勝負は一瞬でした。
前書き
今回は一応魔法をメインにした話です。
今まで出てきたこととない単語なども出で来るのでちょっと苦労するのが大変かも。
おそらく同じタイミングでとあるキャラによる魔法説明的な話も投稿するので先にそっちを見てもらったほうが良いかもです。
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本編
「両者構えて…始め!!」
「くたばれ平民、〈
フォルテ先生の合図の後ノアはすぐ魔法を放つ、だがその魔法は俺の目の前で消滅する。
自分の放った魔法が不自然に消えてノアが困惑している。
周りで見ている生徒も驚いていた
「バカな、私の魔法が消えただと!」
「まるでそよ風に頬を撫でられたような感覚だな、え、魔法を使っていた?冗談だろ?」
「き、キサマァ、絶対許さぬぞ」
ノアを盛大に煽るとプルプル震えながら顔が赤くなっていく。見ていて愉快だ。
その後同じ魔法を何度か使ってきたが、全て消滅させてやった。
俺がやった事を簡単に説明すると、ノアが放つ〈
まぁ魔法を使う者として相殺ぐらい常識だから知っているはずだが、何故ノアが気がつかないのか、きっと魔法が消えるように相殺されるのを見たことがないのだろう。
本来であれば魔法を相殺する時は、俺も魔法を放って魔法同士がぶつかり消えるのだが、今回俺は詠唱もせず、相殺する瞬間を視認できないようにしたので気づかないんだろう。
もしかしたら、ただアホで間抜けなだけかもしれないけど。
「ハァハァ、何故だ、何故私の魔法が消える!」
何度も無意味に魔法を発動し、そのたびに俺に消される。
ノアが肩で息をしながら俺を睨む、いまだに何がおきてるのか、わかってないみたいだ。
やっぱりただのアホで間抜けなのかもしれない。
「こうなったら、私の家に伝わる秘術を貴様にくらわせてやる」
「な、なに秘術だと!?」
「怖いだろう平民だが、もう遅い詠唱が完了して魔法が発動すれば貴様はただではすまないからな、まぁせいぜい防御魔法でも展開しておくのだな!」
俺を煽るのをやめ、おそらく秘術を発動するのに必要な長ったらしい詠唱を始めた。
ノアの秘術発動宣言を聞いて、周りで見ている生徒は急いで防御魔法を展開し始めた。一応俺も生徒周辺に展開しようかと悩んだが、フォルテ先生とグラハム先生が展開したのでやめた。まぁなにかあってもシャロもいるし問題はない。
それにしても、アホだ、間抜けだとは思っていたがまさかここまでとは、目の前に戦う相手がいるのに秘術を使う事を言うわ、すこし怖がるふりをすれば調子に乗るは、挙句の果てには何の防御魔法も使わずに長ったらしい詠唱をするわ、もう目も当てられなかった。確かに詠唱してるだけあってそこそこの魔力がノアの周囲に集まって入るが、なんていうか本当に残念な奴だ。
元日本人で一時期、厨二病だった俺は、こっちの世界に来た頃、詠唱で魔力を高められる事を知り長い詠唱をしていたが、効率が悪いし何より恥ずかしすぎたのでやめた。それを目の前でやられると悶えそうになる。一応威力があるので周りが安全か確認してたら、一人悶えていて周りの生徒に心配されている生徒がいた。蒼井将太だ。
きっと彼も見ていて恥ずかしくて悶えてるのだろう、いい友達になれる予感がする。
ここで秘術についておさらいをする、ノアの詠唱が長すぎて暇とかそういうわけではありません。
秘術とは、一定の位以上の貴族達が保有する
それでも秘術と言われてるのは全く同じ魔法は使えないからなのだ。
長ったらしい詠唱、魔力制御、魔法を発動する承認この三つがないと使えないのだ、最初の二つはまぁ何とかなるかもしれないが三つ目はその
承認がない状態で魔法を発動すると魔力が暴走して大事故になるらしい。
それにしても長い、まだ詠唱が終らない。詠唱の様子を眺めてたが大事な事を思い出して急いである魔法を発動する。
『聞こえるか、シャロ』
『え、兄さんの声が頭に響く?どういうこと??』
俺がシャロの脳内に直接話しかけるとシャロがキョロキョロし始めた。
『今〈テレパシー〉って魔法で直接脳内に喋りかけてる』
『そうなんだ~それでどうしたの~?』
『ノアが魔法を放ち終わったらすぐ、最大威力で防御魔法をノアと見ている生徒の回りに展開して欲しい』
『兄さんが何をするのかわからないけど、りょうかい~、でも兄さんが本気で魔法なんか使ったら、私の防御魔法じゃどうしようもできないよ~?』
『まぁ、威力の調整はするよ放つ前に威力を抑えるから、でもあいつには絶望を味わってもらうから』
俺がシャロにお願いし終わる頃にやっと詠唱も終わった、いや長くて助かった。
発動前に俺を見てノアは笑った。
「これで貴様も終わりだ、長い詠唱を律儀に待ってたところだけはほめてやる、ではさらばだ偽りの一位
〈
迫りくる秘術、俺は持っていた剣を構え上から下に振り下ろす、そして秘術は真っ二つになる、行き場を失った秘術は、先生の展開した防御魔法に当たり激しい爆発音と共に消えた
渾身の一撃だったのだろう勝ちを確信して放った魔法が俺に斬られた瞬間「はぇ」と間抜けな声をだしていた。
「その程度が秘術か笑えるな、今から格の違いを見せてやるよ」
その瞬間俺の周囲にとてつもない量の魔力が集まる。異常な魔力量に先生たちが動こうとしたが、俺が〈
そしてシャロが魔法を展開した事を確認する。
「どうした、貴族様の魔法はこの程度か、じゃあ本物の魔法を見せてやるよ、いっぺん死んどけ、〈
俺が魔法を発動した瞬間空から隕石のようなものが降ってくる。激しい光と衝撃音が周りを襲う。
ノアは口をあけて、ただ上を見上げている、もはや防御魔法すら使う気がないようだ。
見ている生徒達の反応は様々で慌てふためいてる生徒もいれば、気絶してる生徒もいるし、ただ呆けてる生徒もいる。フォルテ先生たちは光が消える瞬間を待っていた。
少しすると光も消え、目の前には立ったまま気絶する器用な奴がいた、誰であろうか...ノアである。
一切傷ついてないノアの姿を見て固まる生徒、先生達そんな状態のみんなを無視して俺はノアの目の前まで歩いていく。
立っているノアの顔におもいっきり平手打ち、パァンと良い音の後に「グベェ」とか奇妙な声を上げるノア、まだ自分の状況を認識してないみたいで周りを見始める、そして俺と目が合った。
「お目覚めか貴族様、今回の勝負は俺の勝ちだ。さてお前にはしてもらう事があるよな、まさか覚えてないなんていわないよなぁ?」
少し圧をかけ、なるべく脅すように言う。すると突然ノアは立ち上がり俺に向かって走ってくる。
いきなりの事に剣を構えたが俺の場所に来る前にジャンプする。そして...
「本当にすいませんでしたぁ!!」
叫びながら物凄くきれいなジャンピング土下座をかましてくる。
それは、もう完璧な土下座、もしこの土下座に点数をつけるなら、問答無用で満点が出るぐらい、綺麗な土下座だった。
「あ、えっと、俺はいいから、とりあえずルリたちに土下座してこいよ」
そういうと、すぐ立ち上がりルリたちのほうに走って向かい、土下座をする。
やはりその土下座はとても美しかった。
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魔法解説
〈
〈テレパシー〉シオンが開発した無属性魔法、相手を決めてその人物の脳に直接話しかける、口を動かす必要と、相手を視認する必要もないので、使ってる事がばれにくい。人数制限はなく、距離は話したい人の魔力を少しでも感じれればどこまでもいける。
〈
〈
〈
今回は怖がらせるためシオンは隕石のように放ったが、手早く済ませる際は光を放ち、対象を消滅させたりもできる。
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