第19話 なんとなく荒川に飛び込むだけの話
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
一人の男が疾走する。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
とりあえず疾走する。
東京の街を疾走する。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
雄たけびを上げながら、自らの何かを吐き出すように疾走する。
日本で一番広い幅の河川敷を踏破し、男は疾走する。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
ついに大声をあげて、男は荒川に飛び込んだ。
なんてことはない、阪神ファンが阪神タイガースが優勝した時に道頓堀に飛び込むのに対抗して、読売ジャイアンツが優勝したから荒川に飛び込んだだけだ。
こうして男は風邪をひいた。
了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます