第54話 Cランク冒険者ファルゴ
俺達はダンジョンに入ろうとしたら、門番にDランク以上の冒険者じゃないと、入れないと拒否された。
そして後ろに並んでた冒険者と口論になった。
「お前?おいおい、Eランクのゴミがあああああ!口の利き方がなってないなあああ!!。俺はCランクのファルゴだ。ファルゴ様と言えええええ!」
「お前Cランクなのか?」
「だ・か・ら!ファルゴだああああ!
良いから、Eランクのゴミは退けえ!
ババアと小僧はサッサと消えろおお!
女性2人は一緒にダンジョンに入って遣っても良いぞ。この際だから俺達のパーティーに入りな。」
「随分な言いようじゃな?」
と眉を顰める狐獣人の薬師ババ。
俺は魔王の手甲を装備している。
ダメージ数倍、痛さ100倍の優れ物だ。
シュッ、バシッ!!
俺は予備動作無しの左ジャブで、ファルゴの鼻を叩く。
鼻血がドクドク流れる。
ズバシッ!!!
顔が後に反り、痛さで思えわず眼を閉じたファルゴの顎に右ストレートを叩き込んだ。
ズダアン!
もんどり打つファルゴ。
ファルゴが瞬きする間もない一瞬の出来事。
「ふぐぁ、いででででええええ!」
ファルゴは鼻を押さえて蹲る。
「こんな弱っちいボケがダンジョンに入れるのに、俺達は入れないのかね?俺達はCランクより強いぞ。」
門番に詰め寄る。
「い、いや決まりなので・・・。」
「俺より強いと思う人おおおおおお!俺と戦おうぜ。」
俺は列に並んでる冒険者達に声を掛けた。
「ええ!遠慮致します。」
「第三王子の護衛隊長を素手で倒す人と、戦う人はいないと思います。」
「え?あの護衛隊長を?」
「あの人達はミヤキザ王国の王都のギルドマスターと、サブマスターも叩きのめしたっていう噂だぞ。」
「ええええええ!」
列に並んでいた冒険者達はヒソヒソ話をして、皆尻込みしている。
「すいません。勘弁して下さい。」
ファルゴを介抱している、恐らくはファルゴの冒険者パーティーの仲間と思われる、冒険者も頭を下げて許しを請う。
「許可しなくても押し通るが、どうする?」
俺が門番を威圧すると、門番は怯えながら答えた。
「冒険者ギルドには、報告させていただきます。」
「報告したら良いさ。さあ、行くぞ。」
俺達はダンジョンの周りを囲む砦の中に進んだ。
「待て!」
ファルゴは鼻血を出している鼻を押さえながら立ち上がった。
「貴様ら~、ただじゃ置かないぞ!」
俺は振り返りファルゴを見る。
「だったらどうする?」
「殺してやるううううう!」
ファルゴは目を見開き、剣を抜いて構えた。
「止せ。」
ファルゴの仲間の冒険者が止めようとするが。
「うるせい!Eランクごときに。舐められたままじゃいられねえええ。」
ファルゴは鼻血を滴らせながら叫び、剣を構えて震えている。
「じゃあ、死ね!」
俺は眉を吊り上げ吐き捨てた。
ブシュッ!ドン!ゴロゴロッ。
ファルゴの首が落ちた。
「ぎゃああああああああ!」
「ふぁ、ファルゴおおおおおおお!」
「おおおおおおおおお。」
ファルゴの仲間の冒険者達が駆け寄る。
首から上がないファルゴの身体が倒れる。
思わず抱きかかえる仲間。
ファルゴの首から血が流れ出し、真っ赤に染まる。
俺とリンとノワは何も無かったかの様に、ダンジョンに向けて歩きだした。
ババは青い顔をしてファルゴを見ていたが、俺達がダンジョンに向かうのを見て、慌ててついて来た。
「な、何だ?」
「何があった?」
「ファルゴが殺された。」
「ええええええ!」
「誰に?」
「分からん。」
「何故、ファルゴが死んだ?」
「あの人に斬り掛かろうとしたからか?」
「分からんが多分そうだ。」
「あの人が殺したのか」
「分からん。」
「あの男が何かしたのか?」
「あの人は死ねって言っただけだぞ。その他は何もしていない・・・。」
「いつ首が斬られた?」
「分からん。」
「怖っ・・・。」
冒険者達は震える声で囁きあいながら、ファルゴの死体を見詰めていた。
門番は顔が真っ青になり冷や汗を流して、俺の後ろ姿を目で追っていた。
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