Ami

作者 文月八千代

それはきっと、神様からのプレゼント

  • ★★★ Excellent!!!

生まれてからずっとシェルターで生きてきた少女がいた。

ある日、彼女は共に暮らしていた祖父を失くし、しかもシェルターの管理AIまでをも失う危機に陥る。

この危機を回避するには、設定されたパスワードを入力してシェルターのメインコンピューターにアクセスするしかない。制限時間は一時間。

果たして、彼女はパスワードを見つけ出し、シェルターのAIを復旧させられるのか?


シェルターという閉鎖環境で、たった一人で危機に立ち向かわなくてはならないというシチュエーションがまず秀逸でした。頼れる見方もいない状況で、ほぼノーヒントの状態でパスワードを探し当てられるのか、ドキドキしながら読ませてもらいました。

そしてラストシーン……彼女ともう一人、唯一の“友人”と言ってもいい存在との会話。これがどこかものかなしく、しかし明るい未来を想起させる、不思議な読後感を残してくれます。

本文によると、このお話はクリスマス(ちょうど彼女の誕生日らしい)直前の出来事らしいです。きっとこの事件は、20歳の誕生日を迎える彼女への、神様からの驚くようなプレゼントだったのでしょう。

誰もいなくなった世界で、それでも大人の階段を登り始めた少女の成長譚。ぜひご一読ください。

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