衛を交替して戦う。


インプの魔法を盾で防ぎ、後衛の魔法や弓がモンスターを襲う。


戦っているのは、冒険者5人と騎士5人。


「ん!」

見た事がある顔・・・。

第三王子レクだ。


レクの騎士と冒険者がモンスターと優勢に戦っていた。


そこに前方より黒い二つの影が走って来た。


上空にはインプが数匹飛んできた。


「新手が来たぞ!」

「気を付けろ!」


黒い影はドワーフみたいだ。

身長は子供ぐらいだが、手足が短く顔が大きい、体格が良い筋肉質の身体で黒っぽい皮膚の短髪の男。


近づく度に身体が大きくなり、2mを越えた影が、飛び上がってハンマーを振り上げる。


「スプリガンじゃな。」

狐獣人の薬師ババがボソッと呟く。


ドゴッオオオン!!


スプリガンはハンマーで騎士を盾ごと叩き飛ばす。


「グハハハ!シネシネ!」

「グハハハ!ウォーリャ!」


「ぐああああああ!」

「ぐふっ。」


そこからは一方的な展開で、スプリガンの猛威は止まらない。


新手で加わったインプ達も、スプリガンの脇から飛び出し、鋭い爪で飛び掛かり、上空からは魔法を放つ。


総崩れになった冒険者と騎士達。

後ろを振り返ったレク王子と目が合った。


「タクミ様!」

厭な予感がするぞ。


「助けてくださ~い!」


俺のところにまっしぐら走って来るレク、後ろから冒険者と騎士達も駆け寄って来る。


当然その後からモンスターも迫って来る。


「グハハハ!マテエエエ!」

「グハハハ!ニゲルナ!」


しょうが無いなぁ。

「リン、回復後、前衛を頼む。」


「はい。」


ジャイアントハーフの聖騎士リンは範囲回復の魔法で、レク達を回復すると、擦れ違う様に前に進む。


俺は雷の杖をアイテムボックスから出して、サンダーショットをイビルアイに放つ。


轟く雷鳴と目が眩む閃光。


ゴロゴロゴロッ!!


イビルアイは落下していく。


ドタッ、ボトッ、ゴトン!ゴトン!


雷の杖をアイテムボックスにしまい、マグマの杖を出す。


「ノワ、行くぞ!」

「はーい。」


俺とブラックジャガー獣人のノワもレク達の間を縫って前に出る。


リンはスプリガンのハンマーを盾で受け流して、剣で斬りつける。


もう1匹のスプリガンがハンマーでリンの剣受ける。


「リン!突き飛ばせ!」


リンはシールドバッシュで1匹のスプリガンを突き飛ばすと、もう1匹を蹴り飛ばした。


ドカッ!ボスッ!

「グフッ!」

「グホッ!」


俺は最前線でマグマの杖から炎を放つ。


遅れて来たインプ達は炎を見て宙で止まる。


マグマの杖をアイテムボックスに入れて時を止める。


アイテムボックスから聖剣を出して、スプリガンとインプ達の首を斬り落としていく。


聖剣をアイテムボックスに収納後、元の位置に戻り時を動かす。


モンスター達の首が落ちていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る