一足先に冒険者

今回はキャロとシャロのお話です。

家からいなくなった二人が何をしていたのか今回と次の話で書いていこうと思います。

基本的にセリフ以外のところは第三者視点って感じになっています。


では、本編に続きます。








「ねぇキャロちゃん、本当に行くの~?後で怒られないかな~?」


「大丈夫よ、ちゃんと手紙も書いて、机に置いておいたし、少し遅くても問題ないわ」


「...そうだよね、じゃれっつご~」


これはシオンとアイラが庭でも摸擬戦をやっている時のキャロとシャロのちょっとした、おはなし...


「ところで、キャロちゃんはどこに行くか決まっているの~?」


「あれ、言ってなかったかしら?目指すはここ王都ゼロストの冒険者ギルドよ!」


「え、それって大丈夫なの?私達まだ子供だよ、怒られるかも」


「大丈夫だわ、怒られたら帰ればいいだけよ、それじゃ、いくわよ」


「ちょ、ちょっと待ってよ~」


姉キャロにちょっと強引につれてかれる妹シャロ、昔から少し強引でそして唐突に物事をを決めるキャロ。だがシャロはそんなキャロの事を尊敬しうらやましく思っている。


一方キャロは基本的には、特に何も考えず自分のやりたい事をしようとする。だが必ずシャロやシオンそしてフィンやミリアに迷惑がかからないような配慮も忘れわしない。だけどときどき失敗して怒られることもある、根はとてもいい子なのである。


「それにしても、やっぱり王都は建物一つ一つが大きいわ、レサルの町も冒険者ギルドはそこそこ大きかったけど、あの建物と同じぐらいの大きさの建物がいっぱいだわ」


「そうだね~特にお城なんてレサルのギルドを何個分かわからないぐらい高いし大きいよね~」


二人は回りを見ながら冒険者ギルドに向かう、前に住んでたエンド村はどちらかと言えば田舎で特に大きな建物もなくレサルの町も王都に比べると大きい建物が多いとはいえない、そんな環境で育った二人だから、周りに見える建物にワクワクしながら進んでいった。


家を出てしばらく歩き、冒険者ギルドの前に着く二人、二人はあまりの大きさに驚いていた。


「ねぇ、大きすぎないかしら?ここ本当に冒険者ギルドよね?」


「えぇーと、そのはずだけど凄く大きいね、一体中はどうなっているんだろうね~」


あまりの大きさに入る事をためらっている二人、入り口付近で立っていると後ろから声をかけられた。


「そこのお穣ちゃん達冒険者ギルドに何か用事かい?」


振り向くと身長が二人の倍ぐらいありそうで、赤い髪と顎鬚が印象的で後ろに剣らしきもを背負っている男がいた


「ダメじゃよ、ここはお穣ちゃんたちが来るような場所じゃないよ」


「あの!私達将来冒険者になりたくてギルドを見に来ました、見学させてください!!」


「えぇ~と私もお願いします」


「なんと、将来冒険者志望の子達だったのか...うーん」


二人のいきなりの発言に男が驚き、何かを考え始めた。

少し考えた男は結果的に二人の見学を了承して、二人を連れてギルドの中に入っていった。


ギルドは四階建てで一階は総合受付と酒場になっている、男は二人を連れて酒場の席に座った。

そんな男を見てギルドの中にいた冒険者たちがヒソヒソ話し始めていたが、男は気にしなかった


「おじさん、おじさんはクエスト受けないの?」


「お、おじさんってまぁたしかにわしはもうおじさんだが...人を待っていてのぅ、来たら何か受けるかもしれん」


キャロにおじさんと言われた男は悲しそうな顔をした、だがすぐ顔をキャロ達のほうに向けて話し始めた。


「わしはグラハム、お穣ちゃんたちの名前は?」


「私は、キャロよ」


「私は、シャロで~す」


「ほう、キャロちゃんとシャロちゃんかお穣ちゃんたちは双子かい?」


「「うん」」


「そうなんのか、ところで二人のりょうし「その二人からはなれなさーい」」


グラハムが何か聞こうとしたときに一人の女性がグラハムに殴りかかった、何が起きたのかわからず呆けている、キャロとシャロ、二人をグラハムから離そうとグラハムに殴りかかる女性、その拳を軽々受け止めるグラハム、〔またいつものが始まったよ〕みたいな目で見ている周りの冒険者、その場はカオスとなっていった。


しばらくして、女性のほうが殴るのをやめ事情を聞き始めた。


「あなた達、大丈夫?この人にひどい事とかされてない?」


「なにも、しとらんよ」


「お爺ちゃんは、黙って私は二人に聞いてるんだから、何かされてたら言っていいよ、お姉ちゃんが懲らしめるから」


「いえ、私達は何もされてないわ」


「ほんとですよ~」


キャロとシャロは女性に事情を説明した。


「なるほど、ギルド見学にきたのね、声をかけられお爺ちゃんにお願いして中に入ったと」


「だからいったじゃろ、わしは何もしていないって」


「そうね、ごめんなさい」


「あの、グラハムさんの事お爺ちゃんって言ってるけど、お姉さんはグラハムさんの孫って事かしら?」


「うん、あってるわよ、私はフォルテ、グラハムの孫娘よ、よろしくキャロちゃんシャロちゃん」


フォルテと名乗った女性をよく見ると、長く綺麗な赤髪でなんとなくグラハムと似ていた。


フォルテとグラハムは、クエストボードの前まで行きクエストを見る。それにキャロ達も付いていって依頼を見始めた。


「ところでクエストって一体どんなのがあるのかしら?」

「そうじゃの、ほとんどのクエストにはランクが付いており、10段階とランクとは関係ないクエストが存在するのじゃ、基本的にはGからSSSで冒険者は自分のランクのクエストとその一つ上のクエストまでが受けられるのじゃ、まぁ例外は沢山あるがのぅ」


「今回受けるのは、ランクに関係ないクエストにする予定よ、ランクに関係ないクエストは冒険者じゃない人も受けられるクエストよ」


「?冒険者じゃない人もクエストを受けるんですか~」


「まぁ、冒険者もタダでなれるわけじゃないからね、まぁ報奨金はランクつきクエストに比べてしまうとないにも等しいんだけど」


「へぇ、クエストにもいろいろあるのね、凄く勉強になるわ」


グラハムとフォルテは、キャロ達にいろいろ教えながらクエストを見ている、そしてフォルテがクエストボードから一つのクエスト依頼紙を取ってきた。


「ねぇ、お爺ちゃんこのクエストどう?」


「ふむ、近くの森の薬草採取か、これなら森の奥には行かないし、魔物と遭遇する危険もないし、いいかもしれんのぅ」


「じゃ、これ受けてきちゃうね」


依頼紙を持ってフォルテはカウンターにいった。その間にグラハムがいろいろ準備をする。


「じゃ二人とも、クエストが受けられたら行くから準備をするのじゃ」


「え、私達も行っていいの?」


「行っていいのですか~」


「そうじゃよ、じゃから簡単なクエストにしたんじゃ、それに往復で1時間もかからんし日が落ちる前にわ、帰せるし大丈夫じゃろ」


「「ありがとうございます」」


「三人とも、行くよー」

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