第35話 △国の動乱と★国の焦り

 何回も書き直しや修正を繰り返していた為、アップが遅くなり申し訳ありませんでした。m(__)m

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 さて、これまでの周辺国を含めた流れの中で、面白く無いのは、△国や○○○国の元宗主国である、★国である。

 今でこそ、『世界の工場』等と言われているが、★国が大躍進を遂げた背景には、日本との国交正常化と、それに伴う日本からの莫大な援助が背景にある。

 国交正常化される前の★国は、ほぼ自動車が走る事無く、国民の足と言えば、自転車であった。

 その為、通勤等の時間帯の自転車による大移動の写真等を見ると、現代の日本人にしてみれば驚きだった。


 インフラの整備どころか、電力供給に関してすらも稚拙で、一党独裁による特権階級以外は、貧しい国であったのだ。

 が、日本との国交正常化した後は、日本からの莫大なODAや技術援助等で、一気に近代化して行く。

 安い人件費と強烈な人口による労働力で、一気に世界の生産部門が集まり、結果『世界の工場』と呼ばれる様になったのだ。

 GDPは一気に膨らみ、バカな日本は抜かれてしまった。

 しかも日本のバカな所は、GDPで抜かれたにも拘わらず、まだODAで毎年高額なお金を★国に貢いでいたのだ。



 日本と国交正常化した頃の★国は、近代化とは無縁の生活をする膨大な数の貧しい国民……兎に角、人口がもの凄かった。

 一党独裁で、我が物顔で近隣の弱小独立国家を飲み込んで行き、近代化とは無縁の生活をする国民は、最大の娯楽とばかりに、子供を増やして行った。

 結果、あまりにも人口が増えすぎた事で、慌てて政府は『一人っ子政策』なる物を作り、国民に子供を増やす事を禁じた。


 すると、どうなったか? 出生届をされていない、戸籍を持たない子供(法的には存在しない子)が増え、学校にも行けず、まともな職にも就けず、治安は悪化。

 更に、どうせ1人しか生めないなら、女の子よりも男の子を持ちたいと、産む子を選別する夫婦が激増し、普通なら大体5:5に落ち着く性別比率が、極端に男の子ばかりになる。

 適齢期になっても、結婚出来ない男性が増えると言う悪循環。

 更に、人口が多かった所で、一気に出生率を絞った結果、人口の少ない世代が人口の一番多い世代の老後を支える結果となり、近い将来の地雷となっていた。



 さて、近年の★国は、主席が代替わりし、年間莫大な予算を軍事費に投入しており、虎視眈々と覇権の拡大を目論んでいる。

 国交正常化した頃の指導者は没し、当時は友好的なスタンスだった物が、いつの間にか国連や彼方此方に金をバラ撒き、都合の良い時は近代国家、都合の悪い事には、発展途上国を使い分け、遣りたい放題を加速して行く。

 近年では、日本に対する攻撃のネタとして、ありもしない南京大虐殺を利用していた。

 そもそもだが、当時の南京の人口が約20万人、★国曰く、大虐殺された南京市民が30万人だそうで。

 で、日本統治下に置かれた直後(1ヵ月後)の人口が25万人に増えていた。

 これは、日本以外の国が統計を取った物なので、日本が何かを画策して誤魔化した数字では無い。

 つまり、★国の算数では、 20万人-30万人=25万人 と言う計算になる訳だ。爆笑である。

 しかし、これが世界では通用しているらしい。まったく……。

 そもそもだが、日本軍が大虐殺をしたと言う30万人の人骨は何処からも出て来ていないし、30万人もの住民を虐殺する意味が無い。

 当時の日本軍やその他資料によると、日本軍が占領した後、治安が格段に良くなり、その結果逃げ出していた民衆が戻って来たりして、増えたと言う事だろう。





 ★国の日本への攻撃ネタは、これだけではなく、他にも色々と日本内部から仕掛けて来て居る。


 地図を見ると判る事であるが、地理的な位置関係で、★国の領海は、覆い被さる様な形で日本の領海によって塞がれている。

 よって、自由に太平洋を行き来して、我が物としたい★国にとっては、日本は邪魔な障害物……謂わば目の上の瘤なのである。

 しかし、幾ら邪魔だからと言っても、流石に現代に於いて、明確な侵略は国際法や世界の各国の目もあるし、日本を同盟国として核の傘下に置いている米軍が黙って居ない。

 で、どうするか……と言うと、静かな水面下での侵略作戦を行い、日本内部からボロボロに食い荒らそうとしていた。

(実際はもっと深刻で、かなり食い荒らされているのだが。)

『静かな侵略』とは、簡単に言えば、あの手この手で相手国の内部や中枢に傀儡を潜り込ませたり、作ったりして、日本に不利益で自国に有利な世論を作ったり、団体を作らせ『市民』運動を行わせ、さもそれが正しい事と国民に思わせれば良いだけである。


 例えば、★国の野望にとっては、邪魔な存在である米軍の排除とか、古い歴史を引っ張り出した、少数民族保護や地域の独立運動とか……。


 領空や領海の仕組みは、国際法上、その国に所属する島によって広がる訳だが、島国である日本には、無数の島が存在する。

 太平洋への航路上に存在する沖縄は、米軍基地も含め、邪魔なのだ。

 つまり、沖縄から米軍が撤退し、★国の傀儡の手によって沖縄が琉球として独立してしまえば、後は遣りたい放題である。

 資金を出し、傀儡としている日本在住の外国勢力やその一派の名の知れた知識人を使い、『市民運動』として沖縄へ送り込み、反対運動や妨害活動、賛成派の地元住民への嫌がらせ等あらゆる手段を繰り広げ、黙らせる。

 地方選挙前には、事前に日本国籍を取得した同胞を大量に送り込み、選挙権を持たせ、地方自治体の運営を手中に収める。

 更に、日本国籍を持たない『市民』にも地方自治への参政権を求める運動を起こさせる。

 もし、仮にこれが認められれば、アッと言う間に地方レベルで、家主と居候のポジションチェンジが可能となる訳だ。


 そうなると、独立だろうが、売国だろうが、遣りたい放題だ。


『市民団体』はNPO等で偽装し、日本の税金からなるお金を貰い、更なる権益を求め、聞こえの良い台詞で活動する。

 必要な人員は各団体で使い回し、長となる人物を少しずつ変更して、同じ住所で登録し、複数の内容でお金を日本から集金するシステムを構築する。

 官僚や役人は、事なかれ主義の極みで、ややこしい問題化する事を恐れ、自分らが定年退職するまで平穏であれば、問題無いと、放置し、政治家やまともな日本国民が問題定義して突いて来ると、弱者である事を全面に出して、魔法の言葉『差別』や『差別主義者』や『強制連行の子孫』や『少数民族』等のマジック・ワードを唱えるだけ。

 そうすると、次は役割分担されている、マスコミ等の部隊が大騒ぎして取り上げ、いつもの黄金パターンへと持って行く訳だ。

 すごくチョロい、簡単なお仕事である……いや、であった……これまでは。




 時系列は少し前に戻るが、『日本と日本国民を守れる』憲法にする為、そして隙の無い法律を作る為に、改憲の動きが加速しており、逮捕等で1/3以上の空きが出来た事もあって、解散総選挙が行われた。

 与党内からも外国勢力に与していた者や逮捕に至った者は排除され、与党の総裁も、愛国心の高い人物が就任し、益々改憲の機運が高まっていた。



 まあ、改憲や反日違法勢力の逮捕に、少数の『市民』を名乗る反対者も居て、連日国会前でデモを行っていたが、初日こそ、100名ぐらいだったのが、そのデモに参加していた外国籍の者が逮捕されると、半分ぐらいまで減り、残った50名未満も、日に日に減って行き、1週間を待たずして、完全にデモが消滅したのだった。

 つまり、根っからの日本国民は極一部で、殆どが外国勢力の者で構成されていた訳である。

 これらの事も、大々的に政府から発表され、それまで政治に無関心であったり、聞こえの良い言葉だけを信じ切っていた、脳内お花畑な日本人も、静かに迫り来る恐怖を実感し、国防意識が高まったのだった。


 選挙結果は、与党の圧勝で、単独で改憲に必要な2/3の議員数を余裕でクリアし、与党設立時からの悲願、そして日本国民の悲願でもあった、改憲の国民投票が現実の物となったのだった。

 そして、戦後の日本を歪めた日本国憲法が改正され、降りかかる火の粉を払いのけられる物に生まれ変わったのだった。



 更にこの改憲までの期間の中で、マスコミ各社で大きな大改革や粛正人事等があり、大々的に国民に対して謝罪した会社は生き残り、最後まで反日姿勢を崩さなかった会社は倒産したり、閉業したりしたのだった。

 倒産又は閉業した新聞社は10社以上となり、そのニュースは世界を駆け回った。


 特にネット上での反応は驚く程に凄まじく、かなりの頻度で情報がアップされるチーム佐野助の発信情報と合わせ、一部を除き、誰もが現在進行形で進む日本の状況を祝福していた。

 海外の反応で興味深かったのは、特亜3カ国を除く、アジア各国から届く祝福と喜びの声は熱狂的で、『日本の復帰』を喜ぶ声が大半を占めていた。




 一方、特亜3カ国の△国では、政府が発表した歴史の真実と、日本への謝罪に国民が発狂し、お得意のローソクや太鼓を手に大統領官邸前や国会前や日本大使館前に集合し、物騒な状態になっていた。

 治安維持の為、軍隊も出動したりしたが、一部が反乱を起こしたりと、手の付けられない状態に進展していた。


 この事態にまずは米国が動いた。

 まず最初に、米企業を含んだ米国民と米軍が一斉に撤退を開始し、最後に米大使館が閉鎖した。

 続いて西側諸国や日本も追従する。

 日本は、貿易等の支払いに対する信用状の発行を停止した。


 △国の経済を支える数社の財閥や金持ち連中は、挙って国外へと脱出を試みるが、殆どの場合、受け入れ先が見つからずに難民化した。

 当然日本へも膨大な人数が渡航しようとしたが、そもそも今回の事態の際に、緊急的な入国制限(ほぼ入国拒否)を事前に宣言していたので、阻止出来たのである。

 事実上も経済上も、△国は終わったのだった。





 何十年も準備し、日々1歩1歩進めた日本への『静かな侵略』作戦だが、ここ3ヵ月程の間に起こった……いや徳治郎が起こした行動により、全てが大きく後退してしまった。

 ★国の主席は、巨体を怒りに震わせて、部下達に怒鳴り散らしていた。

 一党独裁で巨大な絶対権力を持つこの主席だが、他政党は居なくても、他派閥は存在する。

 そして、失敗に失敗が重なると、それまで誇っていた絶対権力に綻びが生じ、破綻すると一気に権力を失う事は目に見えていた。

 現在進行形で、急速に足場が崩れ去りそうな感覚を実感していたのであった。

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