第8話 爆誕!乳神様!

リーネのおっぱいを揉んでから1週間が経とうとしている。

あれから俺は一人もおっぱいを揉めていない。

早くおっぱいを揉んでいかないと非常にマズイ。人生で一番焦っている。


仲のいいおっぱい、いや女の子なんてリーネしかいないし、普通にしていたっておっぱいなんて揉めるはずがない。日常で複数のおっぱいを揉んでいるやつなんて変態かハーレム王しかいないだろ。


そんな感じで1週間ほど、頭を悩ませた結果、ある人物を頼ることに決めた。

それはアルテナ学園の神と呼ばれる人物だ。


アルテナ魔法学園には対価を支払うことでどんな願いを叶えてくれるという神がいるという。俺は直接会ったことはないが、本当に存在し願いが叶うという。クラスメイトが話していた噂程度の信憑性だが。


しかし、おっぱいを揉むにはこんな噂でも信じてみるしかない。


そして、俺は今その神がいるという教室の前に立っている。

部屋の前には長机が置いてあり、張り紙がしてある。 

 

―――――――

何でも部 受付

御用の方は声をかけてください

―――――――


なるほど、[何でも部]という部活でここは部室だったのか……これ願いを叶えるというかよろず屋的なやつじゃないか? あと廊下に長机を置きっぱなしでいいのかよ。

薄れゆく希望の中、張り紙通り声をかけてみることにした。



「あのーすみません」



……反応が無いな。誰もいないのか?



「すみませーん‼ 願いが叶うと聞いて来ました‼」



もう一度、食堂で注文を頼むかのように大きめの声をかけてみる。

すると扉の向こうから反応があった。



「んああ、少し待っていてくれ!」



奥から女の子の声が聞こえる。そして、何か片付けているようにバタバタしている。

大丈夫かなぁ……所詮噂は噂だったのか……

そんな心配をしていると扉が開き、占い師のようなローブを被った少し小柄な女の子が部室から出てくる。口元は布で覆われているため目の部分しか見ることが出来ないが、かわいらしい淡褐色の目をしている。

そして、その女の子が芝居がかったように話し始める



「おお迷える……ってえええ‼」



ローブの女の子が俺を見て物凄く驚いている。何があった?

まさか、本当に神だから俺のおっぱい揉みたい願いを見透かされているのか……

それはマズイな、確かめるため聞いてみるか。



「すみません。どうかしましたか?」


「いや、なんでもないぞ。うん」



ローブの女の子は右手を自分の胸に当て深呼吸をする。

それで落ち着いたのかもう一度仕切り直す。



「ううん……それではギ……迷える子羊よ、名を述べよ」



何か言い直したぞ。まあいいか。

俺は自分の名前を答える。



「ギル・アーデンだ」


「ギル・アーデン、願いは何だ」



願い……俺がここに来た理由は一つだ。初対面の女の子に言うのはちょっと気が引けるがな。ここはシンプルに願おう。



「おっぱいを揉みたい」


「……? なるほど、好きな子のおっぱいを揉みたいのだな」



何か納得したのかローブの女の子がうんうんと頷いている。

そうだったら青春っぽくてよかったんだが……

シンプルに言い過ぎたな……ちょっと違うので修正するか。



「違います。なるべくたくさんの人のおっぱいを揉みたい」



出来る限りの真面目な顔で言ったのだが、ローブの女の子は目を見開き叫ぶ。



「敵だー‼ おい‼ こいつ女の敵だぞー‼ ナタリー‼」


「もう、どうしたのユリアちゃん。そんなに大声出して……ってえええ‼」



更に扉からナタリーと呼ばれたもう一人女の子が出てきた。

桜色の髪を横で結んでいる。サイドテールってやつか……いいね。

ローブの女の子はユリアと言うのかなるほど……で、何故俺を見て驚く?



「ギ、ギル・アーデンが不特定多数のおっぱいを揉んでキャッキャウフフしたいとか言い出したぞ⁉」


「そ、そんな……嘘ですよねギルさん」



キャッキャウフフとか言ってないんですけど‼

ローブの女の子、ユリアの話を聞いて、ナタリーと呼ばれた女の子がショックを受けたような悲しい目でこちらを見てくる。

う……そんな目で見ないでくれ……心に刺さる……。


弁明を‼ 弁明をしないと‼



「これには底なし沼より深い訳がありまして……」



「……その底なし沼より深ーい、不特定多数のおっぱいを揉みたい訳を聞こう」



ユリアが値踏みするような目でこちらを見ている。

絶対怪しまれてるな……

ナタリーの方は余程ショックだったのか石像のように固まっている。

なんかすまん。

とりあえず理解されるか分からないが訳を話すか……



「卒業試験の課題が『おっぱい図鑑完成』で図鑑登録のためにおっぱいを揉む必要があるんだ」



訳を聞いたユリアはしばらく考えこみ何か閃いたように手をポンと叩く。



「なるほど……そういう訳だったのか……なんというか……ドンマイ」


「ええ、理解できたの……」



俺にとっては助かるがすんなりと理解されたな。

そんなおっぱい揉みについて理解したユリアいたずらっぽく笑い始める。



「ふっふっふ……では手始めに我の乳を揉むか?」


「ああ、ありがとう。助かるよ」



許可が出たのだ

俺は流れるように【解析スキャンハンド】を発動させ、ユリアに向かって手を伸ばす。

するとユリアは慌てて身をひるがえして俺の手から逃れる。



「って冗談だから! 何普通に揉もうとしてるんだい! 少し恥ずかしがるのが定番だろ!」


「こっちは卒業がかかっているからな! いける時にいっておかないと‼」



そうだ俺は一つのおっぱいも無駄には出来ないんだ。

許可が出れば揉みにいくのは当然だろ。


ユリアは呆れているな……



「冗談という言葉を知らないのかい……じゃあ、乳を揉むための作戦をたてようか」


「え?」



俺はユリアの言葉に驚く。

乳を揉めための作戦をたてる?



「何を驚いている。願いだろ、君の」


「叶えてくれるのか?」



こんな願いも叶えてくれるなんて……やはり神だったのか……



「対価は要求するがなそれでもいいなら」


「ああ、構わない」



おっぱい図鑑が完成出来るなら何でも払ってやるよ。命以外なら。

俺が条件を承諾すると、ユリアは急に両手を横に広げるポーズをとる。



「そうか分かった。ギル・アーデン、これから我のことは乳神様と呼ぶがいい‼」



そして自分で変なこと言い始めた。

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