崩壊


明け方

部屋の窓から

薄明るい色へと変わってゆく空を

壁に背を凭れ

じっと眺めていた

世界の終わり

建物の中身は空だった

もうここには誰もいない

目を閉じれば何もかもが曖昧な夢だったように思える

クッキーのよう脆く崩れた

あの頃の自分に何か伝えたいことがある気がした

次に目を閉じればもうきっと開けることは無いだろう

最後に訪れるのがなんなのか

よく覚えておくことにするよ

誰かの笑い声が聞こえて来る

(一体、何がそんなに面白いのだろう?)


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