絹婚式

夢美瑠瑠

絹婚式



掌編小説・『絹婚式』



 翼夫と理子は、結婚12年目で、これを「絹婚式」というらしいのだ。

 記念に何か「絹」に因んだセレモニーをしようということになった。

 ベッドインして、水入らずで蜜月の時を過ごしているうちに、話が弾んで、くだらないアイデアもいろいろ出て、どうだろう、「絹の靴下」とか、「絹のハンカチ」を結び合わせて、SMプレイをすればいいじゃないかということになった。

 そういう虚礼をジョークにして、面白がるのは精神の衛生にいいかもしれない。

 衣裳棚とかを漁って、ありったけの絹の衣類やらシルクの布地の結び合わせて紐を作れる様々なアイテムを引っ張り出して、結び合わせて、伸縮自在で、光沢のある拘束可能の絹地のロープをたくさん作って、まだ若い理子の瑞々しい四肢を、がんじがらめに縛ってみたのだ。

 羞ずかしいポーズで固定されてしまった理子は、目を閉じて俯いて、「ああん・・・」と喘いだ。

 被虐の快感で、羞ずかしい部分が震えてしまう。「いやー見ないで」 体をよじる。でも、何も隠せない。

「エッチー」次第に夢心地になる。震えているところが分泌に変わる。


「あん、あん、あん」指で刺激されて、露骨な声を漏らす。

「おもらししているみたいだぞ、ヒヒヒ」

笑われて、すごい快感が来て、全身がぐっとのけぞる。

「洪水みたいだな。どうだ。隠せないのがいいだろう。ウヒヒ」

笑い声が、敏感な身体を貫いて、ブルブルッと震えてしまう。

全部見られている。羞ずかしい!

「アアン、もうダメーいやらしい!エッチ!こんなことだめなのー」

「ヒヒヒ。されたいくせに」

こすりたてる指の感触と、見られている快感がないまぜになって、だんだん無我夢中な感じになっていく。

 掠れた声で涕泣して、悶えながら、理子は絶頂に追い上げられていく・・・

「アン、アン、アン」・・・「アッ!あ゛あ゛っつ!!!」

 理子の紅潮した身体がのけぞった。

 汗で光る全身を拘束している絹のロープがぎりぎりと軋み、目くるめくような快感が爆発して、ラブジュースがあふれて、究極の痴態を、理子は盛大にさらけ出した・・・


(こういうことを書いてはいけないそうです)


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