殲滅戦と圧倒的理不尽
〜〜〜〜ルリ視点〜〜〜〜
エルフさんの里に魔物が攻め始めてきた、シオンはドリアーナさんの治療でこちらには来れない。
里にいるエルフさんはだいたい40人ぐらいで、魔物は200体ぐらい、数で言えば5倍魔物のほうが多かった。
だけどそんな事は関係ない、シオンが守るって言ったんだから私も全力でこの里を守る。
それはクラスメイトの蒼井君のため、エルフさん達のため、そしてシオンの願いだから。
「〈結界〉」
私は村全体を囲うように結界を張った。
無属性魔法 結界は指定した範囲を魔力で囲い、その中に侵攻しようとするものや攻撃などを防ぐ事ができる。
私が発動した結界によって、村に侵攻しようとする魔物たちの動きが止まった。魔物たちは何に侵攻を阻まれたのか分かっておらず、結界をひたすらに攻撃している。
なんていうか無我夢中で結界を攻撃する魔物は見ていて気持ちが悪い。
今まで侵攻しようとしていた魔物が、急に何かに阻まれ動きを止めた事を見ているエルフさん達が困惑し始めた。
エルフさん達の顔は、一定の場所から侵攻できない事がわかって安堵してる人や、いつ中に入られるか分からず恐怖している人がいる。
「エルフのみなさーん。聞いてください!!」
私は精一杯大きな声でエルフさん達に呼びかけてみた。
そして気がついた、エルフさん達が私のほうを向いてくれる。
「今この村を囲うように結界を張りました。おそらく魔物は入って来れません!ですのでこの結界の外には出ないでください!!」
私の言葉を聴いたエルフさん達はみんな驚いた様な顔をしたいた。
一時的に里は安全だと思うエルフさん達もいると思うが、察しのいい人達はすぐに気づいてしまっただろう。
確かに侵攻は防げているが根本的な解決にはなっていない。
そう、すでに攻められてる時点で里の存在は魔物にばれているし、なぜかこの魔物たちはエルフの里に侵攻しようとするのをやめない。
こうなると取れる手段は一つしかない。
「エルフの皆さん今から私は結界を出て魔物と戦ってきます。もしかしたら結界の中に魔物が数匹入っちゃうかもしれません。その魔物は皆さんでお願いします」
そう言って私は結界の外に向けて歩き出した。その際エルフさん達の中には「無茶だ」とか「行っちゃ駄目」と止めようとする人もいましたが私は止まりません。
魔物の近くまで行くと、魔物が私に気づきよりいっそう激しく結界を攻撃しています。
やっぱり見ていて気持ち悪くなりそう。
「〈
結界の周りの魔物を消し飛ばし、結果内に魔物が入らないようにして、結界の外に出る。
私は〈ディメンションバック〉を使い中から槍を取り出す。普段槍なんか使わないが、今回は数が多いから間合いを取るため槍にする。
私は一応基本的にはどの武器でも使えるように訓練した来たから。普段使わない槍でも問題はない。
〈
だけど冷静によく見て、槍で間合いを取りつつ、懐に入ってきそうな魔物は即座に魔法で倒す。
余計な事は一切考えず、私は魔物を倒す事に集中した。
~~~~シオン視点~~~~
ドリアーナさんに魔力を送り始めてからだいたい5分ぐらい経った頃、ドリアーナさんが眼を覚ました。
のだが
「あのー大丈夫ですか?声届いていますか?」
目は合っているのに一向に話しかけてもらえず。俺のほうから話しかけてしまった。
ドリアーナさんはゆっくり首を傾げて俺に尋ねた。
「私、死んだんですか?」
「あの。えっと」
返答に困ってしまう。まだ意識がしっかり回復していないのか、なぜか死んだのだと勘違いしてしまう。
「いえ、あなたは死んでませんよ」
「やっぱり...みんなを残して、え、死んでない?」
自分が死んでないことに驚いていらっしゃる、この方。
なんで死んだと思ってるんだろう。そもそも超魔力不足は死ぬものではないし。
「じゃあ、あなたは一体誰なんですか?」
「俺は...」
とりあえず、いろいろ説明した。どうやってこの村に来たのかとか、ドリアーナさんがどんな病にかかっていたとか。
「それでシオンさん1つ質問なんですが、里が騒がしい気がするのですが、何かあったのですか?」
今の今まで寝ていたから里の状態が全く分からないのだろう。外が騒がしい事に気づいて俺に尋ねる。
「今、魔物が200体ほどこの里に攻めて来てるんですよ」
「え?冗談よね??」
「本当です」
里の状況を聞かされベットから立ち上がろうとするドリアーナさん。しかし、寝込んでいたから体が動かずうまく立ち上がれない。
「ドリアーナさん無理に動かないほうがいいですよ」
「ですが、今動かなければ同胞達が死んでしまいます!せめて結界だけでも張らなければ」
そう言って魔法を使おうとする。だが即座にそれを止めた。
「どうして止めるんですか?」
止められた事に苛立ちを覚えてのか俺を睨んでくる。だがまぁなんというかこんなに綺麗な人に睨まれても全く怖くない。むしろ人によってはご褒美と捉える人が出てくるだろう。
「あなたが今そんな状態で魔法を使えば、魔法が暴走して里にもそしてあなた自身にも危険が及ぶ、なので止めさせてもらいました。それにさっきもう一人の連れが結界を使ってるので大丈夫ですよ」
「そうなのですか...」
納得してくれたのだろう、今はもう立ち上がろうともしていない。
「では俺も今から外の加勢に行って来るので、ここで安静にしていてくださいね」
一様ここから動かないように言って、俺は立ち上がり外に出ようとした。
「シオンさん、ありがとうございます。里をよろしくお願いします」
最後に送られた言葉を背中越しに聞きながら、振り返らずに部屋を出て行った。
外に出てリーランさんと目が合う、そして凄い迫力でこっちに近づいてきた。
「シオン殿、妻はどうなりました?!」
「大丈夫ですよ、意識は回復しました。後は安静にしてればいずれ元の調子に戻ると思いますよ」
ドリアーナさんの意識が回復したのを知って、涙を流し始めた。
うん、なんかこういうの凄くいいな。
「リーランさん悪いんですがルリはどっちの方向に行きました?」
「す、すまない、ルリ殿なら右のほうに向かわれたぞ」
「わかりました、ではすぐに魔物を片付けてきますね」
とりあえずルリが向かった逆方向の左側に向かって歩き出す。時間もないしパパッと。魔物を消す事にした。
結界の近くに着くと魔物が結界を壊そうと殴っている。
まるでまるでバイオ○ザードのゾ○ビ見たいに群がってやがる。気持ちわる。
『ルリ聞こえるか』
とりあえずテレパシーでルリに話しかけてみる。するとすぐに反応してくれた。
『シオン、ドリアーナさんの方は大丈夫なの?』
『そっちは問題ない、それより時間が惜しいから、あの魔法を使う。ルリも結界の中に入ってくれるか』
『りょうかーい』
とりあえず、ルリも避難される。まぁルリには影響ないと思うが、念のためだ。
『中に入ったよ』
ルリが結果内に入った事を確認して、テレパシーをやめる。
そして俺のとっておき魔法を使う。
「〈
魔法を言った瞬間結界の外が光に覆われた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔法解説
〈結界〉今回ルリが使ったのは超級の無属性魔法、だけど結界にはその強度や効果によって様々な階級があり、また様々な属性の結界もある。
〈
〈
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