拷問


なあ

いい加減、喋ったらどうだ?

これ以上、我慢したってろくな事がないぞ?

あんたが守ろうとしているものって一体なんだ?

それはこれから加えられる痛みより重要視されるものか?

なあ

今なら素直に答えれば顔面が垂直になるくらいで済む

けれどこれからはどんどん悪化する

保証が出来なくなる

何故なら時間は何より大切なものだからだ

さっき提案した内容だって今この瞬間にはもう通用しない

条件が異なってくる

当たり前のことだよな

だからあんたは呑気におれの話しなんか聞いてる場合じゃないと思うんだがね

まあいい

おれはあんたじゃない

腕が失くなろうが足が失くなろうがおれには関係無い

自由だ

とやかく言うつもりはない

おれはただ雇われているだけだからな

言われたことを言われた通りにやるだけだ

あんたは友達ではないが

恨みも無い

気まぐれで忠告しておくが

これ以上そうしていたって何もいいことなんて起こらないぞ?

一体、何を期待しているんだ?

お前はようやくこちらを向いた

そしてゆっくり口を開こうとした

だが時間切れだ

その瞬間のお前の表情はよく覚えている


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