第31筆 両親との再会 街の再生(改稿)
うぅ、俺またまた死んだのかな。
「もう、シンくん無理しすぎ。」
「シンさん、コスモちゃんの言うとおりですよ。」
どうやら
「シンは優しいところあるけど変わってないわね。」
「あぁ、全くだ。」
「そうじゃの。妾の天沼矛を召喚するとは中々なことをしたが、無理が祟ったようね。」
「父さん、母さん、それに天照様? 」
引きずるほどに長い黒髪を持った少女、背後に150㎝程の銅鏡。
間違えるはずもない父さんと母さんがいた。
「なんで三人がいるんですか? 」
「そろそろネタばらしの一部だけしようか。」
「そうね。私と父さん、天照の配下の神なの。だから神力が使えるのよ。」
「えっ、マジっすか!? でも神社は大丈夫なの? あと、戸籍とか。」
「あぁ、問題ない。赤間さんって人いただろ?俺たちが神だってことも知ってるし、後を引き継いで貰ってる。」
赤間さんは気さくな人で嘘や隠し事は嫌いとか言ってたが俺はまんまと乗せられたわけか。
「戸籍はね、宮内庁と国の協力のもと発行だから大丈夫。」
その発行ってどうなってんだ一体。物凄い圧力を感じるわ。
「そんなことないわよっ。キラッ。」
ウィンクしてもなぁ。怖いわ。
「天照様。寝てないで説明して上げて下さい。」
「ふあっ! 失礼な! 妾は寝てなぞいないわ。眼を瞑っていただけじゃ。」
「それを寝るというんですよ。困ったものです。」
長生きな分、言動に年の深みを感じる。
「そうじゃそうじゃ。シンの言う通りじゃ。二人とも妾を責めないでほしいなぁ? 出来の良い息子を見習わんか。
天叢雲剣はずっと探しておったんじゃ。召喚という形を取ったのは良い選択だった。今は使う人おらんし、熱田神宮にある偽物よりそっち使った方が良いやろうて。死ぬまでずっと使って良いぞ。まぁ、神の端くれだから簡単には死なんよ。
天沼矛は要交渉でな。妾の背中にある八咫鏡は一回だけ使用許可しよう。邪神エドュティアナのとの戦いに使うと良い。良い友人だったんじゃが、あんなになってしまうとは思わなかったわ。」
「わかりました。」
「オロチは迷惑かけてないかの? あやつ酒に酔うと妾すらも抱こうと縄で縛り付け始めるから心配じゃ。その度にスサノオがぶっ飛ばしてる。スサノオにも近々会えるかもの。」
「オロチさんは大丈夫ですよ。ルゥの世話もしてますしね。オロチさんも恐れるスサノオさんどんな人なんでしょう? 」
「普段は優しいんじゃけど極度のシスコンじゃ。怒るとかなり怖いの。」
「まあ、こんな感じかしら。」
「以上ですね、シンさん。」
「頑張れよ、シン」
「頑張ってね、シン。何でも出来る、よ♪ 」
「ちょっと待ってくれ、父さんと母さんに話したいことある…うわぁぁぁぁーー!! 」
「ごめーん、ユミくん。またやっちゃった♪ 」
「次こそは頼むよ、マイハニー。」
_______________________
「……シ…ン…く…ん……シン……くん……シンくん!! 」
「ふわぁー。良く寝たぜ。」
ここは
「シンくん2日寝てたんだよ? 魔力切れ起こしてヴォルくんが落下する体を受け止めてくれたんだからねっ!」
うおっ、苦しい、苦しい! 骨が折れる! その代わりふわふわのおっぱいが当たって股間が熱くなりそう。
……お、おう、ヴォルフガング。天幕の入り口から顔を覗かせた。彼と目があった。じーっと見られてる。
「おう、ヴォルフガング。息災か? 」
「ご無事で何よりでございます! 心配で眠れませんでしたぞ。安心して涙が……。」
器用に何処からか取り出したハンカチを掴んで涙を拭いている。ちーん と鼻もちり紙でかんでいる。 涙もろい仲間が多いような……気のせいか。
「シンくん、蘇生した皆が待っていますよ。」
「シンお兄ちゃん、一緒にいくよ! ヴォルフガングもミューリエお姉ちゃんも一緒に! 」
「おう! 」
「はっ、主君! 」
「はいっ!」
天幕の布をくぐると翼を持った人々がたくさんいた。
「救世主さまがお目覚めになられた! 」
「英雄様のお目覚めだ! 」
「シン様、私たちの命を救い頂き有り難う御座います! 私はここの市長だったビアンカ・ヘルトニング です。宜しくお願い致します。」
握手を求められたのでぷにっとした柔らかい手を握る。彼女だけ翼が4つある。一部の女性の手ってなんでこんなに柔らかいんだろう? いやぁ、良いね。でも、俺にはミューリエがいるんだ。それは忘れてはならない。
「俺からお願いがあります。それは終末戦争ラグナロクの際に協力していただくことです。」
「再び命を頂いた恩、忘れません。協力させていただきます。」
「全部で何人いますか? プレゼントがあります。」
「プレゼントなんて滅相もございません。全市民80万人います。」
いつものお馴染み、連絡用ネックレスを80万セット召喚する。注釈欄に首に召喚とメモしておく。
「召喚しておきました。連絡用のネックレスです。デザインは本人の好みのデザインで自動的に変わります。」
「シン様には感謝しかございません。本当にありがとうございます!」
「あっ、そうだ。ウィズムはいるか! 」
「はいっ!シンさま。」
背中にあるジェット機構を格納して「すとっ」と着地した。おう、ぎゅっとするな。キツすぎて骨が折れそうなんだけど……。まな板でもぷにぷにしているんだよな、ウィズムの身体つきって。そう顔を赤らめるな。
「市のホログラム画像はあるか? 」
「データベースに残っております。」
「スキル【開拓者】を応用する。街を再創造する。全市民、上空へお願いします。」
皆からネックレス越しに返事が来て上空へ避難した。
【具現化ペン】を使って脳にインプットした街を描いていく。時間かかりすぎるなぁ。アップデートせよ!
~世界の声です~
【具現化ペン】に新機能が搭載されました。
・絵の具をぶちまける
これを選択するとショートカットできます。巨大建築に向いております。
以上、世界の声でした。
めっちゃ便利な機能が追加された。『絵の具をぶちまける』を選択すると絵の具のチューブが出てきた。名前の欄に『どんな色にも染まる』と記載されてある。
チューブの蓋を「カチャン」と開き押し出してぶちまけると虹色の水っぽい絵の具が周囲数キロに地面に飛散してそこから建物がにょきにょき生えてきた。おぉ~!! 便利だなあ。これなら30分位で終わるんじゃないのかな。
~30分後~
終わった~。こんなデカイ街だったのか。城壁まであるとは結構な大きさだ。魔力が三分の二位は持ってかれた。
「街まで再生していただきありがとう御座いました! シン様の名前の一部を頂いてイスタル=シルヴァトリの街に改名致します。」
「そこまでしなくても良いんですよ。」
「本当にここまでしてくれる人は初めてです。ありがとうございます! 」
ビアンカさんに見送られ、ヴォルフガングに乗り、メロル=シュルハへ報告に向かった俺たちだった。
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